対人賠償責任保険とは
記事作成日:2015年6月29日
最終更新日:2017年5月1日
自動車保険の基本的な補償内容のうち、相手側の人の死亡やけがに対する損害賠償責任を補償する対人賠償責任保険について説明しています。対人賠償責任保険は自動車保険の重要な部分で、自動車事故で他人に損害を与えてしまった際に支払われる保険です。人の損害に対しては高額の賠償責任を負うことがあるため、対人賠償責任保険の保険金額は無制限が基本です。
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対人賠償責任保険とは
対人賠償責任保険とは、自動車事故によって他人をケガさせてしまったり、死亡させてしまったりしたことによって、法律上の損害賠償責任を負った場合に支払われる保険です。
対人賠償責任保険で補償される損害の範囲は
対人賠償責任保険で補償される損害の範囲はケガの治療費のほか将来の介護費用や、働けなくなったことによる収入の減少分(逸失利益)、精神的な損害(慰謝料)などが補償の対象となります。
対人賠償責任保険の保険金額は
対人賠償責任保険の保険金額は現在では無制限が基本となっています。後遺障害を負わせてしまった場合や死亡させてしまった場合には逸失利益などが高額となりやすく、1億円や2億円といった高額の損害賠償責任を負う可能性があるためです。
おすすめの対人賠償責任保険の保険金額は?
対人賠償責任保険の保険金額は無制限をお勧めします。自動車事故が起こった時に困らないようにするためには無制限としておくことが必要です。
対人臨時費用保険金が支払われる場合も
対人臨時費用保険(特約)とは、自動車事故によって他人にケガを負わせてしまい入院させてしまった場合や、死亡させてしまった場合に、一定日数以上の入院や死亡を条件に見舞金や香典・弔慰金など支出に当てるための保険金が支払う保険です。入院の場合は3万円前後、死亡の場合は15万円前後で保険金額が設定されています。
自動車保険によっては、自動付帯している場合もあれば、全くない場合もありますので注意してください。
保険金が支払われない場合
次のような場合には対人賠償責任保険から保険金が支払われません。
- 保険契約者や被保険者の故意による損害
- 戦争、外国の武力行使、革命、内乱、武装反乱や暴動による損害
- 地震、噴火、津波による損害
- 台風、洪水、高潮による損害
- 核燃料物質や放射能汚染などによる損害
- 競技や曲技のため使用したことによる損害
自分や一定の家族の損害は補償の対象外
対人賠償責任保険では自分や一定の家族に生じた損害には保険金が支払われません。具体的には通常次のような人の損害は対象外とされています。
- 記名被保険者
- 契約車両の運転者とその父母、配偶者、子
- 被保険者とその父母、配偶者、子
- 被保険者の業務に従事中の使用人
- 被保険者の使用人の業務に従事中の他の使用人(例えば被保険者の雇い主の使用人、同僚などが該当します)
ただし、通常は兄弟姉妹や他人は対象外となっていないため、支払い対象となります。自分の車に友人が乗っていた場合は、支払い対象となります。
過失分のうち自賠責の支払い分を超えた分が支払われる
対人賠償責任保険で支払われるのは、損害額のうち自分の過失部分に相当する金額から自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)で支払われる金額を引いた部分です。
まず、法律上損害賠償責任を負うのは生じた損害のうち、自分の過失割合に相当する金額です。しかし、対人事故では自賠責保険からも一定の保険金が支払われる場合があるため、自賠責保険から支払われる部分と重複しないため自賠責保険から支払われた部分を差し引いて保険金が支払われます。
示談交渉費用や争訟費用も補償
保険会社の同意を得るなど条件がありますが、示談交渉費用や争訟費用、訴訟による遅延損害金などの費用も補償対象となります。
まとめ
- 対人賠償責任保険は、自動車事故の相手側の人の死亡やけがに対する損害賠償責任を補償する自動車保険における重要な部分です。対人賠償責任保険の保険金額は無制限が基本です。
- 保険会社によっては、対人臨時費用保険金が支払われる場合もあります。