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プライベートデット投資の特徴とメリット・デメリット

記事作成日:2020年2月21日
最終更新日:2021年12月30日

プライベートデットとは

プライベートデット(Private debt)とは、銀行以外のファンドなどが主体となった企業などに対する債権のことを意味します。プライベートは、直訳すると私的な債務という意味になりますが、投資でプライベートデットといった場合、投資家の立場から見て、債務に対応する投資、つまり貸付債権に対する投資ということになります。また、プライベートについては、流通市場などで取引される国債や社債などの債券投資や銀行による融資以外の負債を負うことによる資金調達、つまり銀行以外が行う貸付を指すことになります。

プライベートデットにはいくつかの種類(戦略)があり、信用力が低い中小企業に銀行を介さず(預金による資金調達を伴わず)行うダイレクトレンディングなどがあります。プライベートデット投資はオルタナティブ投資、低流動性資産投資と位置付けられることがあります。

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プライベートデットの種類

プライベートデットの種類には以下のようなものがあります。

  • 直接融資(ダイレクトレンディング:Direct lending)
  • 不良債権投資(ディストレスデット:Distressed debt)
  • 劣後債権投資(メザニンデット:Mezzanine debt)
  • 特別な状況への投資(スペシャルシチュエーションデット:Special situations debt)
  • ベンチャー投資(ベンチャーデット:Venture debt)

また、プライベートデットにインフラ投資や不動産投資を含む場合もあります。日本ではプライベートデットといった場合、銀行を介さないファンドによる直接融資(ダイレクトレンディング)をイメージすることが多いようです。

プライベートデットの特徴

プライベートデットの特徴として、銀行を介さない貸付(預金を原資としない貸付)である、融資先の信用力が低い傾向がある、流動性が低い投資である、回収までの時間が長くなる傾向がある、といった特徴があります。

銀行を介さない貸付

通常の銀行による貸付は、銀行が預金を集めて、預金を原資として行われます。プライベートデットは投資家の投資資金を原資に、ファンドなどが、直接あるいは直接的に、投資対象となる企業などに貸付を行い、企業から利息や元本を回収することによって利益を得ます。

プライベートデットの一種であるダイレクトレンディングなどでは、満期までの貸付期間は数年(5~10年程度)と長期間に及ぶ傾向がある、担保が設定されることが多い、財務制限条項(コベナンツ)が設定されることが多い、格付けは通常付されない、変動金利が多い、といった特徴があります。特にプライベートデットは標準的なひな型に沿った一律の貸付ではなく、相対で個別的に条件を詰めていくため、財務制限条項などを活用して資金が回収できないリスクを抑える工夫が行われます。

融資先の信用力が低い

プライベートデットの貸付先は信用力が低い傾向があります。まず、信用力が高ければ社債を発行したり、銀行融資を受けたりして低金利で資金調達をすることができるため、敢えてプライベートデットファンドなどの貸付を受ける必要がなくなります。そのためプライベートデット投資の資金を受け入れるのは、通常の銀行融資では対応が難しいような信用リスクが高い企業となります。ただし、信用力が低い分、高い利回りが得られる傾向があります。

流動性が低い

プライベートデットは、流通市場が全くないか、ほとんどない、流動性が低い投資であることが特徴です。流動性が低いため、一度投資を始めると資金を引き上げるまでに時間がかかってしまいすぐには換金できないことがあります。換金できる場合でも不利な条件を受け入れなければいけない場合があります。一方で、流動性が低い分、流動性リスクを負うために高い利回りを得られることがあります。

投資資金回収までの期間が長い

プライベートデットでは、投資先にもよりますが、投資を始めてから投資資金を回収するまで数年かかることや10年以上かかることもあります。投資した資金によって企業などが行う事業が軌道に乗り、十分なキャッシュフローを生み出すまでに時間がかかるためです。そのため、短期間で利益を上げたい場合にはプライベートデットは向かないことになります。

プライベートデット投資のメリット

プライベートデット投資のメリットは信用リスクや流動性リスクを負うことになるため相対的に高い利回りが得られる傾向があるということです。リスクがある分、リターンを期待できることになります。もちろん、見込みが外れた場合は大きな損失を出してしまう可能性があります。

プライベートデット投資のデメリット

プライベートデット投資のデメリットは、信用リスクが相対的に高い、流通市場が基本的にないことから流動性リスクが高いこと、投資回収期間が長いため投資期間中に不測の事態が発生する可能性があることなどが挙げられます。ダイレクトレンディングで中小企業に貸付を行う場合などは上場企業とは異なるため、貸付先の情報が十分に得られない場合もあります。

まとめ

  • プライベートデット(Private debt)とは、銀行以外のファンドなどが主体となった企業などに対する債権のことを言います。プライベートデット投資といった場合は銀行以外のファンドなどによる貸付債権などに投資をすることを意味します。
  • プライベートデット投資のメリットは相対的に利回りが高い傾向があることです。一方、信用リスクや流動性リスクが相対的に高い、投資回収までの期間が長いなどのデメリットもあります。

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【プライベートデット投資の特徴とメリット・デメリットの記事は終わりです】

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