チャートの窓とは・窓開けと窓埋め
記事作成日:2019年10月15日
最終更新日:2022年4月8日
株価などのローソク足のチャートの窓とは隣り合うローソク足同士で値が重なる部分がなく上下に離れていて、窓が開いているかのような空白部分ができることを意味します。
ある取引日の取引終了時点から次の取引日の取引開始時点までの間に大きな相場材料が出たことによって、株価などが取引開始時点で前日の株価などから大きくかけ離れ、その日の相場終了時点までその勢いが変わらないと、チャートに窓が出現します。
チャートの窓はローソク足以外のチャートでも確認することはできますが、通常はローソク足で見た場合にできている窓を指します。
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チャートの窓開けとは
チャートの窓開けとは、隣り合うローソク足同士の値で重なる部分がなくローソクが上下に離れることによってチャート上に空白ができて窓ができることを意味します。窓が新しくできることが窓開けです。
窓が開く場合には、ある取引日の終了時点から次の日の取引開始時点までに何らかの材料が出るなどして、相場環境が大きく変わっていることになります。取引が行われない間に株価などの水準が大きく変わるような出来事があった結果として、チャートに窓が開くのです。
上の窓開けと下の窓開け(ギャップアップとギャップダウン)
窓開けは、株価などの上昇、下落、いずれの場合でもあります。株価が上昇している時に窓が開く場合、上窓、上に窓を開ける、上の窓開け、ギャップアップなどと呼びます。前日の終値から大きく値上がりして取引が開始することで上に窓が開くことになります。上に窓が開く場合は、相場の地合いが強いということになります。
逆に、株価が下落している時に窓が開くことを、下窓、下に窓を開ける、下の窓開け、ギャップダウンと呼びます。前日の終値から大きく値下がりして次の日の取引が始まることで下に窓が開くことになります。下に窓が開く場合は相場の地合いが弱いということになります。
チャートの窓埋めとは
チャートの窓埋めとは、開いた窓を埋める、塞ぐように株価などが動くことを言います。上に窓が開いた場合は、株価などが窓開け前の水準まで値下がりすることで窓が埋まります。下に窓が開いた場合は、株価などが窓開け前の水準まで値上がりすることで窓が埋まります。
経験的に、チャートの窓が開くと、取引参加者の間で窓が埋まることが意識されるため、窓が開いている水準が株価などの目安となることがあります。そのため、チャートを分析する場合には、窓が注目されるのです。
開いた窓が埋まることは、窓埋めの法則、窓埋め理論などと言われることがありますが、窓が開いたからと言って必ず埋まるわけではありません。あくまで経験的に、窓が開くと埋まることがあると考えられているにすぎません。
窓埋めが起きる場合と起きない場合
窓が開いたとしても必ず窓を埋めるわけではありません。窓は埋まる場合もあればすぐには埋まらない場合もあります。
窓埋めが起きやすいのは明確なトレンドがないレンジ相場、もみ合い相場や、上下の振れを伴う上昇あるいは下落のトレンド相場です。
まず、明確な上昇や下落のトレンド(傾向)がないレンジ相場、もみ合い相場の場合、窓が開いたとしても、高値警戒感や買戻しの動きから相場が反転し、比較的早く窓が埋められることがあります。
上昇や下落のトレンドがある相場でも、長い目で見た時には上昇や下落の傾向がはっきりしているものの、短期的に見ると上昇や下落を繰り返している場合には、窓埋めが起こることが良くあります。窓埋めをきっかけに調整が完了して相場が反転するということもしばしばみられます。
逆に、窓埋めは強い上昇トレンドあるいは強い下落トレンドの場合、すぐには起きないことが多いです。窓が開いたとしても、相場が反転しないため、そのまま上昇か下落が続いていくのでしばらく窓が埋まらないままになります。
窓埋めと相場の解釈
開いた窓を埋める時に、窓の付近で窓埋めの動きが止まった場合は、相場の流れが変わるサインであることがあります。逆に窓を埋めて更に価格が突き抜けてしまった場合はそのままの勢いが続くことがあります。
例えば、上に開いた窓を下落しながら埋める時に、値動きの勢いが止まったら反転して上昇するサインとなることがあります。逆に窓を埋めてその流れが続いたら下落継続のサインであることがあります。
反対に、下に開いた窓を上昇しながら埋める時に、値動きの勢いが止まったら反落して下落するサイトとなっていることがあります。逆に窓を埋めても勢いがある場合、上昇継続のサインとなることもあります。
まとめ
- チャートの窓とは隣り合うローソク足同士で値が重なる部分がなく上下に離れていて、窓が開いているかのような空白部分ができることを意味します。
- チャートで窓が開くと窓を埋める動きとなることがあるため、チャートの分析で窓が注目されることがあります。