対物超過修理費用補償特約とは
記事作成日:2015年6月26日
対物賠償保険では支払われない時価を超える修理代金を支払うための対物超過修理費用補償特約について説明しています。保険会社によっては、対物全損時修理差額費用特約と呼ばれる場合もあります。対物超過修理費用補償特約は、事故の示談交渉を円滑にし、不要なトラブルを防ぐ効果があるため、つけておいた方が無難です。
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対物超過修理費用補償特約とは
対物超過修理費用補償特約とは、事故で相手の車に損害が発生し、修理代が時価を上回る場合、修理代と時価の差額のうち過失割合の分が相手に支払われる特約です。
法的な賠償額は時価
法的な賠償は時価となっていますが、実際の修理代は時価を超える場合もあります。対物賠償保険に無制限で加入していても対物賠償保険で支払われるのは時価までとなるので、修理代と時価の差額は支払われません。無制限でも支払われない部分があるので要注意です。
相手の修理代金が不足する場合
相手が車両保険に加入していない場合や加入していても保険金額(協定価額)が低い場合、自分の対物賠償保険から支払われる保険金だけでは修理代が足りない場合があります。
法律上の損害賠償責任額である時価分を支払う場合でも、相手の実際の修理代が膨らんでまう場合には、相手が納得せず、示談交渉などで揉める可能性があります。修理代の負担を強く迫り、トラブルになる可能性もあります。
そのため、修理代が時価を超える分についても支払いを行うようにするのが対物超過修理費用補償特約です。
修理代が時価を上回る場合
車は年数が経過するほど時価が低下していきます。そのため、年数が経過している車の場合には時価がかなり低くなる場合があり、事故の修理代が時価を上回る場合があります。
相手が乗り続けたいと思う場合
経済的な理由から車を買い替える余裕がない場合、車に愛着がある場合、希少価値がある車の場合などは修理代が時価を上回っても修理して乗りたいと思う場合があります。
そうなると、修理代が足りない場合、相手は強く修理代の負担を求めてくる場合があります。また、そもそも時価が低い場合、対物賠償保険から保険金が支払われても少額なので新しく車を買うのが難しいという理由もあります。
少額の保険料でトラブルを回避出来る
対物超過修理費用補償特約は保険料がそれほど多額ではなく、変なトラブルを予防し示談で揉めないようにする効果があることから役に立つ特約だと感がられます。加入できる場合は加入しておくといざという時に困る可能性を低くできます。
過失割合が考慮される点に注意
対物超過修理費用補償特約は時価と修理代の差額分については、差額分のうち過失割合が考慮されて自分の過失割合分が相手に支払われますので、注意しましょう。
支払金額には上限がある
対物超過修理費用補償特約は無制限に支払われるのではなく、基本的には50万円など上限が定められています。
まとめ
- 対物超過修理費用補償特約は、事故発生時に相手の車の修理代が時価を上回った場合、時価を超えた部分の修理代を支払う特約です。
- 対物超過修理費用補償特約は、事故の示談交渉を円滑にし、不要なトラブルを防ぐ効果があるため、つけておいた方が無難です。