自動車保険は保険を使うかどうか判断が必要
記事作成日:2015年9月27日
最終更新日:2016年9月19日
通常保険といえば、保険事故が発生したら保険会社から保険金を受け取るのが当たり前です。せっかく保険をかけて保険料を払っていたのに、もらえるお金をもらわないなんて損ですからね。でも、保険事故が発生して保険金を請求すれば受け取ることが出来ても受け取らない方が結果的に得という場合があります。
自動車保険は事故が発生した時に、保険金を受け取った方が得な場合と、受け取らない方が得な場合があります。
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自動車保険は保険金を受け取ると保険料が上がる
自動車保険は等級制度を導入していて、等級に応じて保険料の割引率が変わる仕組みになっています。等級制度は事故による保険金の支払いがないほど上がっていき割引率が大きくなりますが、事故による保険金の支払いがあると下がっていき割引率が小さくなるか、割増率が適用されてしまいます。
同じ等級でも最近事故による保険金の支払いがあったかなかったか異なる割引率を適用する事故有係数の制度が導入されています。1度事故を起こして保険金の支払いがあると3年か1年間の同じ等級であっても異なる割高な係数が適用されてしまい保険料が跳ね上がることがあります。
事故があっても保険金を受け取らなければ下がらない
自動車保険の等級制度制度では、事故が発生したかどうかではなく、事故が発生して保険金が支払われたかどうかで等級が変わってきます。中には保険金が支払われても等級に影響がないような場合もありますが、事故が起きて保険金を請求すると等級が下がります。逆に事故が起きても保険金を請求しなければ等級は下がりません。
自動車保険は保険を使うかどうか判断が必要
自動車保険は他の保険と違って保険金を受け取ったかどうかで翌年以降の保険料が変わってきてしまうので、長い目で見た損得勘定をしなければいけません。
つまり、受け取る保険金が保険料の値上がりよりも多ければ保険金を受け取った方が良いですし、保険金が保険料の値上がりよりも少なければ受け取らない方が良くなります。特に注意しなければいけないのは次のような場合です。
- 事故の損害が軽微な場合
- 保障が充実していて保険料がそもそも高い場合
- 等級が低く保険料が値上がりしやすい場合
- 事故有係数適用期間が3年の事故の場合
事故の損害が軽微な場合
対物事故、自損事故などの場合で損害が軽微な場合は自動車保険に保険金を請求するよりも自分で損害分の負担をしてしまった方が結果的に得になる場合も少なくありません。
なお、対人事故の場合は事故直後に体に異常がなくても後日ケガの状態が明らかになる場合もあり、事故直後にケガが軽く治療費はかからないだろうと思ってもそうならないこともあることに気を付けましょう。
保障が充実していて保険料がそもそも高い場合
保険料の水準が高い場合、等級が変わったことによる割引率や割増率の影響を大きく受けます。イメージを挙げると5万円の20%は1万円ですが、10万円の20%は2万円です。保障が充実していて保険料が高い時は保険を使うか慎重に考えましょう。
等級が低く保険料が値上がりしやすい場合
等級が高いと事故有係数による割引率の低下の影響はありますが、相対的に割引率の低下は少なくなっています。しかし、等級が低い場合は等級が下がると割引率が大きく変化する場合があり要注意です。割高な状態が何年も続くため、等級が低めの場合は保険金を受け取るかは特に注意しなければいけません。
事故有係数適用期間が3年の事故の場合
事故が発生して保険金を受け取ることで事故有係数の適用が3年間となる場合は注意が必要です。3年間保険料が高くなるため、保険金を受け取って損しないか考える必要があります。
まとめ
- 自動車保険は自動車保険は事故が発生した時に、保険金を受け取った方が得な場合と、受け取らない方が得な場合があります。
- 特に注意しなければいけないのは、事故の損害が軽微な場合、保障が充実していて保険料がそもそも高い場合、等級が低く保険料が値上がりしやすい場合、事故有係数適用期間が3年の事故の場合です。