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株式の種類・種類株式とは

記事作成日:2015年8月9日
最終更新日:2021年12月20日

株式の種類・種類株式とは

株式は様々な種類の株式があります。上場企業では、種類株式はほとんど利用されておらず、基本的には普通株式です。そのため、違う種類の株式があること自体意識することは少ないですが、特殊な事例では普通の株式とは異なった株式が登場します。種類株式には、配当が優先したり劣後したりする株式や、議決権に制限がある株式などがあります。

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種類株式とは

種類株式とは、普通の株式とは異なった権利の内容を定めた株式のことです。日本では会社法により株式の権利の内容について普通の株式とは違った内容を定めることが認められています。普通の株式よりも何らかの権利が優先されている場合もありますし、権利が制限されている場合もあります。

なお、会社法で定められている株式会社が発行できる株式には次のようなものがあります。

  • 剰余金の配当の種類株式
  • 残余財産の分配の種類株式
  • 議決権制限株式
  • 譲渡制限株式
  • 取得請求権付株式
  • 取得条項付株式
  • 全部取得条項付株式
  • 拒否権付株式
  • 選任権付株式

上場企業の種類株式について

上場している企業でも種類株式を発行する例はこれまでもありましたし、新規上場の際に種類株式が発行されたまま上場された例もありますが、事例としては限られています。

仮に未上場企業が種類株式を発行していても、新規上場までに種類株式を廃止して普通株式だけにするのが一般的です。そのため、上場企業に関しては種類株式を購入する機会はほとんどありません。ほとんどの株式は普通株式です。ただし、海外では普通株式とは異なる株式が活用されている場合もあり、日本でも今後一般化する可能性があります。

一方、非上場企業では、企業経営を行う上で種類株式の活用はとても重要です。出資を受け入れる場合や事業承継をする場合などで重要な役割を果たします。

各種類株式の特徴について

各種類株式の特徴についてです。

剰余金の配当の種類株式(配当優先株式、配当劣後株式)

剰余金の配当の種類株式とは、剰余金の配当に関して優先したり劣後したり、通常とは異なった定めをした株式のことです。

配当について何らかの優先的な権利があるものを優先株、配当について権利が制限されているものを劣後株といいます。優先株は配当が優先される代わりに議決権に制限があるというような使われ方をします。

残余財産の分配の種類株式(残余財産優先株式、残余財産劣後株式)

残余財産の分配の種類株式とは、残余財産を株主に分配する際に優先したり劣後したり、通常とは異なった定めをした株式のことです。

議決権制限株式

議決権制限株式とは、株主総会で議決権を行使することができる事項が制限されている株式のことです。優先的な配当を約束する代わりに議決権がないなどの株式を発行する際に活用されます。

譲渡制限株式

譲渡制限株式とは、譲渡により株式を取得する時に株式会社の承認を要する株式のことです。株主の拡散を防ぐために活用されます。譲渡が制限されるため、自由な売買が原則の上場株式とは相反する特徴を持っています。譲渡が制限されるため換金にも制約が出てきます。譲渡が承認されない場合は、会社か会社が指定する人に買い取ってもらうことになります。

取得請求権付株式

取得請求権付株式とは、株主が株式会社に対して取得を請求することができる株式のことです。取得請求権付株式を発行すれば株主が将来会社に対して株式を取得するよう請求できるため、安心して出資してもらえるようになります。

取得条項付株式

取得条項付株式とは、一定の事由が生じたことを条件として株式会社が取得できる株式のことです。一定の状況で株式を強制的に別の株式に転換させる場合などに用いられます。

全部取得条項付株式

全部取得条項付株式とは、その種類株式について株主総会の議決によって株式会社が全部を取得できる株式のことです。100%減資をする際に活用されます。

拒否権付株式

拒否権付株式とは、一定の事項について拒否権付株式の種類株主総会の決議を必要とすることができるようになる株式のことです。拒否権付株式は黄金株と呼ばれる場合があり、拒否権付株式の株主の了承を得ないと会社の重要な決定ができないようにするような場合に活用されます。

選任権付株式

選任権付株式とは、選任権付株式の種類株主総会で取締役や監査役を選任できるようにする株式のことです。創業者や一定の大株主が経営に影響力を持ちたい場合などに一定数の取締役や監査役を送り込むために活用されます。

まとめ

  • 株式には、権利内容に優先や制限のない普通株式以外に、権利内容が異なる種類株式があります。種類株式には、配当が優先したり劣後したりする株式や、議決権に制限がある株式などがあります。
  • 上場企業では、種類株式はほとんど利用されておらず、基本的には普通株式です。

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【株式の種類・種類株式とはの記事は終わりです】

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