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CB(転換社債型新株予約権付社債)とEB債(他社株転換可能債)の違い

記事作成日:2019年9月9日
最終更新日:2021年9月18日

CBとEB債の違い

CB(転換社債型新株予約権付社債)は株式に転換できる社債で、EB債は株式で償還される可能性がある仕組債です。対象株式の株価が値上がりするとCBは株式に転換し値上がり益を享受できますが、EB債は債券として額面での償還を受けます。対象株式の株価が値下がりするとCBは社債として額面での償還を受け、EB債は株式で償還を受けて値下がりの損失を抱えることになります。

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CB(転換社債型新株予約権付社債)とは

CB(転換社債型新株予約権付社債)とは、一定の条件の下で社債を株式に転換することができる社債です。新株予約権の権利を行使することで社債は償還となりますが、社債の償還金が新株予約権の払込みに充てられて株式が交付されます。権利を行使しない場合は社債として満期に額面金額で償還されます。

対象となる株式の株価が大きく値上がりした場合は株式に転換して値上がり益を享受でき、株価が下落した場合は権利を行使しないで社債として償還を受けることで額面金額を確保できます。

EB債(他社株転換可能債)とは

EB債(他社株転換可能債)とは、対象となる株式の株価が判定時に一定の価格を下回ると償還が対象株式で行われる仕組債です。ノックイン型の場合は判定期間中に一度でもノックイン価格以下になると償還が対象株式で行われます。ただし、その後対象の株価が大きく値上がりした場合は早期償還となることがあるほか、額面金額での償還になる条件がある場合もあります。

対象の株価が大きく値下がりすると株式で償還となり値下がりの損失を被ります。対象株価が値下がりしなかった場合は額面金額100%の現金で償還されます。

CBとEB債の仕組みの違い

CBとEB債の仕組みの違いについてです。デリバティブの視点で見た場合、株式についてコールオプションを買っているのか、プットオプションを売っているのかという違いがあります。

CBは「債券と株式を買う権利(コールオプション)の買い」

CBは債券と株式を買う権利(コールオプション)の買いを組み合わせたものになります。対象株式の株価が上昇した場合は、コールオプションを行使、つまり新株予約権を行使して社債を株式に転換することで利益が得られます。株価が下落した場合は、コールオプションを行使せず、債券の償還を受けます。

CBは投資家が株式に転換するか決める権利があります(選択権が自分にあるオプションの買いの特徴)。

EB債は「債券と株式を売る権利(プットオプション)の売り」

EB債は債券と株式を売る権利(プットオプション)の売りを組み合わせたものになります。対象株式の株価が下落した場合は、プットオプション(一定価格で株式を売る権利)を買った発行体が市場で割安に株式を購入し、プットオプションで株式を一定価格(市場価格より高い)でEB債の投資家に売却でき、EB債の投資家は株式を受け取る義務が生じます。対象株式の株価が上昇した場合は、発行体はプットオプションを行使せずにEB債を額面金額で償還します。

EB債では投資家は株式の交付を受けるか選択する権利がなく、投資家にとって不利な条件になると償還が株式で行われてしまう仕組みです(選択権が相手にあるオプションの売りの特徴)。

CBとEB債の損益発生の違い

CBとEB債の損益発生の違いについてです。コールオプションの買いとプットオプションの売りの特徴が現れます。

CBは株価下落でも損失は限定的で、株価上昇で利益が発生

CBの投資家は対象株式の株価が下落しても社債として保有を継続すればよいので損失は限定的か全く発生しません。一方で対象株式の株価が上昇すると社債を株式に転換すれば値上がり益が得られます。

株価が下落しても損失は限定され、株価が上昇すると利益は増えていくのがCBです。

転換社債型新株予約権付社債(CB)の損益イメージ

EB債は株価下落で損失が発生し、株価上昇でも利益は限定的

EB債の投資家は株価が値上がりしても債券の額面が償還されるだけで、株式を取得できるわけではないため株価値上がり益を享受できません。クーポンの受け取りと、購入金額と償還金額の差額しか利益が得られません。一方、株価が値下がりすると株式で償還されるため、値下がりした分だけ(含み)損を抱えることになります。

株価が下落すると損失が拡大し、株価が上昇しても利益が増えないのがEB債です。

EB債(他社株転換可能債)や株価リンク債の損益イメージ

CBとEB債のクーポン利率の違い

CBとEB債は元本償還について大きな違いがありますが、そのままでは投資家の有利不利に大きな違いが出てきてしまいます。そのため、利率(クーポンの支払い)部分で元本償還部分の有利不利を調整し、投資家が過度に有利不利にならないよう、投資家にとって投資したいと思える魅力が出るように調整しています。

CBのクーポン利率は相対的に低め

CBは発行体と比べて投資家が有利な仕組みになっているので、その分だけクーポンの利率が相対的に低めに抑えられています。

EB債のクーポン利率は相対的に高め

EB債は投資家が発行体よりも不利な仕組みになっているため投資意欲が高まるようクーポン利率が相対的に高めに設定される傾向があります。

まとめ

  • CB(転換社債型新株予約権付社債)は、株式に転換が可能な社債で、対象株式の株価が値上がりした場合は株式に転換して値上がり益を得る一方で、値下がりした場合は社債のまま償還を受けることになります。
  • EB債(他社株転換可能債)は、償還が株式で行われる可能性がある債券で、対象株式の株価が値下がりすると株式で償還され損失が発生する一方、値上がりした場合は社債のまま償還を受けることになります。

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【CB(転換社債型新株予約権付社債)とEB債(他社株転換可能債)の違いの記事は終わりです】

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