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株式取引の注文方法の種類とメリット・デメリット

記事作成日:2015年8月7日
最終更新日:2021年12月14日

株式取引の注文方法の種類とメリット・デメリット

株式の取引においては様々な注文方法があります。株式の基本的な注文方法には、売買価格を指定する指値注文と指定しない成行注文があります。指値注文と成行注文以外にも損失限定に使える逆指値注文や自動的な売買をする注文方法があります。上手に活用すれば効率的に投資ができます。注文方法の種類と特徴、メリット・デメリットについて説明します。

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指値注文

指値注文とは、株式を買う値段や売る値段を指定する注文方法です。買いであれば指定した価格以下の場合に注文が執行されます。売りであれば指定した価格以上の場合に注文が執行されます。

具体的には、105円で買いの指値注文を出した場合には株価が106円や107円の場合には注文は執行されません。同じく105円で売りの指値注文を出した場合には株価が103円や104円の場合には注文は執行されません。

指値注文のメリットとデメリット

指値注文のメリットは指定した価格で株式を買ったり売ったりできるという点です。想定以上の価格で買ってしまったり、想定以下の価格で売ってしまったりすることが絶対にないという点で安心できます。

指値注文のデメリットは指定した価格にならないと注文が執行されないため、相場の動きから離れた指値を出してしまうと買いたかったのに買えない、売りたかったのに売れないということが起きます。

特に相場が上昇か下落の一方向に動いている時は指値では約定することが難しい場合もあります。取引時間中に時間がない場合には細かく指値を変更することができないので急な変化に対応しづらいという面もあります。

指値注文の利用方法

指値注文は最も基本的な注文方法です。自分が希望する価格で売買を行いたいときは指値注文を行います。

板情報で注文が少ないような銘柄の場合、成り行き注文では想定から離れた価格で約定してしまうリスクがあります。そのため、指値注文で希望の価格なら買うという使い方ができます。

また、指値注文は小さい値幅で稼ぐことを考えている場合などにも使います。比較的株数が大きな取引をする場合に、1円2円といった細かい値幅が重要になってくる場合に指値注文が役に立ちます。

成行注文

成行注文とは、株式を買う値段や売る値段を指定せずに市場の成行によって取引を成立させる注文方法です。売買をする価格はその時の市場動向によって決まります。相手側の注文がない、特別気配値が付いているなど特殊な状況でない限り、成行注文は優先されることが原則なので売買を成立させることができます。

成行注文のメリットとデメリット

成行注文のメリットは取引を高い確率で成立させることができるという点です。ただし、買いか売りのどちらかに大量の注文が集まっているような場合に引けで比例配分となったりする場合には約定できない場合もあります。

成行注文のデメリットは約定価格を成り行きに任せてしまうため自分が思っていたよりも高い値段で買ってしまったり、安い値段で売ってしまったりすることがあることです。注文量が少ない銘柄では値段が動きやすいため特に注意が必要です。

成行注文の利用方法

成行注文は指値注文と並んで最も基本的な注文方法です。成行注文は売買の値段にはあまりこだわらないけれどもなんとしても買いたい、売りたいというような時に利用します。

逆指値注文

逆指値注文とは、通常の指値とは逆に、買い注文であれば自分が指定した価格を上回ったら注文が執行され、売り注文であれば自分が指定した価格を下回ったら注文が執行される注文方法です。更に指定した価格を下回ったら買い注文を出したり、指定した価格を上回ったら売り注文を出したりするようなパターンの注文方法もあります。成行でも指値でも注文ができます。

逆指値注文のメリットとデメリット

逆指値注文のメリットは、売りの逆指値注文で一定価格まで下落したら売りというように損切りに使える点です。また買いの逆指値注文は一定価格まで上昇したら回というように株価の流れについていく売買ができるようになる点です。

逆指値注文のデメリットは、指値注文と同様に取引が成立しない可能性がそれなりにあること、値段指定を誤ってしまうと思わぬ損切りをしてしまう場合があるということになります。

逆指値注文の利用方法

逆指値注文は、株式を保有している場合は損失を限定する方法として利用できます。また、株式をこれから買う時は上昇が始まってから株式を買うというように相場の流れに乗った売買をする方法としても利用できます。

寄指注文

寄指注文とは、取引開始時の寄り付きのみ指値注文を行い、取引が成立しなかった場合には注文は失効する注文方法です。前場寄りと後場寄りに出すことができる注文です。

寄指注文のメリットとデメリット

寄り付きだけの指値注文というだけで普通の指値注文と変わらないような感じがしますが、実は大きな特徴があります。寄指注文は寄り付き限定ですが、寄り付きの取引はザラバ方式ではなく板寄せ方式で行われます。そのため注文で指定した価格よりも安く買えたり高く売れたりする可能性がそれなりにあることがメリットです。

デメリットは、基本的に指値注文と同じで買えないことや売れないことがあることです。また、寄り付きだけで失効してしまうので狙い通りにいかなかった場合、再度注文を出さなければならないこともデメリットです。

