ROCとは
記事作成日:2019年3月18日
最終更新日:2022年4月13日
テクニカル分析で用いられる指標のROC(Rate Of Change、変化率)とは、過去の時点の株価(などの価格)と比べて現在の株価がどの程度変化したかの割合(変化率)を示したものです。直近の株価などの動きの勢いがどのくらいあるのかを示した指標です。マイナスからプラスになると買いシグナル、プラスからマイナスになると売りシグナルというような判断に活用します。
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ROCの計算方法
日本ではテクニカル指標のROCとされるものは「(現在の株価-n日前の株価)÷n日前の株価」を指す場合と「現在の株価÷n日前の株価」を指す場合があります。「×100」をしたりして%表記に直したり、更に「-100」をして0が基準になるようにしたりする場合があります。基準が0となる場合と100となる場合などいくつかのパターンがあるため注意が必要です。
(現在の株価-n日前の株価)などによって求めるモメンタムと比べると、n日前の株価で割って株価に対する割合としていることから株価水準が変化しても時系列で比較しやすいという長所があります。
比較対象となる過去の株価は10日、25日などが考えられますが、短期間の分析だけでなく、中~長期間の分析にも使うことが可能です。
ROCの計算例((現在の株価-n日前の株価)÷n日前の株価)
例えば、現在の株価が1,100円、25日前の株価が1,000円の場合は、「(現在の株価-n日前の株価)÷n日前の株価」で計算すると(1,100-1,000)÷1,000=0.10となります。「×100」で%表記に直すと0.10×100=10(%)となります。この場合の基準は0となります。
ROCの計算例(現在の株価÷n日前の株価)
同様に「現在の株価÷n日前の株価」で計算すると、1,100÷1,000=1.10となります。×100で%表記に直すと1.10×100=110(%)となります。この場合の基準は100となります。
「-100」で基準を0に変換すると、110-100=10(%)となります。この場合の基準は0となります。
ROCの見方・使い方
「ROC=(現在の株価-n日前の株価)÷n日前の株価×100」を例にするとROCは0が基準となります。ROCが基準となる0より大きい場合は上昇トレンド、小さい場合は下落トレンドとなります。そして、ROCがマイナスからプラスに転換する場面で上昇相場に流れが変わるため、買いシグナルとなります。一方、ROCがプラスからマイナスに転換する場面では下落相場に流れが変わるため売りシグナルとなります。
ただし、ROCの符号が変わる場面でも、上昇あるいは下落の動きが長時間続くとは限らず、ROCは外れる場合もあるため、他の指標と組み合わせて使うことが重要です。
- ROC>0なら上昇相場
- ROC<0なら下落相場
- ROCがマイナスからプラスになると買いシグナル
- ROCがプラスからマイナスになると売りシグナル
ROCの分析例
上記はシミュレーションによって疑似的に作成した架空の株価を例にしたROCの分析例です。ROCがマイナスからプラスに転換する場面では株価が上昇トレンドに変化していることが確認できます。逆にプラスからマイナスに転換する場面では下落相場に変化しています。
ただし、ROCのプラスとマイナスが入れ替わる場合でも、必ずその後トレンドが生まれるとは限りません。また、ROCがプラスかマイナスどちらかに触れていても、株価の上昇トレンドあるいは下落トレンドが明確ではなく、レンジ相場になってしまうこともあります。
まとめ
- ROC(Rate Of Change)は現在の価格(株価など)が過去の価格と比べてどの程度変化したか割合を示したものです。
- ROCがプラスの場合は上昇相場、マイナスの場合は下落相場を示し、ROCがマイナスからプラスになると買いシグナル、プラスからマイナスになると売りシグナルを示します。