デジタルクーポン債とは
記事作成日:2019年9月11日
最終更新日:2021年9月18日
デジタルクーポン債とは、債券の利息の払い(クーポンの支払い)が参照する株価や為替レートなどの数値が基準となる数値を上回ったか、下回ったかによって、クーポンの利率が0か1かのデジタルのように非連続的に変化する仕組債のことを意味します。
例えば、対象となる数値が基準値を超えていた場合には高い利率で支払いが行われる一方、基準値を下回った場合は低い利率で支払いが行われるというようなイメージです。通常は判定日ごとに判定される仕組みとなっています。
なお、クーポンの利率は2通りの場合もあれば、3通り以上の場合もあります。
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デジタルクーポン債のメリット
デジタルクーポン債のメリットは株価や為替レートなどの動き次第で高い利率が得られる可能性があることです。
条件次第で高い利率を得られる
デジタルクーポン債はクーポン利率が参照する株価や為替レートの数値などによって変化します。参照する株価や為替レートの動き次第では高いクーポン利率を得られることができる場合があります。
リスクが高い分だけ通常の債券よりも高い利率となることがある
デジタルクーポン債はクーポン利率が変動するため通常の債券よりもリスクが高くなる傾向があります。リスクが高い分だけ、デジタルクーポン債のクーポン利率が通常の債券よりも高めに設定されることがあります。ノックインなどの仕組みがある場合は更にリスクが高いためクーポン利率が高く設定される場合があります。
デジタルクーポン債のデメリット
デジタルクーポン債は純粋なデジタルクーポン債ではなく、通常はノックイン型株価連動債(株価リンク債)の仕組みと組み合わせになっていることがデメリットです。
条件次第で低い利率となることがある
デジタルクーポン債はクーポン利率が参照する株価や為替レートの数値などによって変化しますが、参照する株価や為替レートの動きが悪く、クーポン利率が低くなってしまい、思うように利益を得られない場合があります。
早期償還リスクがある
デジタルクーポン債は早期償還の条件が付いている場合があります。クーポン利率が高い状況が続くなど、投資家によって有利な状況が続いた場合、発行体が不利にならないよう早期償還されてしまう場合があります。早期償還されてしまうと償還された後はクーポンの支払いを受けられないため、期待していた利益を得られない場合があります。
ノックイン条項など他の条件が付いている場合がある
デジタルクーポン債はあくまでクーポンの支払い方法がデジタルクーポンであることを意味するに過ぎないのですが、日本のデジタルクーポン債は、ノックイン条項付きの株価連動債(株価リンク債)でもあることが多いため注意が必要です。
クーポン部分だけに特殊な仕組みがあり、満期になれば元本が額面金額の100%で償還されるというのであればまだわかりやすいのですが、ノックイン条項付きの株価連動債(株価リンク債)でもある場合は、通常投資成果に与える影響はデジタルクーポン部分よりもノックイン型株価連動債(株価リンク債)の部分の方が大きくなります。そのため、デジタルクーポンの利率がどうなるかよりも、ノックインするかどうかを気にする方が重要になります。
まとめ
- デジタルクーポン債とは、クーポンの利率が参照する株価や為替レートなどの数値が基準を上回ったか、下回ったかによって決まる仕組債のことを意味します。
- デジタルクーポン債は、ノックイン型株価連動債(株価リンク債)など他の仕組債の仕組みを合わせて持っているものもあるため注意が必要です。