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株価連動債(株価リンク債)とは

記事作成日:2019年9月4日

株価連動債(株価リンク債)とは、特定の株価指数や企業の株価に債券価格が連動(リンク)する仕組みを持つ仕組債です。株価連動債(株価リンク債)は、保有期間中のクーポンの支払いが参照する株価の変動によって変わるもの(クーポン変動型)と、償還される金額が参照する株価の変動によって変わるもの(償還価格変動型)があります。両方の仕組みを持つものもあります。

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株価連動債(株価リンク債)の仕組み

株価連動債(株価リンク債)は、クーポンの支払いや償還価格が参照する株価指数や企業株価によって変動する仕組みです。

クーポン変動型株価連動債(株価リンク債)

クーポンの支払いが変動する株価連動債(株価リンク債)は、クーポンの支払いが参照する株価によって変動します。近年一般的に発行される株価連動債(株価リンク債)としては、参照する数値が一定値以上か未満かでクーポンの支払いが2通りに分かれるデジタル・クーポン債が一般的です。

例えば、株価連動債(株価リンク債)で、クーポンの支払い毎の判定時点で、ある企業の株価が1000円以上なら年率3%、1000円未満なら年率0.1%のクーポンが支払われるというように、基準以上か基準未満かで1か0かのデジタルのようにクーポンが決まる仕組みです。

償還価格変動型株価連動債(株価リンク債)

償還価格変動型の株価連動債(株価リンク債)の基本的な仕組みは、参照する株価指数や企業株価が判定時点で基準とする価格以上の場合は額面の100%で元本が償還され、下回る場合は元本の償還額が額面から株価下落分だけ減額されるというものですが、現在では、判定期間中に一度でも決められた価格を下回ると参照する株価に連動して償還金額が減額されるノックイン型の株価連動債(株価リンク債)が一般的です。

ノックイン型株価連動債(株価リンク債)

ノックイン型株価連動債(株価リンク債)では、判定期間中に参照する株価が一度でもノックイン価格以下になると償還金額は額面100%ではなくなり、参照する株価に連動するようになります。ノックインしなければ額面の100%で償還されます。

ノックイン型株価連動債(株価リンク債)の仕組み(ノックインなし)

ノックイン型株価連動債(株価リンク債)の仕組み(ノックインあり)

金融でのノックインとは、一定条件を満たすと権利が発生することを意味しますが、ノックイン型株価連動債(株価リンク債)ではノックインすると償還条件が変化する(償還金額が株価に連動する権利が発生する)という意味になります。

例えば、株価連動債(株価リンク債)で、ある企業の株価が判定期間中に一度でも700円以下となれば株価に連動して償還金額が決まり、700円以下とならなければ額面金額の100%で償還されるというようなものです。株価に連動して償還金額が決まる場合は、「額面金額×最終的な判定時点での株価÷最初の基準となる株価」のように決まります。

最初の仕組債の受渡日の基準価格が1000円で、最終的な償還の判定日の株価が800円、ノックイン価格が700円で一度ノックインしたとすると、額面金額100円あたりの償還金額は、100円×(800÷1000)=80円となり、額面の80%で償還されることになります。

なお、一度ノックインした場合でも、最終的な償還の判定日までに株価が上昇して最初の基準価格を上回る場合があります。この場合は値上がり益が発生するようにも思えますが、額面金額の100%以上にはならないようになっていて、値上がり益は得られないようになっているのが普通です。

ノックアウト条項がある株価連動債(株価リンク債)

株価連動債(株価リンク債)ではノックアウト条項が設けられている場合があります。株価連動債(株価リンク債)によってノックアウトした場合に何がどうなるのか様々なパターンがありますが、代表的な事例としてノックアウトした場合には早期償還される株価連動債(株価リンク債)を紹介します。

