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レポ取引とは

記事作成日:2020年10月4日
最終更新日:2021年9月11日

レポ取引とは

レポ取引とは、日本では現先取引(買い戻し・売り戻し条件付き売買取引)と現金担保付き債券貸借取引を意味します。ただし、特に現金担保付き債券貸借取引(現金担保レポ:現担レポ)のみを意味する場合もあります。国によって異なりますが海外のレポ取引は、通常は将来債券を買い戻す条件が付いた債券等の売却取引(売買)を意味します。逆に売り戻す条件が付いた債券等の購入取引はレポ取引を逆の立場から見たものですがリバースレポ取引と呼ばれます。

レポ取引といった場合、レポ取引を単に逆から見ただけのリバースレポ取引が含まれる場合もありますが、レポ取引がリバースレポ取引と対照的に使われる場合はレポ取引にリバースレポ取引は含まれません。

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レポ取引の経済的な実態

レポ取引の経済的な実態は、売買の形式をとるか、貸借の形式をとるかに関わらず、債券を担保とした資金の貸し借りです。取引開始時に債券の手放す側(売り手、貸し手)から見ると資金調達、債券を手に入れる側(買い手、借り手)から見ると資金運用という意味合いがあります。ただし、銘柄を特定する債券貸借取引では、特定の債券の調達という意味合いが強くなります。

レポ取引が売買の形式をとる場合

売買の形式をとる日本の現先取引及び海外の米国などのレポ取引では、将来買い戻すことを条件に債券等を売却し、一定期間経過後に債券等を買い戻します。

債券等の売り手は、取引開始時に債券等を一時手放す代わりに債券等の売却代金を手にします。そして取引期間中は売却代金を使うことができます。そのため資金調達の意味合いがあります。取引終了時には債券等を買い戻します。

債券等の買い手は、取引開始時に債券等を購入し債券等の購入代金を支払います。そして取引期間中は債券等を自由に使うことができます。買い手にとっては売買形式のレポ取引は資金運用の意味合いがあります。また、購入した債券は空売りに用いられる場合があります。取引終了時には債券を売り戻して売却代金を得ます。

レポ取引の場合は、基本的に取引開始時の売買代金よりも取引終了時の売買代金の方を高く設定するなど差額を付けることで貸し借りに伴う金利を調整することになります。市場の短期金利がプラスの場合は取引の結果、通常債券の買い手が利益(資金の貸し借りに伴う利息に相当)を得ることになります。債券の売り手はお金を借りる代償として利息に相当するお金を支払う結果になります。

レポ取引が貸借の形式をとる場合

日本の現金担保付き債券貸借取引(現担レポ、貸借レポ)は、現金の担保が付いた債券の消費貸借、貸し借りの取引となりますが、経済的な実態は売買の場合と変わりません。債券を担保に資金の貸し借りをしていることに変わりはありません。

債券の貸し手(資金の取り手)は取引開始時に債券を借り手に貸し出す代わりに現金担保の差し入れを受けます。そして取引期間中は受け入れた現金担保を自由に使うことができます。そのため資金調達の意味合いがあります。取引終了時には債券の返済を受け、担保の現金を借り手に返します。

債券の借り手(資金の出し手)は取引開始時に債券を借りる代わりに現金担保を貸し手に差し入れます。そして取引期間中は債券を自由に使うことができ、空売りに用いられることがあります。借り手にとって債券貸借取引は資金運用の意味合いがありますが、銘柄を特定するSCレポでは特定の債券銘柄の調達という意味合いが強くなります。取引終了時には債券を貸し手に返済し、現金の担保の返却を受けます。

取引終了時に、債券の貸し手は現金担保を返却する際に担保金の利息を合わせて借り手に支払います。債券の借り手は債券を返却する際に債券賃借料(品貸料・品借料)を貸し手に支払います。この差額が貸し借りに伴う金利の扱いになります。

市場の短期金利がプラスの場合は取引の結果、通常債券の借り手(資金の出し手)が受取金額の方が多くなり利益(資金の貸し借りに伴う利息に相当)を得ることになります。債券の貸し手は支払い金額の方が多くなりお金を借りる代償として利息に相当するお金を支払う結果になります。

レポとリバースレポの違い

レポ取引に関係する言葉でリバースレポという言葉がありますが、レポとリバースレポは同じレポ取引を債券等の売り手(貸し手)、買い手(借り手)のどちらから見るかという違いになります。

