アクティブファンドの問題点・デメリット
記事作成日:2017年1月13日
最終更新日:2022年6月12日
アクティブ運用を行うアクティブファンドの問題点・デメリットについてです。アクティファンドはベンチマークとなるインデックスを上回るパフォーマンスを目指して運用を行いますが、インデックスを下回るパフォーマンスとなる場合があること、コストである信託報酬が高いこと、アクティブファンドの良し悪しを判断するのは困難であることなどの問題点・デメリットがあります。
- 必ずしも高い収益率(リターン)が得られるわけではない
- 良いアクティブファンドを見分けるのが難しい
- アクティブファンドはコスト(運用管理費用(信託報酬))が高い傾向
- アクティブ運用の仕組みが明かされない・分かりづらい
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必ずしも高い収益率(リターン)が得られるわけではない
アクティブファンドは必ずしも高い収益率が得られるわけではありません。インデックスファンドを下回ってしまうこともあります。
アクティブ運用は運用成績が保証されているわけではない
ベンチマークとなるインデックスがあるアクティブファンドは、インデックスのパフォーマンスを上回るように運用されますが、当然ですがインデックスを上回ることが保証されているわけではありません。アクティブ運用を行ったからといってパフォーマンスが良いとは限らないのです。
アクティブファンドは、より良いパフォーマンスを目指すことができるということがメリットとされますが、実際にはベンチマークとなるインデックスを下回るパフォーマンスとなってしまうことがあります。
ベンチマークがないアクティブファンドも要注意
ベンチマークがないアクティブファンド(ノンベンチマーク型アクティブファンド、絶対収益追求型アクティブファンド)の場合は、目標とする収益率(リターン)に届かなかったり、目標とする収益率(リターン)がない場合はマイナスリターンとなってしまったり、目標通りの運用ができないことがあります。
コストかけてアクティブ運用の不確実性に投資するのか
元々のインデックスの価格変動に不確実性がある上、アクティブ運用部分にも不確実性があるのです。ベンチマークとなるインデックスや目標とする収益率(リターン)を上回れるかどうかわからないアクティブファンドに、敢えて高めのコスト、つまり運用管理費用(信託報酬)を支払って投資するのが良いかどうかということは慎重に検討する必要があります。
良いアクティブファンドを見分けるのが難しい
アクティブファンド投資で最も難しいのはどのアクティブファンドが良いアクティブファンドなのかを探し出すことです。世の中には確かに素晴らしい運用を行うアクティブファンドがあるかもしれません。しかし、中長期的に良い運用成績を上げるアクティブファンドを探し出すのは非常に難しいです。
資産価格の方向性は合理的な分析ができるかもしれない
投資対象資産の資産価格は分析によって、合理的に価格変化の方向性を占うことができると考えられます。
株式の株価であれば企業収益や成長性、債券の債券価格であれば財務健全性や返済能力、不動産(REIT)であれば空室率や賃料など、資産価格の変動要因となる要素があって、分析を行うことで価格変化の方向性を検討できそうです。
アクティブファンドの良し悪しはどうやって判断するのか
しかし、アクティブファンドのファンドマネージャーの運用が良いか悪いかはどうやって判定したらよいのでしょうか?本当に合理的な判定が可能なのでしょうか?
