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バランス型ファンドのメリット・デメリットと活用方法

記事作成日:2016年5月24日
最終更新日:2022年6月8日

バランス型ファンドのメリット・デメリットと活用方法

複数の資産に投資をするバランス型ファンド(バランスファンド)のメリットやデメリット、活用方法について説明しています。バランス型ファンドは、複数の資産に投資をするため分散効果が得られることがメリットですが、信託報酬(運用管理費用)等のコストが高い場合がある、リスクを抑える分リターンも大きく伸びづらい、どのような資産を組み合わせが良いのか判断が難しいなどのデメリットがあります。

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バランス型ファンドとは

バランス型ファンドとは、国内や海外の株式や債券など複数の資産クラスの資産に投資を行うファンドです。株式や債券に直接投資するよりも、株式や債券のファンド(投資信託)に投資をすることが一般的です。中には不動産(REIT)やコモディティ(原油や金など)にも投資を行っている場合があります。バランス型ファンドには、資産配分比率を一定に保つ場合と、資産配分比率を変化させる場合があります。

バランス型ファンドのメリット

バランス型ファンドのメリットについてです。

手軽に分散効果を得られる

バランス型ファンドは国内や海外の株式、債券などを組み合わせて投資を行うため、一定の分散効果が得られ、株式だけに投資するような場合と比べると、価格の変動(リスク)を抑えることができる場合があります。

資産配分比率などの決定をお任せできる

仕事などで忙しいために投資について十分な時間を割くことができないような場合に、バランス型ファンドであれば、資産配分比率や投資対象の選定などをお任せすることできます。バランス型ファンドであれば、投資対象などについて自分自身が悩む必要はなく、組み合わせが決まっているパッケージ商品(バランス型ファンド)の中から選べばよいことになります。

リバランスによるリターン改善が期待できる

相場が一方向ではなく上下に変動を繰り返す場合、資産配分比率を一定に保つリバランスを行うバランス型ファンドは、リバランスによるリターン改善が期待できます。

例えば、株式50%、キャッシュ(現金)50%という極端なファンドを想定した場合、株価が下落して時価の変動により配分比率が、株式40%、キャッシュ60%になったとします。この時、リバランスを行って、キャッシュ10%分で株式10%分を購入すると、その後相場が戻るのであれば、相場が下落した割安なタイミングで株式を購入できたことになります。

逆に株価が上昇した場合、株価が高くなった時点で時価比率が高まった株式を売却することになるため、相場が戻れば割高な時点で売り抜けられたということになります。

バランス型ファンドのデメリット

バランス型ファンドのデメリットについてです。

コストが高いものがある

バランス型ファンドには保有等のコストが高いものがあります。

投資対象のファンドの信託報酬(運用管理費用)等が高い場合がある

バランス型ファンドは株式や債券のファンド(投資信託)に投資することで複数の投資対象に投資する場合がありますが、投資対象としているファンドの信託報酬(運用管理費用)等が高く設定されていて高コストとなっているバランス型ファンドがあります。また、バランス型ファンドそのものの信託報酬(運用管理費用)が高い場合もあります。

近年では信託報酬率が低く抑えられたファンドに投資するバランス型ファンドも登場していますが、ファンドによってコストが大きく異なっていて、コストが高い場合には大きなデメリットになります。

二重の信託報酬(運用管理費用)等の負担が発生する場合がある

バランス型ファンドは、投資対象としている株式や債券のファンドの信託報酬(運用管理費用)等だけを負担するもの(いわゆるファミリーファンド方式のファンドが中心)と投資対象のファンドの信託報酬(運用管理費用)等に加えて、バランス型ファンドそのものの信託報酬(運用管理費用)等が発生するもの(いわゆるファンズ・オブ・ファンズ方式のファンドが中心)があります。投資対象とバランス型ファンドでいわば二重に信託報酬が発生する場合には、かなり高い手数料負担となる場合があります。

リスクを抑える分リターンも大きく伸びづらい

バランス型ファンドでは、複数の資産を組み入れることによってリスクの分散・低減を行います。しかし、リスクが抑えられるとリターンも大きく伸びづらくなります。例えば、分散効果、リスクの引き下げのために債券を組み入れると、債券は株式ほどの高いリターンは通常期待できないため、全体でのリターンは伸びづらくなります。

一方向の相場展開に弱い場合がある

バランス型ファンドは、各資産の組み入れ比率を一定に保つ場合と、各資産の組み入れ比率を変化させる場合があります。各資産の組み入れ比率が一定に保たれる場合は、株価の上昇が続く相場や株価の下落が続く相場など、一方向への値動きが続く相場展開でパフォーマンスが劣後しやすいという弱点があります。

株価の上昇が続く場合

例えば、株式50%、キャッシュ(現金)50%という極端なファンドを想定します。便宜的にキャッシュの収益は0%とします。仮に株価が上昇すると株式の時価総額が増加するためファンドでの株式の比率が上昇し、株式60%、キャッシュ40%といったような感じになります。

各資産の組み入れ比率を一定に保つ場合、株式の60%を50%に戻すためファンドでは株式部分を売却する(リバランスさせる)ことになります。その後、株価の上昇が続いた場合、売却してしまった部分の値上がり益を得られなくなるため、パフォーマンスが劣後しやすくなります。

