生活に役立つお金の知識と情報です。
※本サイトは広告を掲載しています。

原油(石油)価格と株価の関係

記事作成日:2017年8月12日
最終更新日:2022年3月9日

原油(石油)価格と株価の関係

原油(石油)価格と株価の関係についてです。原油価格と株価の関係については、相場の状況や原油価格の水準、対象となる株式市場の国が産油国が原油輸入国かなどに応じて反応が大きく異なる傾向があります。

原油は経済環境が良い場合には需要が高まるため、原油価格が強いということは世界経済も強いということになりますし、原油はリスク性資産であるため、世界的には株価と動きが連動する場合もしばしばみられます。しかし、日本は原油輸入国であり、原油価格の上昇は企業のコスト上昇につながるため、原油価格と株価が反対の動きとなることがあります。

スポンサーリンク

原油は経済環境が良い時に需要が強まる

原油(石油)は経済活動にとって重要な資源で、経済活動が活発化している時は原油需要も大きくなります。つまり、原油価格が上昇しているということは、世界経済に対する見方が良好であることの裏返しであり、原油価格上昇=世界経済堅調=株価上昇という動きとなる傾向があります。

原油はリスク性資産で株と連動する側面も

原油も株価と同様にリスク性資産であると言えます。投資家心理が良い時には買われますが、悪い時には売られます。原油は資金の逃避先となるような安全資産ではありません。

そのため、投資家心理が良好でリスク選好的な投資行動が取られるときは株式と一緒に原油も買われることがあり、株価と原油はともに上昇することがあります。一方、株価が下落する時には、同様に原油も売られることがあります。

原油輸入国にとって原油価格上昇はマイナス要因

株価と原油価格は世界的に見ると、連動して上昇したり、下落したりする場面がしばしばみられますが、基本的には原油輸入国にとっては経済や株価のマイナス要因となります。

原油の輸入価格が上昇すると、企業が最終製品に価格転嫁を行った場合には家計の負担となり、消費者物価上昇により家計の実質的な購買力が減少し消費の低迷につながります。また、価格転嫁を行わない場合には企業の負担となり、業績が圧迫され投資活動が鈍ることや、雇用や賃金に悪影響が出ることがあります。

そのため、原油輸入国の株式市場においては、原油価格の上昇は株価下落要因、原油価格の上昇は株価上昇要因となります。ただし、世界的な株価の動きの影響の方が多くなり、原油価格と株価の逆の相関関係が明確に見られない場合もあります。

原油価格上昇は物価上昇から金融引き締めにつながることも

原油価格上昇は、物価上昇を通じて金融政策に影響を与えることがあります。原油価格が上昇すると、原油輸入国においては、輸入物価の上昇を招き、国内物価上昇につながることがあります。

物価が上昇すると、中央銀行は物価の上昇を抑制するために、緩和的な金融政策をやめたり、金融引き締めを行ったりする場合があります。金融政策が引き締め方向になると、株価の下落につながります。

原油価格が上がり過ぎてしまう場合の株価

原油価格が上がり過ぎてしまうと、原油輸入国の輸入物価(輸入コスト)が上昇し、原油輸入国の物価上昇を招きます。適度な輸入物価の上昇で、価格転嫁も順調に進むような場合には問題は小さいと考えられます。

しかし、企業の価格転嫁が難しい場合や、賃金の低迷など家計の購買力が上がらない場合には、コスト増で企業収益が圧迫されるか家計の実質的な購買力が低下し、景気に悪影響があります。また、物価の上昇が金融政策において、金融引き締めにつながる場合があります。

一方で、原油価格が上昇すると、産油国の財政が潤い、オイルマネーと呼ばれる産油国の投資資金による投資が活発となるほか、先進国を含めて世界的にエネルギー関連株が上昇します。

世界的には、物価上昇の悪影響の方が強く意識され、株価にマイナスの影響を与える可能性が高くなります。

原油価格が大きく上昇する場合の影響

  • 原油輸入国の輸入物価上昇、経済環境悪化
  • 原油輸入国の金融引き締め
  • 産油国のオイルマネーによる投資活発化
  • エネルギー関連株の上昇

原油価格が下がり過ぎてしまう場合の株価

原油価格が下がり過ぎてしまうと、原油に対する需要がないという見方から世界経済の弱さが連想されるため、株価のマイナス材料となります。

また、産油国の財政を圧迫することからいわゆるオイルマネーと呼ばれる投資資金が本国に引き上げられるため、世界的に金融市場にマイナスとなります。また、産油国の経済にも打撃を与えることになります。

加えて、原油価格が下落すると先進国のエネルギー関連株も打撃を受けることになります。米国などの先進国株式市場においてもエネルギー関連株の影響は大きいため、先進国株価を押し下げる可能性があります。

一方、原油の輸入国にとっては原油価格の下落は輸入物価(輸入コスト)を押し下げるため、経済のプラス材料になるほか、金融緩和余地につながることもありますが、原油価格の下落が行き過ぎると、世界的にはマイナスの影響の方が強く意識されるため、結果的に原油輸入国の株価にもマイナスの影響を与える可能性が高くなります。

原油価格が大きく下落する場合の影響

  • 原油需要が弱く世界経済が弱いと連想が働く
  • 産油国の財政圧迫からオイルマネーの引き上げ
  • エネルギー関連株の下落につながる
  • 原油輸入国の輸入物価の押し下げ

まとめ

  • 原油価格と株価の関係については、世界的には原油価格と株価は同じ方向に動きやすいと言えますが、原油輸入国にとって原油価格上昇は株価の下落要因となるため、相場環境などに応じて反応は様々となります。
  • ただし、原油価格は上がり過ぎてしまっても、下がり過ぎてしまっても、世界的な株価にとって悪影響が大きいとみられます。

スポンサーリンク

【原油(石油)価格と株価の関係の記事は終わりです】

「資産運用|お金を増やす」のページに戻る



SNSでシェア・ブックマーク・後で読む

Twitter Facebook LINE はてな Pocket
最近よく読まれているページ
家計・節約のおすすめページ

ページの先頭へ