グローバルマクロ戦略とは
記事作成日:2019年3月25日
最終更新日:2022年1月6日
グローバルマクロ戦略(Global macro strategy)は、ヘッジファンドの投資戦略の種類の1つで、世界中の国あるいは地域の経済、金融市場、政治情勢などを大局的な視点から分析して、世界的に株式、債券、通貨(為替)、商品、先物市場など広範な金融市場において売買(ロング・ショート)を行う投資戦略です。
グローバルマクロ戦略のグローバル(global)は「世界中の」、マクロ(macro)は「大局的な、大きな視点で見て」という意味になります。グローバルマクロ戦略を採用する投資ファンドをグローバルマクロファンドと言います。
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グローバルマクロ戦略の特徴
グローバルマクロ戦略には次のような特徴があります。
絶対収益型
グローバルマクロ戦略は、通常特定の指標(ベンチマーク)を目標とせず、絶対的な収益を追求する絶対収益追求型の戦略となります。
マクロ分析に基づき売買
グローバルマクロ戦略は、世界中の国や地域を投資対象とし、ファンドマネージャーによる経済や金融市場、政治情勢などの見通しに基づいて売買を行うことが特徴です。
世界中が投資対象
グローバルマクロ戦略はその名前の通りグローバル(世界的)なので、通常は世界中の国や地域を投資対象(通常は投資が容易な主要国を対象)とし、株式、債券、通貨、商品、先物市場などにおいて売買を行います。一部では地域や国を絞るタイプの戦略もあります。
ファンドマネージャーの裁量が大きい
一般的にグローバルマクロ戦略では、ファンドマネージャーの見通しに基づいて運用が行われるため、ファンドマネージャーの運用における裁量が大きくなる傾向があります。
運用成果はファンドマネージャーの能力に左右される
グローバルマクロ戦略は、世界中の経済、金融市場、政治情勢などを分析し、株式、債券、通貨、商品などの売買をしますが、要はファンドマネージャーの見通しに基づいて利益が得られそうな取引を行うということになり、投資成果はファンドマネージャーの分析や運用の能力・スキルに大きく左右されます。
買い(ロング)と売り(ショート)を両方行う
グローバルマクロ戦略は、先物取引などを駆使して、買い(ロングポジション)だけでなく、売り(ショートポジション)も行うため、上昇相場、下落相場のどちらの相場でも利益を上げられる可能性があります。
大規模な投資ファンドが運用
グローバルマクロ戦略は、世界中の経済、金融市場、政治情勢を分析し、株式、債券、通貨、商品などの金融商品を売買するため、高いリサーチ能力、高い運用能力が要求されるため、グローバルマクロ戦略を採用するのは大規模な投資ファンドとなる傾向があります。
まとめ
- グローバルマクロ戦略とは、経済や金融市場、政治情勢などの大局的な見通しに基づいて、世界中の国や地域の株式、債券、通貨、商品、先物市場などの売買を行う投資戦略で、ヘッジファンドが採用する投資戦略の1つです。
- グローバルマクロ戦略はファンドマネージャーの分析・運用能力に大きく運用成績が左右されます。