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物価と株価の関係

記事作成日:2015年8月20日
最終更新日:2022年3月3日

物価と株価の関係

物価と株価の関係について説明しています。物価以外の要因を動かすこともあるので、見た目上、物価と株価の関係ははっきりしない部分があります。好景気での物価上昇は株価にプラス、コスト高での物価上昇は株価にマイナスとなることがあり、不景気での物価下落は株価にマイナス、コスト安での物価下落は株価にプラスとなることがあります。

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理論的には物価上昇は株価上昇

物価が上昇するということは世の中の物の値段が上昇するということなので、理論的には株式や不動産などの資産の価格も上昇してもおかしくないように思えます。

現実には物価と株価などの資産価格は連動しない場合がある

しかし、必ずしも物価と株価、物価と不動産価格が連動しているわけではありません。長い目で見れば物価と株式や不動産などの価格は関係していると考えられますが、株式や不動産などの資産価格は物価に関係していても、物価以外の要因によって価格が大きく変化することが大きな理由です。

物価と企業業績

物価が上昇すると、企業が販売する物やサービスの値段が上がるため通常売上高は増加します。しかし、利益が増加するとは限りません。好景気で経済活動が活発になったため物やサービスの値段が上がった場合と、円安や原油高などによって輸入品の価格が上がり物の値段が上がった場合では全く状況が違うためです。

好景気で物価が上昇した場合

物やサービスが値上がりした場合、今までと同じ量を購入するためにはお金が多く必要になります。好景気で物価が上昇している場合は、雇用や賃金も増加していれば物やサービスの値段が上がっても今までと同じような量を買うことができます。

そのため、好景気が続くのであれば商品の値段を上げても問題なく売れていき、売上が増加し、利益はあまり落ち込まないため株価への影響は中立かプラスとなる可能性があります。

また、好景気自体が株価にプラスとなります。物価よりも好景気に注目して株価が動くことが多いです。

どちらかというと短期的には、物価が直接的に株価の上昇要因となるというよりも、物価が上昇する時は物価上昇要因が株価上昇要因にもなっており、物価も株価もあがり、見かけ上の相関関係が観察されやすいということになります。

もちろん、物価が上昇すれば、資産価格の水準が上昇するため、長期的には物価上昇と株価上昇には密接な因果関係があると考えられます。

コスト高で物価が上昇した場合

しかし、円安や原油高などコスト高となったため物価が上昇した場合には雇用や賃金が増加しているわけではないので、今までと同じ量を購入することはできません。

原材料の値段が上がったからと言って、値上がり分を販売する商品に転嫁して値上げすると売れる量が少なくなってしまいます。そのため、利益が少なくなってしまうことがあります。コスト高の物価上昇は経済の減速をもたらすこともあります。

コスト高で物価が上昇している場合は利益に悪影響があることが多く、株価にもマイナスの影響となる可能性があります。

不景気で物価が下落した場合

不景気で物やサービスが売れなくなって値下がりしている場合は、雇用や賃金も落ち込んでいるため、売上は伸び悩むことになります。そうなると業績は悪化していくことになるため、株価にマイナスとなる可能性があります。

また、不景気自体が株価にとってマイナスとなります。物価よりも不景気に注目して株価が動くことが多いです。この場合、好景気の物価上昇とは逆で、不景気という共通の下落要因から物価や株価が下落するという形になります。

なお、中長期的に持続的に物価が下落する場合、資産価格の下落から、株価水準も切り下がる可能性があり、物価下落と株価下落が密接に関係することになります。ただし、現在社会はグローバルに物やお金が動いており、企業の活動も日本国内にとどまらないので、海外における物価上昇、企業の収益性の向上などから、国内の物価下落と株価下落が結びつかないこともあります。

コスト安で物価が低下した場合

円高や原油安などコスト安によって物価が低下した場合は雇用や賃金が増えなくても、物やサービスを今までよりもたくさん買えるようになります。

売上高はあまり減少せず、企業業績は改善に向かい、経済にはプラスの影響があります。業績面からは株価にプラスとなる可能性があります。

企業業績と物価の関係

業績面からは好景気での物価上昇は株価にプラス、コスト高での物価上昇は株価にマイナスとなる傾向があります。一方、不景気での物価下落は株価にマイナス、コスト安での物価下落は株価にプラスとなる傾向があります。ただし、国際的なお金や物の動き、企業の海外活動の影響も考慮する必要があります。

物価と金融政策

物価が上昇すると、賃金が同じままでは今までよりも物やサービスを買える量が減ってしまいます。物価が緩やかに上昇しているうちは賃金の上昇もついていくことはできますが、物価の上昇があまりに急になると賃金の上昇がついていけず人々の生活が苦しくなります。

物価の急激な変化の問題点

物価が急激に変化すると、将来の経済や物価の予測が難しくなってしまう、物やサービスの妥当な価格がいくらなのか分からなくなってしまう、インフレでは現金を持っている人が損をする一方デフレでは借金をしている人が損をするなど資産の保有状況によって損得が生まれてしまうなどの問題があります。

物価が急激に上昇する場合には経済の混乱を招くことになるため、株価にとってはマイナスとなりやすいです。

中央銀行は金融政策で物価安定を目指す

そのため、各国の中央銀行は物価の安定を政策目標としていて、物価が上昇すれば物価上昇を抑制するために金融引き締めを行うようになります。一方で物価が下落すると金融緩和余地が広がります。

金融政策は株価に影響する

物価が上昇すると金融引き締めあるいは金融緩和の解除が行われると考えられるようになり、経済が減速するとの見方から株価にマイナスの影響を与えるようになります。

一方で、物価が下落すると金融緩和あるいは金融引き締めの解除が行われると考えられるようになり、経済が拡大するとの見方から株価にプラスの影響を与えるようになります。

物価の変化による金融政策を通じた株価への影響

金融政策を介した株価への影響という視点からは物価が上昇すると株価にマイナス、物価が低下すると株価にプラスとなります。

まとめ

  • 株価は物価以外の要因によっても変動するため、株価と物価の関係は明確に言いづらい部分があります。
  • 好景気での物価上昇は株価にプラス、コスト高での物価上昇は株価にマイナスとなりやすく、不景気での物価下落は株価にマイナス、コスト安での物価下落は株価にプラスとなりやすいです。また、金融政策の動向を読む観点からは物価上昇は株価にマイナス、物価下落は株価にプラスとなりやすいです。

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【物価と株価の関係の記事は終わりです】

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