株価の下落が続く場合

逆に株価が下落する相場を考えます。株価が下落すると株式の時価総額が減少するため、株式40%、キャッシュ60%といったような比率になります。株式の比率を一定に保つため、キャッシュで株式を買って株式の比率を50%を戻したとします(リバランス)。

その後さらに株価の下落が続いてしまうと、購入した株式分だけ時価総額の減少が大きくなってしまい、パフォーマンスが悪くなりやすくなります。ナンピン買いを入れてしまうような感じになってしまうのです。

資産配分比率を変化させる場合には外れることも

バランス型ファンドには、資産配分比率を一定に保つことはせずに、市場動向に応じて戦略的・戦術的に資産配分比率を動的に変化させる場合があります。また、一定以上の値下がりを防ぐため下方リスクを抑制するように資産配分比率を変化させる場合があります。

資産配分比率を変化させる場合には、人の判断や指標などに基づく機械的な判断が入ることになりますが、必ずしも正しいとは限らず外れることがあります。つまり、アクティブファンドと同じような状況になることがあり、資産配分比率の変化が適切であればパフォーマンスは改善しますが、不適切な資産配分の変化はパフォーマンスを悪化させる可能性があります。

投資対象の中身が分かりづらい

バランス型ファンドは、国内や海外の株式・債券やファンドなどを組み合わせて投資しますが、場合によっては多数の金融商品が組み入れられていたり、複雑な金融商品が組み入れられていたりすることがあります。バランス型ファンドは、通常の株式の投資信託などと比べると投資対象が多岐にわたっていて複雑になっているため、投資対象の中身が分かりづらくなっていることがあります。

投資対象の価格変動の仕組みについて全く知らないまま投資をするのは良くありませんので、できる範囲で投資対象の価格変動の仕組みを理解した方が良いですが、バランス型ファンドはどんな時にどのような値動きをするのか分かりづらいものがあります。

販売・運用側に都合が良い投資対象が含まれている場合がある

バランス型ファンドは、投資対象の選定や組み合わせの比率をお任せすることになります。バランスファンドの運用会社も会社であってグループや系列等の関係から、ありとあらゆるファンドから良いと思える投資対象だけを選別できるわけではありません。

そのため、バランス型ファンドを販売する側、運用する側にとって都合が良い投資対象、グループ・系列の主体が運用するファンドが含まれる場合があります。例えば、運用の手数料(信託報酬(運用管理費用)など)が高いファンドや、自社の系列あるいは提携先が運用するファンド、販売のテコ入れをしたいファンドなどが紛れ込んでいる可能性があります。

もちろん、販売側や運用側に都合が良い投資対象が必ずしも購入側の利益に反するわけでもなく、良い投資対象である可能性もありますが、真の意味でベストな商品を組み合わせているとは言い難いバランス型ファンドになってしまっている場合もあります。ライバル会社のファンドを組み入れるというのは現実的に難しいことは想像に難くないはずです。

資産配分比率の根拠が薄弱な場合がある

バランス型ファンドの資産配分比率の決定根拠が不明確な場合があります。例えば、各資産を均等に組み合わせるというような場合ですが、なぜ均等なのか、どういう根拠があるのかよく分からない場合があります。

もちろん、最適な資産配分比率の決定方法自体にも議論があって、決定的な方法が確立されているとは言い難い状況ですので、どんな方法なら良いのかということは一概には言えませんが、同じ比率で組み合わせましたという説明に納得感が得られない場合もあります。

バランス型ファンドの活用方法

バランス型ファンドには、コストが高い場合があることや投資対象の中身が把握しづらい、一方向の相場展開に弱いなどのデメリットがありますが、投資に十分な時間を割くことができない人が手軽に分散効果を得たい場合には便利な場合もあります。

バランス型ファンドだけに投資する場合でも、バランス型ファンドへの投資額を増やしたり、減らしたりして金額を調整することでリスクのコントロールもできます。ただし、全てお任せという状態になってしまうことに注意が必要です。

分散効果を得たい場合に利用する

自分で株式や債券のファンドを選んで投資しようとしても、投資にそれほど時間がさけないため、価格変動をした場合の比率の調整などが難しいというような場合があります。そのような場合に、バランス型ファンドに投資することで一定の分散効果を得ながら手軽に投資することができます。

コストが安いものを選ぶ

バランス型ファンドに投資をする場合には、可能な限りコストが安いものを選びましょう。コストが高いバランス型ファンドは投資対象として不適切で、自分でファンドを組み合せて投資した方が安く済む場合も多いです。

投資対象を理解する

バランス型ファンドに投資をする場合でも、どんな投資対象に投資をしているか理解するようにしましょう。もちろん、理解には限界があるかもしれませんが、できる範囲で知るようにしましょう。

レンジ相場・もみ合いの局面で投資する

バランス型ファンドには資産配分比率を一定に保つファンドがあります。資産配分比率を一定に保つファンドは一方向の相場展開には弱いですが、株価が値上がりや値下がりを繰り返すレンジ相場・もみ合い局面には強い場合があります。そのため、レンジ相場・もみ合い局面が想定される場合に、バランス型ファンドを活用するということも考えられます。

まとめ

  • バランス型ファンドは複数の資産に投資するため分散効果を手軽に得ることができますが、コストが高い場合がある、投資対象の中身が把握しづらい、一方向の相場展開に弱いなどのデメリットもあります。
  • バランス型ファンドに投資する場合には、コストが安いファンドを選ぶことが重要です。

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【バランス型ファンドのメリット・デメリットと活用方法の記事は終わりです】

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