値嵩株とは・値嵩株投資のメリットとデメリット
記事作成日:2020年2月12日
最終更新日:2021年11月24日
値嵩株(ねがさかぶ)とは、株価水準が高い株式の銘柄のことを意味します。ただし、株価がいくら以上ならば値嵩株という明確な定義はなく、株式市場の株価水準によって株価が高いか、低いかは相対的に変わってきます。株式市場全体が低迷している時に値嵩株と考えられる株価水準と、株式市場が好調で市場全体の株価が大幅に切りあがっている時に値嵩株と考えられる株価水準は異なってくることがあります。
日本の株式市場の場合、概ね株価が数千円以上であれば値嵩株と考えられます。現在では株価が3,000円以上、5,000円以上といったような水準が値嵩株の目安と考えられます。株価水準が低い時は、1,000円以上、数百円以上でも値嵩株と考えられるような場合がありました。
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値嵩株の特徴
値嵩株は株価水準が高いため投資資金が多く必要になるという特徴があります。また単純平均方式の株価指数に採用されている値嵩株は、株価指数への寄与度が大きいため投資家の売買が活発化し、相場の動きを主導することがあります。
必要な投資金額が多くなる
値嵩株は株価水準が高いため、投資するために必要な金額が多くなります。そのため投資資金が少ない個人投資家は手を出しづらい場合があります。一方で投資金額が多くなるため、投資金額が少ない場合と比較すると、同じ騰落率だった場合、値嵩株の方が儲かる絶対的な金額は多くなります。
発行済み株式数が少ない傾向
値嵩株は発行済み株式数が少ない傾向があります。時価総額÷発行済み株式数=株価なので、時価総額に対して発行済み株式数が相対的に少ないと株価水準が高くなりやすくなり、値嵩株となる傾向があります。
業績はそれほど悪くない
値嵩株は株価水準が高いですが、業績が悪いと高い株価を維持できないため、値嵩株であるということは業績が堅調であると考えることができます。業績が悪いのであれば株価が下落してしまい、値嵩株ではなくなってしまいます。
単純平均株価指数に採用される銘柄は相場を主導する場合がある
株価指数のうち、対象銘柄の株価の合計値を一定の数で割って株価指数を算出する単純平均方式の場合、同じ騰落率でも株価が高い銘柄の方が株価指数への寄与度が大きくなります。
値嵩株が相場を主導する例
例えば、株価が10,000円の銘柄Aと株価が100円の銘柄Bがあったとして、単純平均による株価指数は(10,000+100)÷2=5,050円となります。ここで値嵩株であるA銘柄が10%上昇すると11,000円となりますが銘柄Bの株価が変わらなかった場合の単純平均は(11,000+100)÷2=5,550円(騰落率+9.9%)となります。一方、低位株であるB銘柄が10%上昇すると110円となりますが銘柄Aの株価が10,000円から変わらなかった場合の単純平均は(10,000+110)÷2=5,055円(騰落率+0.1%)となります。
値嵩株であるA銘柄だけが10%上昇すると株価指数は+9.9%上昇する一方、低位株であるB銘柄が10%上昇すると株価指数は+0.1%しか上昇しません。つまり値嵩株の方が株価指数への影響が大きくなるため、単純平均方式の株価指数に採用される値嵩株は株価指数への影響が大きく、投資家の売買が活発化して相場の動きを主導することがあります。
値嵩株投資のメリット
値嵩株投資のメリットとして、単純平均方式の株価指数に採用されている銘柄の場合、相場の動きを主導することがあるため、値動きが良い場合があることが挙げられます。例えば株価指数に採用されている値嵩株が最初に上昇して相場を主導することがあります。株式市場全体が値上がりしそうな時に、値嵩株に投資をしておくことで値嵩株の上昇の恩恵を受けられることがあります。
値嵩株投資のデメリット
値嵩株投資は株価水準が高いため、必要な投資金額が大きくなってしまうため、手持ち資金が少ない場合にはなかなか手を出しづらいのがデメリットとなります。また、値嵩株の株価の高さは業績の良さに裏付けられている部分もあるため、業績が急激に悪化した場合は一気に株価が下落してしまうこともあるため注意が必要です。
まとめ
- 値嵩株とは株価水準が高い株式の銘柄のことを意味します。
- 値嵩株は投資に必要な金額が多くなります。また、単純平均方式の株価指数に対する寄与度が大きいため相場の動きを主導する場合があることが特徴です。