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パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)とは

記事作成日:2019年8月22日
最終更新日:2021年9月18日

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)とは

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)とは、仕組債の一種で、購入時の払い込みと元本の償還が同じ通貨で行われ、利払いが異なった通貨で行われるリバース・デュアル・カレンシー債に変更を加えて、レバレッジを掛けることで利払いの利率を高めた債券のことを意味します。ただしリバース・デュアル・カレンシー債とは異なり、払い込みと元本の償還だけではなく、利払いも基本的に円建てとなります。

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パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)の特徴

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)はリバース・デュアル・カレンシー債の利払い部分に手を加え、特定の条件かでリバース・デュアル・カレンシー債よりも利回りが高くなるように設計された仕組債です。パワー・リバース・デュアル・カレンシー債は、異なる通貨間で利払いを交換するクーポンスワップとオプションの仕組みを応用して組成されます。

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債は購入時の払い込み、クーポンの利払い、満期時の償還が円建てで行われます。クーポンの利払いの利率は為替レートに応じて変わる仕組みで、円高になるほど利率が低下し、円安になるほど利率が上昇します。途中で繰上償還が行われる可能性があるものもあります。

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)の利率の決定方法

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債の利払いの利率は「通貨国金利(固定)×(利払い時の為替レート÷当初の基準となる為替レート)-国内金利(固定)」を基準に決定され、利払いごとに変動します。レバレッジのかけ方によって固定の通貨国金利や国内金利の数値は金利水準よりも高く設定されることがあります。「海外金利-国内金利」を利用して、レバレッジをかけるイメージとなります。

円安が進むと利率が高くなり、円高が進むと利率が低くなります。理論的には円高がかなり進んだ場合は、利率はマイナスとなることがありますが、通常は0%などのように利率の下限が設定されていることがあります。また、円安が進むと利率は高くなりますが基本的に上限も設定されています。

そのため、パワー・リバース・デュアル・カレンシー債の利率は、リバース・デュアル・カレンシー債よりも高くなりますが、一定の範囲内で動き、通常は無制限に利率が高くなることはありません。

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)の利払いの利率と為替レートの関係

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)のメリット

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)は、元本の償還については為替リスクがないため元本を確保しやすいこと、一定の条件下で相対的に利払いの利率が高くなる可能性があることが挙げられます。

元本を確保しやすい

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)は、元本の償還が払い込みと同じ通貨で行われる(円で払い込みなら円で償還)ため、発行体の債務不履行などが発生しなければ、満期で額面が償還されるため元本を確保しやすいという特徴があります。

利払いの利率が高くなる可能性がある

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)は、利払いごとに利率が変動しますが、為替レートの推移次第では利払いの利率が高くなる可能性があります。リバース・デュアル・カレンシー債よりも良い条件となることがあるのです。

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)のデメリット

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)は、一定の条件下で利払いの利率が低くなる可能性があること、仕組みが難しく分かりづらいことなどがデメリットになります。

利払いの利率が低くなる可能性がある

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)は、利払いの時点での為替レートによって利払いの利率が決まりますが、為替レートが円高となった場合は、利率が低下します。状況によっては利率が0%か限りなく0%に近くなってしまい、ほとんど利益が得られない可能性があります。

満期前に繰上償還される場合がある

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)は、一定の条件下で満期前に繰上償還が行われる場合があります。投資家に有利な状況になった場合に繰上償還されてしまうことがあるため注意が必要です。

流動性リスクがある

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)などの仕組債は基本的に流通市場が発達しておらず、中途売却は不利となる可能性があります。換金までに時間がかかったり、不利な条件で売却を強いられたりする可能性があります。

仕組みが分かりづらい

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)に限りませんが、仕組債はどのような場合にどの程度のリターンが見込めるのか、どのようなリスクがあるのか仕組みが分かりづらくなっています。理解が難しいため、想定していたものとは異なった投資結果になってしまうことがあります。

まとめ

  • パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)とは、購入時の払い込みと満期の償還が円で行われ、利払いが外貨で行われるリバース・デュアル・カレンシー債の利払い部分を変更し、特定の条件下で高い利率が得られるようにしたものを意味します。
  • パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)は、円安になるほど利払いの利率は上昇しますが、円高になると利払いの利率は低下します。

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【パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)とはの記事は終わりです】

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