寄指注文の利用方法

板寄せ方式では高い買い注文や安い売り注文は約定する可能性が高いので高めの買いや安めの売りを出しておけば取引が成立する可能性が高まります。しかし、実際の約定価格は注文全体のバランスで決まるので、安く買えたり高く売れたりします。

なるべくなら買っておきたいけどできる限り安く買いたいという場合や、なるべくなら売っておきたいけど出来る限り高く売りたいという場合に、指定した値段よりも安く買えたり、高く売れたりする時に寄指注文が活用できます。

引指注文

引指注文とは、取引終了時の引けのみに指値注文を行い、取引が成立しなかった場合には注文は失効する注文方法です。前場の引けと後場の引け、つまり大引けに出すことができる注文です。

引指注文のメリットとデメリット

基本的には寄指注文と全く同じで寄り付きではなく引けという点が違います。取引終了時の引けにもザラバ方式ではなく板寄せ方式によって取引が行われます。ザラバで取引が行われて終了する時点の引けでは寄り付きほどではないかもしれませんが、注文で指定した価格よりも安く買えたり高く売れたりする可能性があることがメリットです。

デメリットは、指値注文と同じで買えないことや売れないことがあることです。寄指注文よりはある程度価格に狙いを付けないと約定できないと考えられます。

引指注文の利用場面

基本的には寄指注文と同じですが、取引の終了時点でできれば買いたいけれど安く買いたいという時や、できれば売りたいけど高く売りたいという時に、指定した値段よりも安く買えたり、高く売れたりする時に引指注文が活用できます。

寄成注文

寄成注文とは、前場か後場の寄り付き限定で成行注文を行う注文方法です。寄り付きに注文が成立しなかった時は失効します。前場寄り付き前の寄成注文は寄り付かなかった場合後場にも引き継がれます。前場や後場が始まってから寄成注文を出した場合、既に寄り付いていると基本的に注文は失効します。また、ストップ高やストップ安となり比例配分となった場合は注文が約定しない可能性があります。

寄成注文のメリットとデメリット

寄成注文のメリットは基本的に成行注文のメリットと同じで買いや売りが殺到して特別気配となるようなことが無ければほぼ確実に買うことができるという点です。

特別気配値がついてストップ高あるいはストップ安で比例配分となった場合、成行注文と寄成注文、引成注文の優先順位が違ってくる場合がある点はデメリットです。また、想定していた価格とは異なる価格で約定してしまう可能性がある点もデメリットです。

寄成注文の利用方法

寄成注文は成行注文とほぼ同じなので特別に利用する場面は少ないと思われます。基本的に成行注文と同じような使い方となります。

引成注文

引成注文とは、前場か後場の引け限定で成行注文を行う注文方法です。取引の相手となる注文がないなど特殊な状況でザラバ引けとなった場合は注文が失効する場合があります。また、ストップ高やストップ安となり比例配分となった場合は注文が約定しない可能性があります。

引成注文のメリットとデメリット

引成注文のメリットは基本的に成行注文のメリットと同じです。買いや売りが殺到してストップ高やストップ安となるようなことが無ければほぼ買うことができるという点です。

ストップ高あるいはストップ安で比例配分となった場合、成行注文と寄成注文、引成注文の優先順位が違ってくる場合がある点はデメリットです。また、想定していた価格とは異なる価格で約定してしまう可能性がある点もデメリットです。高値掴みや安値売りとなってしまうという点は成行注文と同じです。

引成注文の利用方法

引成注文は引けでどうしても買いたいという場合の利用が考えられます。その時は、取引時間中は指値注文として扱われ、引け時に成行注文として扱われる不成注文の方を利用すると考えられますので、利用場面は少ないかもしれません。

指成注文・不成注文

指成注文とは、取引時間中は指値注文として扱われ、指値注文の全部あるいは一部の取引が成立しなかった場合に引けの時点で自動的に成行注文として扱われる注文方法です。指成注文は、場合によっては不成注文とも呼ばれます。

指成注文・不成注文のメリットとデメリット

指成注文・不成注文のメリットは、なるべく有利な価格で買いや売りを試みながら、もし取引が成立しない場合は成行注文にすることで取引を高い確率で成立させることができる点です。

指成注文・不成注文のデメリットは、引けまで約定しなかった場合、成行注文になるので想定していた価格から離れた価格で売買が行われてしまう可能性がある点です。

指成注文・不成注文の利用方法

指成注文・不成注文はなるべく有利な価格で売買を行いたいけれど、確実に売買を成立させたいという場合に利用されます。

IOC注文

IOC注文とは、売買単位を超える数の注文を同時に出した場合に、即時に成立した注文はそのまま取引が成立しますが、成立しなかった注文はすぐに失効するという注文方法です。指値注文の場合は指定した値段かそれより有利な値段のもので取引が成立します。成行注文も可能です。

