サイコロジカルラインとは
記事作成日:2018年4月10日
最終更新日:2022年4月9日
サイコロジカルライン(Psychological line)とは、計算の対象期間内で株価などの価格が上昇した日(や週)がどれくらいの割合かを示したテクニカル分析で用いられる指標で、上昇した日数(や週数)を対象期間内の日数(や週数)で割った値で、投資家心理の強弱感、相場の過熱感、買われ過ぎ、売られ過ぎを判断するための指標となります。Psychologicalとは心理的なという意味です。サイコロジカルラインの対象期間は12日がよく用いられています。ただし、日数だけでなく週数などを基準としても計算できます。12日のサイコロジカルラインは短期間の投資家心理の状態を示します。
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サイコロジカルラインの計算方法の例
サイコロジカルラインは計算対象期間内で株価などの価格が上昇した日数が何%かを示したものです。例えば計算対象期間を12日(暦日ではなく取引日)とした場合、上昇した日数が4日であれば、4÷12≒33.3%となります。上昇した日数が9日であれば9÷12=75.0%となります。
サイコロジカルラインは0~100%の間の値をとります。対象期間中全て上昇した場合は100%、全て下落した場合は0%となります。上昇した日(や週)が半分だった場合は50%となります。
前日比が変わらずだった場合の日の処理は、上昇とみなす方法、上昇とはみなさない方法、その前日の上昇や下落を当てはめて適用する方法など様々な方法があります。
サイコロジカルラインは投資家心理や相場の過熱感を示す
サイコロジカルラインは「心理的な」という言葉が入っている通り、投資家心理の強弱感、相場の過熱感、買われ過ぎや売られ過ぎを判断するための指標になります。
投資家心理が強気の状態で株価の上昇が続いていると、サイコロジカルラインの値は高くなります。サイコロジカルラインが75%を超えてくると、投資家心理が強気になり過ぎている、買われ過ぎていると判断されるため、相場はいったん反落する可能性が高まると考えられます。
逆に投資家心理が弱くの状態で株価の下落が続いていると、サイコロジカルラインの値は低くなります。サイコロジカルラインが25%を下回るようになると、投資家心理が弱気になり過ぎている、売られ過ぎていると判断するため、相場はいったん下げ止まって、底を打つ可能性が高まっていると判断されます。
サイコロジカルラインを用いると逆張り的な投資になりやすい
サイコロジカルラインを使って投資判断を行う場合、サイコロジカルラインが高くなると投資家心理が強気に傾いているため、そろそろ息切れするだろう、いったん調整するだろうと考えて投資判断を行う傾向があります。
逆にサイコロジカルラインが低くなると投資家心理が弱気となっているため、そろそろ底打ちするだろう、いったん持ち直すだろうと考えて投資判断を行う傾向があります。
サイコロジカルラインを用いる場合としては、買われ過ぎ、売られ過ぎを判断して、相場の反転を狙うことになりがちですが、この発想は逆張り投資そのものということになります。
サイコロジカルラインは目安に過ぎず絶対的なものではない
サイコロジカルラインはあくまで目安に過ぎないもので絶対的なものではありません。買われ過ぎ、売られ過ぎのサインが出ていたとしても、実際には買われ続けることも、売られ続けることもあります。あくまで参考程度にとどめておいて他の判断材料も含めて総合的に判断した方が良いと考えられます。
まとめ
- サイコロジカルラインとは計算対象期間内に株価などの価格が上昇した日数等がどのくらいの割合かを示した指標で、投資家心理の状況を示します。
- サイコロジカルラインは0~100%の間の値をとり、25%を割り込むと売られ過ぎ、弱気過ぎとされ、相場の反転上昇が近いと考えられています。75%を超えてくると買われ過ぎ、強気過ぎとされ、相場の反落が近いと考えられています。