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リバースフローター債(インバースフローター債、逆変動利付債)とは

記事作成日:2019年8月31日
最終更新日:2021年9月15日

リバースフローター債とは

リバースフローター債(reverse floater、逆変動利付債)とは、債券のクーポンの利率が参照する金利とは逆に変動する仕組債です。参照する短期金利などが上昇すればリバースフローター債の利率は低下し、参照する金利が低下すればリバースフローター債の利率は上昇します。リバースフローター債の利率は参照する金利をX%とすると「3-X」%のような式で決定されます。参照する金利は市場で変動する短期金利や長期金利が用いられます。

変則的なものとしては、「3-X」の引かれる側の数字の「3」が利払いごとに段階的に上昇するステップアップ型のリバースフローター債もあります。

リバースフローター債は、インバースフローター債(inverse floater)とも呼ばれます。リバースフローターもインバースフローターも同じ意味です。

なお、フローター(floater)には債券(bond)の意味が含まれますが、日本では「債」をつけて呼ぶことがあるので、本記事ではリバースフローター債とします。もちろん、リバースフローターだけでも債券の意味になります。

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リバースフローター債の特徴

リバースフローター債(インバースフローター債、逆変動利付債)は、利払いと元本のうち、利払いに特殊な仕組みがある仕組債です。通常の債券の利払いの利率は固定されていて、市場の金利に連動するようにしたものが変動利付債(フローター、floater)です。更に利払いの利率が市場金利の逆の方向に連動するようにしたものがリバースフローター債です。

リバースフローター債はデリバティブのうち金利スワップの仕組みを利用して組成される仕組債で、長期金利と短期金利の金利差がある状態、イールドカーブがスティープ化している時ほど、高い利率を設定しやすい傾向があります。

リバースフローター債のクーポン利率の決定方法

リバースフローター債は、市場の短期金利などを参照していて、参照する金利をX%とすると利払いごとに「a-X」%のような式でクーポンの利率を決定します。「a」の部分は市場環境に応じて変化し、固定された数値が入ります。利払いごとに利率が変動します。

リバースフローター債は、参照する金利が上昇するとクーポンの利率が低くなるので収益率が低下します。例えば、クーポンが「1.8-X」%で決まる場合にX=1.7%なら、クーポン利率は1.8-1.7=0.1%となります。

逆に参照する金利が低下するとクーポンの利率は高くなるため収益率が上昇します。上記の例でX=0.2%の場合、クーポン利率は1.8-0.2=1.6%となります。

フローターとリバースフローター債のクーポン利率の変動の仕組み

リバースフローター債は通常利率に下限がある

なお、参照する金利が上昇しすぎた場合は、計算上クーポンの利率が0%以下になる可能性があります。クーポンの利率が仮にマイナスになる投資家は債券を買ったのに利息を受け取るのではなく支払うことになってしまうため、リバースフローター債では利率の下限(フロア)を設けていることが一般的です。例えば利率の下限を0%としておけば上記の例でX=2%となっても1.8-2.0=-0.2%となりますが、利率は-0.2%ではなく0%になります。

リバースフローター債は期限前償還される場合がある

リバースフローター債にも他の仕組債と同様に期限前償還ができる条件が付いていることがあります。金利の低下が進んだ場合、クーポン利率は高まっていくため発行体は多くの利払いを行わなければいけなくなるため、発行体が不利にならないよう期限前償還できるという条件が付いている場合があります。

リバースフローター債のメリット

リバースフローター債は金利が下がると利率が上昇するということです。

金利低下時に利率が上昇する

リバースフローター債は金利低下時に利率が上昇するため、クーポンを多く受け取れるようになり、収益率が高くなります。

元本を確保しやすい

リバースフローター債は、利払いと元本のうち利払いに特別な仕組みがあり、元本の償還は特別な条件が付いていなければ普通の債券と同じように行われます。そのため、満期まで持ち切れば発行体の破綻などがない限り額面での償還が期待でき、元本を確保しやすくなっています。

リバースフローター債のデメリット

リバースフローター債は金利上昇時に利払いの利率が低下します。また、流動性リスクがあります。

金利上昇時に利払いの利率が低下する

リバースフローター債は、参照している市場の金利が低下すると利払いの利率が上昇しますが、参照する市場の金利が上昇すると利払いの利率が下がるためもらえるクーポン(利息)が少なくなってしまいます。

期限前償還のリスクがある

リバースフローター債のうち、期限前償還の条件が付いているものは、市場環境によっては発行体によって期限前償還されてしまい、クーポン(利息)をほとんどもらえないまま償還されてしまうリスクがあります。

流動性リスクがある

リバースフローター債に限らず仕組債は流通市場がほとんどないため、途中で売却しようと思っても売却できない場合があります。また、売却ができた場合でも安い価格でしか売却できないことがあり、流動性リスクがあります。

まとめ

  • リバースフローター債(インバースフローター債、逆変動利付債)とは、利払いの利率が参照する市場金利と逆に変動する仕組債で、参照する金利が上がるとクーポン利率は下がり、参照する金利が下がるとクーポン利率は上がります。
  • リバースフローター債は、市場金利が低下すると利払いの利率が上昇することがメリットですが、市場金利が上昇すると利払いの利率が低下することがデメリットです。また流動性リスクが相応にあることもデメリットです。

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【リバースフローター債(インバースフローター債、逆変動利付債)とはの記事は終わりです】

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