ただし、中央銀行が関係するレポ、リバースレポといった場合は注意が必要です。中央銀行と取引相手(通常は銀行など金融機関)のどちらの立場から見てレポ、リバースレポといっているのかという点に注意する必要があります。また、レポあるいはリバースレポが取引開始時に資金供給手段または資金吸収手段として用いられる場合でも、取引終了時(満期時)には逆の資金の動き(開始時供給→終了時吸収、開始時吸収→終了時供給)になるという点に注意が必要です。

レポ

レポ取引を債券等の売り手(貸し手)、資金の取り手側から見た、債券等による資金調達取引のことを意味します。売買形式の場合は債券等の買い戻し条件付き売却取引となります。貸借形式の場合は、債券等の現金担保付き貸出の取引となります。

リバースレポ(逆レポ)

レポ取引を債券等の買い手(借り手)、資金の出し手側から見た、債券等による資金運用取引、債券等調達取引のことを意味します。売買形式の場合は債券等の売り戻し条件付き購入取引となります。貸借形式の場合は、債券等の現金担保付き借入の取引となります。

レポとリバースレポの違い

レポとリバースレポの違いは次のようになります。

  • レポ:経済的な実態は債券を差し出す代わりに資金を借り入れる行為、債券等の買い戻し条件付き売却、資金調達
  • リバースレポ:経済的な実態は債券を受け入れる代わりに資金を貸し出す行為、債券等の売り戻し条件付き購入、資金運用、債券等の調達

レポ金利(レポレート)とリバースレポ金利(リバースレポレート)

レポとリバースレポは同じレポ取引をどちらから見たかということに過ぎないため、レポとなる債券等の売り手・貸し手(資金の受け手)にとっての借入金利としてのレポレートは、リバースレポとなる債券等の買い手・借り手(資金の出し手)にとっての貸出金利としてのレポレートになります。

しかし、中央銀行に関する取引では注意が必要な場合があります。

レポ金利(レポレート)とは

レポ金利はレポ取引における債券等の売り手(貸し手)側から見た資金調達金利、借入金利を意味します。売買形式の場合は取引開始時と取引終了時の売買単価(売買代金)の差額が、資金調達の利息に相当することになり、レポ金利は借入金利に相当することになります。ただし、中央銀行がマイナス金利政策を行っている場合、短期のレポ金利はマイナスとなり、債券等の売り手が受け取り超過となることも考えられます。

また、レポ金利(レポレート)は逆の債券等の買い手(借り手)側から見ると、資金運用金利、貸出金利を意味することになります。

債券の貸借形式の場合は、現金担保金利率(担保金利息率)と債券賃借料率の差額が資金調達の利息の利率に相当することになり、レポ金利は債券の売り手(貸し手)側から見ると借入金利に、債券の買い手(借り手)側から見ると貸出金利に相当することになります。

つまり、レポ金利(レポレート)は債券等の売り手(貸し手)側から見ると借入金利に、債券等の買い手(借り手)側から見ると貸出金利となります。

ただし、中央銀行の金融調節手段として用いられる場合は注意が必要です。レポ金利は中央銀行の金融調節手段として用いられる場合、国の中央銀行が金融機関に貸し出す金利(貸出金利)を意味することがあります。例えばインドにおいては、インド準備銀行が金融機関に資金を貸し出す金利をレポ金利(レポレート)と呼びます。

リバースレポ金利(リバースレポレート)

レポとリバースレポ(逆レポ)は同じ取引をどちらから見ているかということになるため、リバースレポ金利を債券の買い手(借り手)からみた貸出金利と考えることもできますが、中央銀行の金融調節手段として用いられる場合は注意が必要です。

リバースレポ金利は中央銀行の金融調節手段として用いられる場合、国の中央銀行が金融機関から借り入れる金利(借入金利)を意味することがあります。例えばインドにおいては、インド準備銀行が金融機関から資金を借り入れる金利をリバースレポ金利(リバースレポレート)と呼びます。

まとめ

  • 日本でのレポ取引とは、債券等の現先取引(条件付き売買取引)と現金担保付き債券貸借取引を意味します。ただし、現金担保付き債券貸借取引のみを意味する場合もあります。海外でのレポ取引は、国によっても異なりますが、通常は買い戻し条件付き債券の売却取引を意味します。
  • レポ取引の経済的実態は債券を担保とした資金調達、資金運用です。

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【レポ取引とはの記事は終わりです】

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