IOC注文のメリットとデメリット

IOC注文のメリットは取引結果がすぐに分かるということと、成立しなかった注文はすぐに失効するので意図しない約定がなくなるということです。

IOC注文のデメリットは成立しなかった注文はすぐに失効してしまうので、取引時間中に忙しい人はこまめに注文を出せないため使いづらいということになります。

IOC注文の利用方法

IOC注文は成立しなかった注文がすぐに失効するので、値動きが荒い時に取り消そうと思っていた注文が残ったままとなってしまい約定してしまうということを防げます。

また、取引結果がすぐに分かることから、短期的な売買を行う場合にも有効です。

OCO注文

OCO注文とは、2つの注文を同時に出して片方の注文が成立した場合、もう一つの注文は失効するという注文方法です。通常は指値注文と逆指値注文を組み合わせて使います。証券会社によってはW指値、ツイン指値など別の名称で呼んでいる場合があります。

具体的には株を保有している時に指値で売り注文を出すとともに、株価が下落した場合に備えて損失限定のための逆指値注文で売りを出しておくというような形です。

OCO注文のメリットとデメリット

OCO注文のメリットは、利益確定を狙いながら同時に損失限定もできるという点です。また取引時間中急がしい場合でもリスクの管理ができるという点です。

OCO注文のデメリットは、値動きが大きい相場で取引時間中に下落した後で上昇するなどした場合に、逆指値注文の条件に当てはまってしまうと利益を逃してしまうというような場合があることです。また、逆指値注文の値段の条件を間違えるとすぐに逆指値注文の条件に当てはまってしまう可能性がある点にも注意が必要です。

OCO注文の利用方法

OCO注文は具体例にあるとおり利益確定を狙いながら損失を限定するために使われます。特に日中忙しい人が取引を行う場合に、利益を確定するための指値注文と、下落した場合に備えた逆指値注文をOCO注文で出しておくというようなやり方があります。

IFD注文

IFD注文(イフダン注文)とは、売買注文と売買注文が成立することを条件とした売買の予約注文をする注文方法です。株式の場合には、ある銘柄の買い注文を出し、更に買い注文が成立した場合には売り注文が出されるというような形になります。証券会社によってはリバース注文、Uターン注文などと別の名称で呼んでいる場合があります。

短期の売買を行う時に、買いが成立したら売り注文を出すことで素早く利益の確定ができるということになります。

IFD注文のメリットとデメリット

IFD注文のメリットは、買いが成立すると売り注文が出されるので取引時間中に忙しい人でも短期間の値上がり益を狙いやすくなるということです。

IFD注文のデメリットは、買いの後の売り注文では下落時の備え場出来ない場合があるということです。ただし、IFD注文とOCO注文を組み合わせるIFO注文あるいはIFDO注文でこのデメリットは解決できます。

IFD注文の利用方法

IFD注文は、一定の方向性が付いている相場で短期に利益を上げようとする場合に利用できます。また、取引時間中急がしい人が自動的に売買をする時にも便利です。OCO注文と組み合わせるとより効果的となります。

連続注文

連続注文とは、1つ目の注文が成立したら、2つ目の別の注文を出すという注文方法です。IFD注文との違いは、他の銘柄の場合も含まれているという点です。証券会社によってはリレー注文などと別の名称で呼んでいる場合があります。

連続注文のメリットとデメリット

連続注文のメリットは少ない手持ち資金で持っている銘柄を売ってから別の銘柄を買うという場合、保有銘柄が売れてから、新たな買い注文を出すことになりますが、自動的に行えるという点です。

連続注文のデメリットは1つ目の注文が成立しない場合には、2つ目の注文が成立しないということになります。どうしても2つ目の注文を成立させたい場合、連続注文は向いていない場合があります。

連続注文の利用方法

連続注文は手持ちが少ない場合に、売却してから購入という流れを作る時に利用すると便利です。

IFO注文・IFDO注文

IFO注文・IFDO注文とは、ある注文が成立したら次の注文を出すIFD注文と指値注文と逆指値注文が同時に出せるOCO注文を組み合わせたものです。

IFO注文・IFDO注文のメリットとデメリット

IFO注文・IFDO注文のメリットは、買い注文が成立したら、利益確定と損切りに備えた注文が同時に出されるため、自動的にリスクを抑えられるという点です。

IFO注文・IFDO注文のデメリットは、思ったように取引が成立しないことがあること、値動きが大きい相場では意図せぬ損切りをしてしまうことがあることなどです。

IFO注文・IFDO注文の利用方法

IFO注文・IFDO注文は取引時間中急がしい人が、リスクを抑えつつ自動的な売買をする時に便利な方法です。

時間指定注文

時間指定注文とは時間を指定して指値注文や成行注文ができる注文方法です。

SOR注文

SOR注文とは複数の取引所で売買が可能な場合に最も有利な取引所で注文を出す方法です。私設取引システムのPTS市場と金融商品取引所の取引市場との間で有利な方に注文を出すといったような仕組みです。

まとめ

  • 株式の基本的な注文方法には、売買価格を指定する指値注文と指定しない成行注文があります。
  • 指値注文と成行注文以外にも損失限定に使える逆指値注文や自動的な売買をする注文方法があります。上手に活用すれば効率的に投資ができます。

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【株式取引の注文方法の種類とメリット・デメリットの記事は終わりです】

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