投資信託の塩漬けは手数料のデメリットが大きい
記事作成日:2018年10月29日
最終更新日:2022年6月6日
投資信託が値下がりした時に、上がることを期待して損切りをせずに保有し続ける「塩漬け」の状態にしてしまうと、投資信託は保有しているだけで信託報酬(運用管理費用)という手数料が投資信託の資産から差し引かれていくため、資産を減らしてしまうことになります。そのため、投資信託を塩漬けにすると、株式の塩漬けよりも不利になってしまうため、投資信託の塩漬けは避けた方がリターン改善に繋がる場合があります。
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塩漬けとは
資産運用で用いられる「塩漬け」という言葉は、保有している株式や投資信託などが大きく値下がりしてしまい、含み損を抱えるようになってしまった時に、損切りをしないで、値上がりを期待して保有し続けることを言います。塩漬けをしている間は、資金が塩漬けをしている投資対象に拘束されてしまうため、他の資産に投資することができなくなります。
塩漬けは、既に投資してしまっているため、含み損を実現させることに抵抗を覚えてしまうために発生します。本来、塩漬けしている投資対象に投資をし続けることと、他の投資対象に投資をし直すことを天秤にかけて、どちらが良いのか投資判断を下すべきですが、過去の行動に縛られて、合理的な判断が出来なくなってしまうと塩漬けが発生するのです。
「塩漬け」は株で良く用いられる言葉ですが、投資信託でも用いられることがあります。
投資信託の塩漬けは株の塩漬けとは違う
投資信託の塩漬けは株の塩漬けとは違い、同じではありません。なぜならば、投資信託は保有しているだけで信託報酬(運用管理費用)がかかってしまうため、株の塩漬けとは異なり、基準価額の値上がりを待っている間も、コスト(手数料)がかかり、その分だけ不利になってしまうからです。
株では塩漬けによって時間をかけて値上がりを待っても、待っている間は機会費用(機会コスト:塩漬け株以外の値上がりチャンスを逃してしまうコスト)以外のコストはかかりません。
投資信託は値上がりを待つ間も運用管理費用(信託報酬)のコストが発生する
しかし、投資信託では、お金を他の投資に使えなくなってしまう機会費用だけではなく、運用管理費用(信託報酬)がどんどんと投資したお金から差し引かれていってしまうのです。そのため、時間をかけて値上がりを待てば待つほど、運用管理費用(信託報酬)が引かれていき、いざ投資信託の投資対象となる株式などの原資産が値上がりしても利益が少なくなるか、手数料によって損失を出してしまうことがあるのです。
投資信託は手数料のデメリットが大きく塩漬けしてはいけない
株式についても塩漬けは基本的に勧められるものではありませんが、投資信託では特にお勧めできません。値上がりをするかどうかわからないだけではなく、値上がりを待っている間に運用管理費用(信託報酬)の手数料がどんどん引かれていくため、塩漬けにして待つことが不利になってしまうためです。手数料のデメリットが大きいのです。
株と同じような感覚で、投資信託を塩漬けにしてしまってはいけないのです。もちろん、株でも塩漬けは望ましいものではありません。
投資信託が値下がりした場合は塩漬けするなら損切りも考える
投資信託の基準価額が大きく値下がりしてしまうなどして含み損を抱えてしまい、基準価額の上昇も期待できなくなるような場面では、塩漬けにすることだけを考えるのではなく、損切りも考えるようにしましょう。
投資信託を長期間塩漬けにすると手数料分だけ資産を失ってしまうため、投資信託で塩漬けにするよりも、他の資産運用をする方が良い場合があるためです。
まとめ
- 投資信託は保有しているだけで運用管理費用(信託報酬)という手数料が発生しているため、基準価額が大きく値下がりした後に値上がりを期待して長期間保有する塩漬けの状態となることは望ましくありません。
- 投資信託の基準価額が大きく値下がりしてしまった場合は、塩漬けにすることだけを考えるのではなく、損切りも考えるようにしましょう。