金融でのノックアウトとは、一定条件を満たすと権利が消滅することを意味しますが、株価連動債(株価リンク債)のノックアウト条項では、ノックアウトの条件を満たすと早期償還の対象となり、株価連動債(株価リンク債)が償還されるとそれ以上はクーポンの支払いを受けられなくなってしまいます(権利の消滅)。なお、ノックインした場合でも、ノックアウトとなる場合は、基本的に額面100%で早期償還となります。

ノックイン型株価連動債(株価リンク債)の仕組み(ノックイン+ノックアウト(早期償還あり))

例えば、株価連動債(株価リンク債)でノックアウトの条件(早期償還条件)が、ノックアウトの判定日(早期償還判定日)時点である企業の株価が1050円以上になることだとします。ノックアウト判定日にある企業の株価が1100円であれば早期償還となり、額面の100%の現金で償還されます。ノックアウト価格未満であれば、早期償還されず、引き続きクーポンの支払いが続きます。

株価連動債(株価リンク債)のメリット

株価連動債(株価リンク債)はクーポンの利率が相対的に高いことがメリットです。

高いクーポン利率が期待できる

株価連動債(株価リンク債)は、参照する株価が大きく値下がりした場合、クーポンの支払いが少なくなったり、償還金額が株価に連動して少なくなったりする可能性がありますが、その分クーポンの利率の支払いは高めに設定されていることが多いです。株価連動債(株価リンク債)は参照する株価の動き次第でクーポンや償還金額が変わりますが、その代わりに高い利率が得られることがあるのです。

ノックインまで多少の余裕がある

ノックイン型の株価連動債(株価リンク債)の場合、ノックイン価格は最初の価格からある程度下落してもすぐにノックインしないように多少は余裕を持って設定されるため、すぐにはノックインしないことが多いです。もちろん、満期まで持ち切ろうとするとノックインする可能性は相応にありますが、ノックインしない可能性もあるのです。

株価連動債(株価リンク債)のデメリット

株価連動債(株価リンク債)は参照する株価が値下がりすると損失を出す可能性があること、途中での売却が難しい場合があることなどがデメリットです。

参照する株価が値下がりすると損失を出す恐れがある

株価連動債(株価リンク債)は債券と名前がついていますが、株価の変動に債券のクーポンや償還金額が連動するためリスクが高い投資対象です。ノックイン型で償還価格が変動する株価連動債(株価リンク債)の場合は、参照する株価が値下がりして、ノックインすると、大きな損失を出してしまう可能性があります。

参照する株価の値上がり益が得られない

株価連動債(株価リンク債)は、参照する株価に債券のクーポンや償還金額が連動する仕組債ですが、参照する株価がどれだけ高くても、もらえるクーポンには限界がありますし、償還金額は額面100%から増えないことが基本です。どれだけ参照する株価が上がっても株価の値上がりを得ることはできないのです。普通に株式を買った方が儲かる場合もあります。

早期償還の可能性がある

株価連動債(株価リンク債)は参照する株価が上昇した場合、早期償還される可能性があります。短期間で早期償還されることは悪いことではないように思うかもしれませんが、場合によっては期待していたクーポンが得られないことになるため、機会損失につながる場合もあります。再投資を考えた時に金利環境が変化していた場合、高いクーポンを得られる投資先がない可能性もあります。

途中での売却が難しい

株価連動債(株価リンク債)は他の仕組債と同様、流通市場がほとんどないため、途中での売却が難しくなっており、満期までの持ち切りが基本となります。もし途中で売却できる場合でも自分にとって不利な安い価格でしか買い取ってもらえない場合があり、思うように現金化できず、相対的に流動性リスクが高いと言えます。

まとめ

  • 株価連動債(株価リンク債)とは、クーポンの支払いや償還金額が参照する株価に連動して変動する仕組債のことを意味します。
  • 日本でよく販売されるノックイン型株価連動債(株価リンク債)は、判定期間中一度でもノックイン価格以下となると、償還金額が株価に連動するようになる仕組みになっています。

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【株価連動債(株価リンク債)とはの記事は終わりです】

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