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為替連動債(為替リンク債)とは

記事作成日:2019年9月12日
最終更新日:2021年9月18日

為替連動債(為替リンク債)とは

為替連動債(為替リンク債)とは、使う人によって指すものが違う場合がありますが、債券のクーポンの支払い(利払い)の利率や元本の償還金額、債券価格が金融デリバティブなどの仕組みによって為替レートに連動する仕組みを持つ債券のことを意味します。為替連動債(為替リンク債)は仕組債の一種で、為替レートの変動に応じてクーポン利率や償還金額、債券価格が変化するため、通常の債券よりもリスクが高い投資対象となります。

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為替連動債(為替リンク債)として扱われるものの例・種類

為替連動債(為替リンク債)は、明確な定義があるわけではないので使われる場面によって意味するものが多少異なる場合がありますが、為替レートの変動によってクーポン利率や償還金額、債券価格が変化するものを幅広く指します。

為替連動債に含まれるもの、為替連動債として扱われることがある仕組債の種類として、デュアル・カレンシー債(二重通貨建て債)、リバース・デュアル・カレンシー債(逆二重通貨建て債)、パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)、ジャンプアップ債(スーパーボール債)などがあります。

  • デュアル・カレンシー債(二重通貨建て債):償還金額が為替に連動
  • リバース・デュアル・カレンシー債(逆二重通貨建て債):クーポンが為替に連動
  • パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債):クーポンが為替に連動
  • ジャンプアップ債(スーパーボール債):償還金額が為替に連動

デュアル・カレンシー債(二重通貨建て債)

デュアル・カレンシー債(二重通貨建て債)とは、債券を購入する際の払い込みと途中の利払い(クーポンの支払い)が同じ通貨建てで行われ、満期の元本の償還が異なった通貨建てで行われる債券のことを言います。通常は、購入時の払込みと利払いが円建て、満期の償還が外貨建てとなります。満期の償還金額が為替レートに応じて変動することになります。

リバース・デュアル・カレンシー債(逆二重通貨建て債)

リバース・デュアル・カレンシー債(逆二重通貨建て債)とは、債券を購入する際の払い込みと満期の元本の償還が同じ通貨建てで行われ、途中の利払い(クーポンの支払い)が異なった通貨建てで行われる債券のことを言います。通常は、購入時の払込みと満期の償還が円建て、利払いが外貨建てとなります。利払い(クーポン)が為替レートに応じて変動することになります。

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)とは、リバース・デュアル・カレンシー債に変更を加えて、レバレッジを掛けることで利払いの利率を高めた債券のことを意味します。ただし、レバレッジを掛ける分だけリスクも高くなります。

リバース・デュアル・カレンシー債とは異なり、基本的に利払いも基本的に円建てとなりますが、利払いの金額は為替レートに応じて変化します。

ジャンプアップ債(スーパーボール債)

ジャンプアップ債(スーパーボール債)とは、為替レートなど参照する指数が一定の値以上の場合、有利な条件で元本の償還が行われるような仕組債を意味します。満期の償還金額が為替レートに応じて変動することになります。条件を満たした場合は元本の償還がかなり有利になることが特徴です。

為替連動債(為替リンク債)は債券のイメージと違いリスクが高い

為替連動債(為替リンク債)は「債券」と名前がついていますが、「為替」に連動するためにリスクが高くなる傾向があります。為替レートの変動は大きく、場合によっては株式かそれ以上の激しい価格変動をする場合もあるため、注意が必要です。為替連動債は「債」つまり「債券」の名前がついているからと言って、国債や通常の社債をイメージしてはいけません。

為替連動債は、想定通りに為替レートが動けば比較的良い条件のクーポンの支払いや元本の償還を受けられる場合がありますが、想定通りに動かなかった場合は大きな損失を出してしまう場合があります。

また、ノックイン型など、為替レートが一定の数値以下になるなどの条件がある場合に、現在の為替レートと、条件となる為替レートはだいぶ離れているので、到達する可能性が低いだろうというような思い込みは禁物です。為替レートは変動が大きいため、まだ余裕があると思っていても急激な価格変動によって、為替レートの水準は大きく変わることが良くあります。ノックインしないだろう、条件の値を割り込まないだろうと思っていても、予想外の動きは起きうるのです。

為替連動債(為替リンク債)は途中での売却が難しい場合がある

為替連動債(為替リンク債)などの仕組債は、投資家同士が保有している仕組債を売買しあう流通市場がほとんどないため、為替連動債を売却したいと思っても上場株式のようには売却できません。売却が困難な場合や、売却できる場合でも時間がかかる場合があります。また、売却できたとしても安い価格でないと買い取ってくれないということになり、どうしても売却を希望する場合は不利な条件を受け入れざるを得ない場合もあります。

なかなか売却ができないため、投資判断を誤ったと思っても為替連動債を思うように売却することができず、損失が拡大しても打つ手がほとんどないという場合もあります。

まとめ

  • 為替連動債(為替リンク債)とは、仕組債の一種で、債券のクーポンの支払い(利払い)の利率や元本の償還金額、債券価格が金融デリバティブなどの仕組みにより為替レートに連動する仕組みを持つ債券のことを意味します。
  • 為替連動債(為替リンク債)は、クーポンの利率や償還金額、債券価格が為替に連動するためリスクが高くなる傾向があります。

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