アクティブファンドについて、アクティブ運用部分については運用者の運用方針や運用スキルが良いのかどうかを見極めた上で投資するかどうかを決定することになります。
アクティブファンドの運用方針、過去の運用実績、ファンドマネージャーの経験年数、運用体制など判断材料になりそうなものはありますが、いずれも決め手を欠いていると考えられます。
過去の実績は必ずしも将来を保証しない
過去の運用実績が良いアクティブファンドは、将来の運用成績が約束されるのでしょうか?必ずしもそうではありません。世の中にはたくさんのファンドがあるので、たまたま偶然によって好成績を出すファンドは一定の確率で出てきてもおかしくありません。
あるアクティブファンドの運用実績が良かった場合、それが単なる偶然なのか、何らかの意味があるものなのか、多くの個人投資家は判断するのが困難であると考えられます。
アクティブファンドはコスト(運用管理費用(信託報酬))が高い傾向
運用成果を考える上で問題となるのがアクティブファンドのコスト(運用管理費用(信託報酬))は高い傾向があるということです。
アクティブファンドの運用管理費用(信託報酬)は高め
アクティブファンドは、アクティブ運用を行うファンドマネージャーがいて、費用をかけて情報を収集し、アクティブ運用を行います。
ベンチマークに連動させるインデックス運用(パッシブ運用)のファンドマネージャーの場合よりも、運用コストがかかりやすいことや、アクティブ運用部分が付加価値であるとお客さんに訴求しやすいため、高い手数料(運用管理費用(信託報酬))が設定される傾向があります。
運用管理費用(信託報酬)は運用成績のマイナス要因
運用管理費用(信託報酬)は投資しているお金とは別に徴収されるわけではなく、投資しているお金の中から発生した手数料が引かれていくため、コストを負担している、手数料を支払っているという実感があまりありません。
しかし、運用管理費用(信託報酬)分は確実にマイナス要因となるため、アクティブ運用によって信託報酬以上のパフォーマンスを上げなければ損失になってしまいます。
毎年の運用管理費用(信託報酬)を上回る運用成績を出すのは簡単ではない
年率1%であっても毎年発生するため無視できない大きさだと言えますが、アクティブファンドの場合は更に高い場合2~3%の運用管理費用(信託報酬)が発生するものがあります。また、3%を超えるような運用管理費用(信託報酬)が設定されている場合もあります。毎年発生するコストである2~3%を上回る運用成績を安定して残せるようなアクティブファンドを上手に選ぶことは相当難しいと考えられます。
アクティブファンドは金融機関が積極的に販売する場合も
アクティブファンドは手数料が高く設定されているため、金融機関が積極的に販売する傾向があります。インデックスファンドの手数料(信託報酬)は低く抑えられているため、金融機関が利益を得やすいアクティブファンドを薦める傾向があります。
アクティブファンドを薦められた場合でも、本当にそれでよいのか冷静に考える必要があります。投資の運用成績を左右するのは自らの判断です。金融機関を儲けさせるために投資をするのではなく、自分が儲かるために投資を行うのです。
アクティブ運用の仕組みが明かされない・分かりづらい
アクティブファンドのアクティブ運用の仕組みが明かされない、分かりづらい場合あるということもアクティブファンドの問題点です。どんな仕組みなのかよく分からないのに投資をすることになってしまう場合があります。
アクティブ運用について十分な情報が開示されない
アクティブ運用は良いパフォーマンスを上げられると考えられるような、何らかの考え方、基準、方法によって運用が行われます。しかし、運用者のノウハウでもあるため、アクティブ運用の概略は示されても詳細な説明はほとんど行われず、具体的な情報が開示されることはあまりありません。
ブラックボックスになっているものに、お任せしてしまうので、アクティブファンドの運用成績の変動要因が今一つはっきりしないような場合があります。
アクティブ運用の仕組みが複雑で分かりづらい場合がある
アクティブ運用のファンドには、比較的仕組みが複雑でないものから、先物やオプションなどを組み合わせて仕組みが非常に複雑になっているものまで様々なものがあります。
運用の仕組みが複雑で分かりづらいアクティブファンドの場合、どのような場合に利益が出て、どのような場合に損失が出るのかさえ理解が難しい場合もあります。
どうやって利益が出るのか仕組みが理解できないようなアクティブファンドに投資するということは、偶然に任せて投資をしているのと同じようなものになってしまう危険があります。
アクティブファンド探しに時間を使うべきなのか
株式投資を行う場合、どんな銘柄に投資したら値上がりするだろうかと考えて投資をします。アクティブファンドに投資する場合は、どのアクティブファンドに投資したら値上がりするだろうかと考えて投資をすることになります。
しかし、アクティブファンドのファンドマネージャーの目利きを行うくらいなら、どんな資産に投資したらよいだろうか、どんな銘柄に投資したらよいだろうかといったことに時間を使った方が良い場合があるかもしれません。
まとめ
- アクティブ型のファンドは、インデックス型のファンドよりも運用成績が悪いことがあります。
- アクティブ型のファンドの良し悪しを判断するのが難しく、コストも高い傾向があるという問題点・デメリットがあります。