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低金利下で債券の投資信託に投資する意義は小さい

記事作成日:2015年10月7日
最終更新日:2022年6月9日

低金利下で債券の投資信託に投資する意義は小さい

債券は株式と違って個人が自由に債券の銘柄を売買できるわけではなく、個人で債券投資を行う場合は、個人向けの国債や社債などに投資するか債券に投資している投資信託に投資をすることになります。債券の投資信託は、株式の投資信託よりも価格変動リスクが小さく、金利水準によっては良い投資先と考えられますが、低金利の時は債券の投資信託に投資するメリットは小さくなります。

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クーポンなどの利回り分は信託報酬で打ち消される

低金利の時は国債の利回りが低下しているため、クーポン(利息)や償還差益によるリターンは小さくなります。10年国債の利回りが0%台の水準にとどまっているような時は要注意で、債券の投資信託の信託報酬(運用管理費用)等も同じくらい発生するからです。国債や社債に直接投資するのではなく、投資信託に投資をすると信託報酬(運用管理費用)等がかかってくるため、低い水準となっている利回り分の利益は投資信託のコストで打ち消されてしまい、ほとんど残らないか、酷い場合はマイナスになってしまうことがあります。

金利低下やロールダウン効果に賭けることになる

利回り分の利益が信託報酬(運用管理費用)等でなくなってしまうと、債券の投資信託のリターンの源泉は国内債券であれば、金利低下による価格変動か、年限別の利回り水準の差に着目したロールダウン効果による利益か、事業債などのスプレッド変化に期待せざるを得ないことになります。

しかし、金利が低いということは、金利低下余地が小さく金利低下による価格変動は望みづらいということになります。そうなるとロールダウン効果かスプレッド変化に賭けることになりますが、国債中心の投資信託では事業債比率は低く、イールドカーブがつぶれていれば、ロールダウン効果でさえあまり旨みがない場合があります。

リターンは得づらいのに金利上昇リスクがある

低金利の時は金利低下余地が少なく、高いリターンが得られる可能性が小さい一方で、金利上昇リスクがあることに注意が必要です。金利は株価の大きな変動や金融政策の変更、政府や中央銀行の要人の発言などで突然動く場合もあります。リターンがあまり期待できない中で、リスクはしっかりとあるため、継続的な保有コストである信託報酬(運用管理費用)のマイナスが発生する債券の投資信託で利益を上げることは難しくなります。仮に安全性等に期待して投資する場合でも、旨味がほとんどない場合があります。債券の投資信託に投資を行うよりも、現金(キャッシュ)で保有したり、国債を直接購入したりした方が良いと考えられる場合もあります。

低金利の時は国債等の直接購入か預金も考える

低金利の時に債券の投資信託に投資をするのは、継続的な保有コストである信託報酬(運用管理費用)などが壁となるためあまり良くない選択肢になってしまうことが多いです。安全性などの理由から債券投資を検討する場合、国債や社債の直接購入か、代替手段として少しでも利率が高い預金を選択肢として検討してみることも意味があります。

国債や社債の満期保有を前提とするなら、発行体が破綻しない限り確実なリターンとなるため、金利変動ではなく発行体の信用力を考えることになります。預金も金融機関の健全性を確認することになります。

債券投資は積極的に高いリターンを狙うというよりも安定的に収益を確保するという意味合いが強いですが、低金利の環境では投資信託に信託報酬(運用管理費用)があるため、逆に資産を減らしてしまうリスクがあることに注意が必要です。

まとめ

  • 低金利の環境下では、投資信託が投資している国債等の利回り分の収益が信託報酬(運用管理費用)などの投資信託のコストで打ち消されてしまい、債券の投資信託に投資する意義がほとんどなくなってしまうことがあります。
  • 低金利の時は債券の投資信託の旨みは少ないため、他の資産への投資を検討した方が良い場合があります。

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【低金利下で債券の投資信託に投資する意義は小さいの記事は終わりです】

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