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現先取引とは

記事作成日:2020年10月2日
最終更新日:2021年9月11日

現先取引とは

現先取引とは同量・同種の債券等を一定期間後に一定価格で買い戻すあるいは売り戻すことという特約付きで行う売買取引のことを意味します。

一定期間後に買い戻すあるいは売り戻すことを約束しているので実質的には貸し借りをしていることになりますが、将来の所定の期間に買い戻すあるいは売り戻すという条件付きの売買取引という扱いで取引が行われます。現先取引の期間は短い場合は1日から、長い場合には数か月となっています。

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現先取引の対象となる債券

現先取引で売買の対象となるものは株式など債券以外の有価証券も理論上想定することができますが、日本では基本的に債券などが対象となります。債券現先取引で売買の対象となるものは、基本的に国債が中心ですが、地方債、政府関係機関債(特別法人債)、社債、CP(コマーシャル・ペーパー)なども取引の対象となりえます。

現先取引の主体

現先取引は短期金融市場のうちオープン市場と呼ばれる市場で取引が行われます。取引金額の規模が大きくなることから都市銀行、信託銀行、証券会社、事業会社などが取引の主体となっています。

現先取引は大きく自己現先と委託現先に分けることができ、証券会社が資金調達のために債券などを売る現先取引を行う場合を自己現先と呼び、証券会社以外の主体が証券会社の仲介により債券などを売る現先取引を委託現先と呼ぶことがあります。

現先取引の性質

金利水準にもよりますが、取引中に発生する利子、取引開始時の売買の単価と取引終了時の売買の単価の差を受け取ることで最初の取引での債券の買い手が一定の利益を得ることになります。一方で、最初の取引での債券の売り手は買い手に取引期間中に発生した利子などの権利を譲る代わりに、取引期間中、最初の売買で得た資金を使うことができる、つまり資金調達ができることになります。

そのため、最初の取引での売り手から見た場合には一定期間の資金調達となり、買い手から見た場合には一定期間の資金運用となります。

現先取引ではあらかじめ買い戻すあるいは売り戻すまでの期間の金利を決めておくので、買い戻しあるいは売り戻しまでの期間の間は市場の金利動向に左右されないことになります。

実態としては、金融機関同士が資金の貸し借りを行う場としての性質があると考えることができます。

売り現先とは

売り現先とは、最初に債券を売る側(売り手)から見た現先取引のことを意味します。売り手は買い戻しの条件付きで債券を売ることになります。売り手は一定期間経過後に買い手から債券を購入します。

売り手の立場からすると、現先取引は一定期間債券を手放す代わりに行う資金調達手段ということになります。

買い現先とは

買い現先とは、最初に債券を買う側(買い手)から見た現先取引のことを意味します。買い手は売り戻しの条件付きで債券を売ることになります。買い手は一定期間経過後に売り手に債券を売却します。

買い手の立場からすると、現先取引は一定期間現金を売り手に渡す代わりに利益を得る資金運用手段ということになります。

現先取引と現担レポ取引との違い

現先取引は債券の買い戻しあるいは売り戻しの条件付き売買取引(経済的な実態としては債券を担保とした資金の調達及び運用)です。

日本の現担レポ取引(現金担保レポ取引)は現金を担保とした債券の貸借取引(現金を担保とした債券の調達及び貸出、経済的な実態としては債券を担保とした資金の調達及び運用)です。

つまり、現先取引は債券の条件付き売買取引、現担レポ取引は現金担保付きの債券の貸借取引という違いがあります。

現先取引と海外のレポ取引との関係

日本の債券現先取引は債券の条件付き売買取引です。海外でのレポ取引も基本的には条件付き売買取引となります。一方で日本の債券レポ取引(現金担保レポ取引)は債券の貸借取引となり、売買取引となる海外のレポ取引とは厳密には性質が異なることになります。

まとめ

  • 現先取引とは、同種・同量の債券等を一定期間経過後に買い戻すあるいは売り戻すという条件を付けて行う売買取引のことを意味します。
  • 現先取引は、最初に債券等の売り手となる側から見ると短期の資金調達、買い手となる側から見ると短期の資金運用という性質があります。

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【現先取引とはの記事は終わりです】

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