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新興国株式とは・投資のメリットとデメリット

記事作成日:2018年7月10日
最終更新日:2021年12月5日

新興国株式とは

新興国株式(エマージング株式)とは、経済が発展段階の途中にある新興国の企業の株式のことを意味します。新興国とは、経済が発展した先進国とは異なり、経済が発展段階の途中にあって、高い経済成長が続いている国や潜在的な成長余地が高い国を意味します。新興国は1人当たりの国民総所得(GNI)や国民総生産(GDP)が相対的に低いか中程度の国です。

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新興国株式投資のメリット

新興国株式投資のメリットについてです。

新興国の企業は成長性が期待できる

新興国株式は新興国の企業が発行する株式ですが、新興国は成長余地があることから新興国の企業についても業績の成長余地が大きいと考えることができます。

先進国の企業の場合は市場が成熟していて国内市場は飽和しつつあり、新たな市場を開拓しないと売り上げが伸びないことがありますが、新興国の企業の場合にはこれから市場が成長していくため、業績の拡大余地があるのです。

株価=EPS(1株当たり利益)×PER(株価収益率)であるため、企業業績が拡大すれば株価の上昇も期待できます。

投資地域の分散になる

新興国株式は、先進国株式との相関が高いものの、新興国株式投資は地域分散につながります。新興国株式投資の分散効果は先進校株式との連動性が高いため、あまり大きくない場合もありますが、それでも一応投資地域の分散につながります。

新興国株式投資のデメリット

新興国株式投資のデメリットについてです。

新興国株式の価格変動リスクは大きい

新興国投資をする場合には、新興国株式の株価変動リスクが大きいことに注意が必要です。一般的に先進国株式よりも新興国株式の方が価格変動リスクは大きい傾向があります。値上がりする時は大きな値上がりが期待できる場合もありますが、値下がりする場合は想定していた以上の大きな値下がりに遭遇してしまうこともあります。

そのため、先進国株式への投資よりもリスク管理を厳格に行わないと資産価値が大きく損なわれてしまうことがあるのです。特に金融危機や通貨危機などの経済的な危機が発生する予兆がある場合には警戒が必要です。

成長性があることと世界的な企業であることは別

新興国株式投資は新興国の企業の成長性が魅力です。しかし、成長性があることと世界的な企業であることは別であることに注意が必要です。

成長性があるからといって、将来世界でその分野のトップ企業になるとは限らないからです。経済の規模が大きくない新興国の企業は成長性はあるかもしれませんが、その企業が活動する市場の規模が大きくないため、その分野で世界トップになることが難しい場合があります。

極端な例を挙げれば、アメリカのIT関連のベンチャー企業は将来世界をけん引するトップの企業に成長する可能性があるかもしれませんが、経済規模が小さい国の企業はその国の経済をけん引することはあっても世界経済をけん引する可能性は低く、業績がどこまで伸びるか、国際的な競争力があるかの見極めは冷静に行わなければならないのです。

新興国株式は先進国株式との相関が高く分散投資になりづらい

株式投資をする地域を分散して分散投資をするために新興国株式に投資する場合があります。先進国株式と新興国株式に投資をすることによって地域分散になるのですが、新興国株式と先進国株式の株価の動きは似ていて相関が高いため、分散投資としての効果は薄くなりがちであることに注意が必要です。

先進国の株価が上昇すれば新興国の株価も上昇し、先進国の株価が下落すれば新興国の株価も下落する傾向があるため、先進国株式と新興国株式の地域分散では分散効果が得づらいのです。

新興国株式は新興国のカントリーリスクに要注意

新興国は先進国と比較して、政治や社会、経済情勢が安定していないため、突発的な事件・イベントが発生し株価に重大な影響を与えるリスクが相対的に大きくなっています。例えば、クーデター、反政府運動、内戦、急激なインフレ、外貨準備の減少、高い失業率による社会不安、感染症の発生などを挙げることができます。

新興国固有の問題が発生した場合には、その新興国の株価の大幅な下落を招くことがあるため注意が必要です。

新興国株式は情報を入手しづらい

投資をする地域や企業にもよりますが、新興国株式は先進国株式よりも一般的に情報が得づらいことがデメリットです。まず英語圏でない場合には大元の情報源からの情報(いわゆる一次情報)を得ることが難しく、また聞きの情報(いわゆる二次情報)しか得られないことがあります。

また、英語を読むのが苦手な場合は、日本語に翻訳された情報のみを頼りにすることになりますが、大元の情報ではない場合、情報の取捨選択が起きていたり、情報の意味が微妙に変わっていたりすることもあり、詳細で正確な情報が得られないまま投資をすることになる場合があります。

新興国株式は取引のための手数料が高い場合がある

新興国株式の売買手数料は先進国の株式を売買する場合よりも手数料が高い場合があります。

また、様々な投資に関する規制が存在がある場合や、実際の口座開設などの煩雑さなどから、日本の個人投資家が直接投資をすることが難しい場合もあります。そのため、直接新興国株式を売買するのではなく、新興国株式に投資をする投資信託などを通じて間接的に投資をすることになる場合があり、信託報酬(運用管理費用)などが発生することもあります。

新興国通貨の為替変動リスクがある

新興国株式に投資する場合、為替ヘッジなどを行わなければ基本的に新興国通貨にも投資をすることになります。そのため、新興国株式への投資は、新興国株式の株価変動リスクと新興国通貨の為替変動リスクを負うことになります。

新興国株式の株価変動リスクにも注意すべきですが、新興国通貨の為替変動リスクも注意が必要です。新興国通貨は新興国の固有のリスクによって、急激な価格変動が発生することがあり、急落への警戒を怠ることができないからです。

新興国株価は米国の金融政策や金利の影響を受けやすい

新興国株価は米国の金融政策や金利の影響を受けやすいという特徴があります。米国の金融政策が引き締めとなる場合、米国の長期金利が上昇する場合には、米国債に投資することによって安全に利回りを確保することができるため、新興国に投資していた資金を引き揚げて米国債投資に回す動きが出ることがあります。

そのため、米国で金融引き締めが行われる場合、米国の長期金利が上昇する場合には、新興国の株価が弱い動きとなってしまうことがあるのです。

新興国に投資したい場合は新興国で事業を行う先進国株式に投資する方法も

新興国に投資したい場合、新興国株式に投資をするのではなく、その新興国で事業活動を行っている先進国の企業の株式に投資するという方法があります。先進国の企業の株式であれば新興国株式ほど価格変動が大きくない場合もありますし、取引もしやすいことが多いです。

そのため、新興国株式の代替手段として、新興国で事業活動を活発に行っている先進国企業の株式に投資することで、新興国投資のメリットを享受できることがあります。

まとめ

  • 新興国株式(エマージング株式)とは、経済が発展段階の途中にある新興国の企業が発行する株式のことです。
  • 新興国株式は、新興国企業の成長性が期待できることなどがメリットですが、価格変動リスクが大きいこと、新興国通貨の為替変動リスクがあること、カントリーリスクが相対的に大きいことなどがデメリットです。

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【新興国株式とは・投資のメリットとデメリットの記事は終わりです】

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