大型株とは・大型株投資のメリットとデメリット
記事作成日:2020年1月6日
最終更新日:2021年11月28日
大型株とは、株式市場の銘柄を時価総額の大きさで分けた場合に時価総額が相対的に大きい銘柄のことを意味します。大型株は時価総額が大きく、市場での売買が活発に行われるため、売買注文を成立させやすく流動性が高いことが特徴です。また、大型株は機関投資家が投資対象としていることも特徴です。大型株は取引きしやすいことがメリットですが、大きな値上がりを期待しづらいことがデメリットとなります。
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大型株とは
大型株とは、上場している銘柄のうち、相対的に時価総額が大きい銘柄を意味します。株式市場の銘柄を時価総額の規模で分けた場合に、時価総額が相対的に大きい銘柄が大型株となり、小さい銘柄が小型株、中間的な銘柄が小型株となります。時価総額が大きい大型株は、株式市場の中でも特に規模が大きい企業が該当し、有名な企業が多く含まれます。
なお、大型株、中型株、小型株という分類はその市場における相対的なものなので、国内では大型株に分類されても、世界的に見ると大型株とは言えない場合もあります。
大型株の特徴
大型株の特徴は流動性が高く、値動きが比較的安定しているということが挙げられます。
売買が盛んで流動性が高い
大型株は時価総額が大きく、株式市場での売買も活発であることが特徴です。売買注文を成立させやすく、流動性が高くなっています。注文を出したけれどなかなか約定しない、売買注文が薄く僅かな注文で値が大きく動く、といったことがあまりなく、比較的売買がしやすいのが大型株の特徴です。成り行きで注文を出した時に、想定していた価格から大きくずれてしまうということも少なくなります。
値動きが比較的安定している
大型株は小型株と比較すると値動きが安定する傾向があります。流動性が高いため価格が安定しやすいこと、機関投資家など多くの投資家が注目しているため価格形成の歪みが生じにくいこと、業績が比較的安定していることなどが背景です。もちろん、株式なので債券などと比べると価格変化は大きいですが、株式の中で見ると相対的に価格変動が小さいのです。ただし、大きな値上がりもしづらいということになるため注意が必要です。
機関投資家が投資対象としている
大型株は年金など多額の資金を運用する機関投資家の投資対象となっています。機関投資家は多額の資金を運用する必要がありますが、時価総額が小さい小型株の場合には大口の売買注文を望んだタイミングで成立させるのは難しいため、売買注文を成立させやすい大型株を投資対象とする傾向があります。また、小型株の場合、大口の売買注文によって株価を大きく動かしてしまう可能性があります。自分の注文で株価が値上がりしてしまい、購入価格が上がってしまうという恐れもあります。大型株であれば取引量が多いため、株価への影響を抑えることができます。
注目度が高いため割安で放置されづらい
大型株は機関投資家が投資対象としており、株式市場での注目度合いは高いと言えます。機関投資家に情報提供を行うセルサイドの証券会社や、運用を行うバイサイドの運用会社が抱えるアナリストなどが揃って銘柄分析を行うため、割安であると買われてしまい、割安で放置されることが少なくなります。
価格形成の歪みが生じづらいのが大型株で、割安であるのに放置されているお宝銘柄を見つけづらいと言えます。
相場全体の動きに影響を受けやすい
大型株は相場全体の値動きの影響を受けやすいという特徴があります。大型株も銘柄固有の材料によって値が動くのですが、全体の相場の流れにも引きずられやすいことが特徴です。大型株は機関投資家の投資対象となっているため、相場全体の流れを作る機関投資家がリスク選好姿勢を強めれば大型株は買われ、リスク回避姿勢を強めれば大型株は売られることになります。大型株は、相場全体の流れが悪い時に銘柄固有のプラス材料が出ても、全体の流れに逆らって上昇するのが難しい場合があります。
成長余地が少ない場合がある
大型株は時価総額が大きい企業の銘柄となります。しかし、大きな企業であるということは急成長する局面は既に終えていて成熟して、成長余地が少ない場合があります。もちろん、大企業でも高い成長を持続する場合もありますがどちらかと言えば例外的で、大型株は業績や財務面での安定感はあるものの、業績の伸びはそれほど高くない場合が多いです。そのため、成長期待が高まって株価が急騰するということが起きづらいことが大型株の特徴となります。
財務状況が安定しており倒産リスクが低い
大型株は事業規模が大きいからこそ時価総額が大きくなっています。大型株では、事業が安定していて、事業領域も広い傾向があり、財務状況も良好であることが多いです。財務状況が悪ければ株価が上がらないため大型株にはなかなかなれないのです。大型株は傾向として業績や財務状況が安定しており、倒産リスクが低い傾向にあります。もちろん、大型株は絶対に倒産しないということではありませんが、倒産が間近であるということはほとんどないのです。そのため、比較的安心して長期間保有することができます。
継続して高配当を行う銘柄がある
大型株は既にある程度成長した状態であり、資金を全て投資に回して更に成長しなければいけないという状態ではなくなっていることがあります。そのため、株主への還元を積極的に行う企業もあります。業績が安定しており、財務状況に余裕がある場合には、継続して高配当を行う場合もあります。
成長途上の企業の場合は株主還元よりも事業への投資が優先されるため配当が全くないかあっても僅かということも多いですが、大型株は配当が期待できる場合があるのです。
大型株投資のメリット
大型株投資のメリットは、値動きが比較的安定しているので安心できる、流動性が高いため売買注文を成立させやすい、といったことが挙げられます。株式投資自体はハイリスクハイリターンですが、株式投資の中では大型株投資はリスクが相対的に抑えられていると考えることができます。
大型株投資のデメリット
大型株投資のデメリットは、値動きが比較的安定しているため大きな株価上昇を見込みづらいことや、機関投資家が投資対象としているため割安・割高が十分検証されているため割安で放置されていることが少ない、といったことが挙げられます。株式投資で大きな利益を狙っている時は旨味が少ないと感じてしまうことがあるのが大型株なのです。
まとめ
- 大型株とは、上昇している銘柄のうち、相対的に時価総額が大きい銘柄を意味します。
- 大型株は、値動きが安定していて流動性が高いことがメリットとなりますが、大きな値上がりを期待しづらい、割安で放置されていることが少ないということがデメリットとなります。