騰落レシオとは
記事作成日:2018年4月11日
最終更新日:2022年4月10日
騰落レシオとは、テクニカル分析で用いられる指標で、一定期間内における値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割った値を意味し、通常110%、85%のようなパーセントで表示をします。騰落レシオは、市場の過熱感、投資家心理の強弱感を示す指標で、高ければ市場が強気になっている、買われ過ぎている、過熱していると判断できます。低ければ市場が弱気になっている、売られ過ぎている、買いが手控えられている、閑散としていると判断できます。
騰落レシオの期間は一般的には25日(取引日ベース)がよく用いられます。極めて短期の市場の過熱感を見る場合には5日(取引がある日)が用いられます。
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騰落レシオの計算方法
騰落レシオは5日間や25日間など一定期間内での「値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数×100」で計算し、百分率(%)表示にします。
騰落レシオの計算例として、例えば25日間での値上がり銘柄数が150、値下がり銘柄数が120、変わらずの銘柄数が30だった場合、150÷120×100=125.0(%)となります。同様に値上がり銘柄数が110、値下がり銘柄数が170、変わらずの銘柄数が20だった場合、110÷170×100≒64.7(%)となります。
一定期間の値上がり、値下がりで計算するのは1日だけの値上がりや値下がりで計算すると、全面高や全面安の日に数百%、数千%という値となる可能性があること、1日だけだと騰落レシオの振れ幅が大きくなり、株価動向を探る指標として実用性がないことなどが背景にあります。なお、騰落レシオでは、通常変わらずの銘柄は計算に含めないで計算します。
騰落レシオの目安
騰落レシオは一定の範囲内で変動する傾向があることから、一定の水準に達すると相場が転換点を迎える場合があります。
騰落レシオは市場の過熱感、投資家心理の強弱感を示しますが、一般的には騰落レシオが120%を超えると市場は強気、買われ過ぎと判断され、売りのシグナルとなります。逆に70%を下回ると市場は弱気、売られ過ぎと判断され、買いのシグナルとなります。
ただし、120%や70%を過ぎれば必ず相場が転換するかといえばそうでもありません。騰落レシオが120%を超えて150%などになる可能性は十分ありますし、70%を下回って50%になることもあります。絶対的なものではありません。
騰落レシオの使い方・株価等との関係
騰落レシオは相場の転換点を示すため逆張りに用いられることが多いとみられます。騰落レシオが一定の水準に達した場合に、株価等の相場の転換を見越して、騰落レシオが高くなった場合には売り、騰落レシオが低くなった場合には買いというように用いられます。
騰落レシオが高くなった場合は、相場が過熱しており反落の可能性があるからです。一方で騰落レシオが低くなった場合には、相場は底値圏にあるとみられるため、反発する可能性があるからです。
まとめ
- 騰落レシオとは、一定期間内での「値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数×100」(%)で示され、市場の過熱感や投資家の強弱感を示す指標となります。
- 騰落レシオが120%を超えると市場は強気、過熱、買われ過ぎと判断され、70%を下回ると市場は弱気、閑散、売られ過ぎと判断されます。