地震による火災は火災保険ではなく地震保険で補償
記事作成日:2017年1月10日
大規模な地震が発生すると火災が発生することがあります。火災による被害は火災保険で補償されるというイメージを持っている場合があるかもしれませんが、基本的に地震によって発生した火災は火災保険の補償対象外となります。そのため、地震による火災が心配される場合には、地震保険への加入を検討することになります。
スポンサーリンク
通常の火災は火災保険で補償される
火災保険では、火災によって生じた損害が補償されます。火災保険は、建物や家財を保険の対象として加入することになりますが、建物や家財が火災によって損傷した場合に保険金が支払われることになります。
また、他人の家が火元となって火事が発生し、自分の家に燃え移ってしまった場合でも、自分が建物や家財に火災保険をかけていれば、自分が契約している火災保険から保険金が支払われることになります。
地震が原因の火災は基本的に火災保険では補償されない
火災保険に加入する場合に注意すべきことがあります。火災保険はその名の通り火災の被害に備えるもので火災などの被害が補償されますが、地震によって発生した火災だけは例外的に補償の対象外となっています。
火災保険では、地震、噴火、津波によって発生した損害は、地震火災費用保険金という例外を除いて、基本的に補償されないことになっています。つまり、地震が原因の火災は基本的に火災保険では補償されないことになっています。
地震が原因の火災が火災保険で補償されないのは、地震による被害の発生は予測が難しく、一度被害が発生すると多額の保険金支払いとなる可能性があり、保険会社の経営に大きな影響を与えてしまう恐れがあるからです。保険会社が地震の損害に対して、過大なリスクを負ってしまうことで、保険制度の信頼性を揺るがしてしまう可能性があることなどに配慮したものと考えられます。
地震火災費用保険金は支払われる場合がある
地震による火災は基本的に火災保険の補償対象外ですが、地震によって火災の被害が発生した場合、地震火災費用保険金が支払われる場合があります。
地震火災費用保険金とは、損害に対して支払われる保険金とは違って、損害によって発生した費用に対して保険金が支払われる費用保険金になります。具体的には、地震火災費用保険金は地震、噴火、津波によって発生した火災が原因で、保険の対象の建物が半焼以上、家財が全焼または家財を収容する建物が半焼以上となった場合に支払われる費用保険金です。
地震火災費用保険金は、特約によって保険金の割合は変更できる場合がありますが、通常保険金額の5%が支払われることになっているため、建物や家財に生じた損害を十分補償するものにはならないと考えられます。
あくまで地震火災費用保険は、地震が原因の火災によって発生する費用を補うためのものであって、金額的に被害が生じた建物や家財を片付けるための費用といったような形で用いられることになると考えられます。
地震による火災は地震保険で補償される
地震による火災の損害は火災保険では基本的に補償されませんが、地震保険で補償されます。地震保険は地震が原因の火災で建物や家財に被害が発生した場合は補償対象となります。
地震保険というと地震の揺れで建物などに損害が生じた時に補償されるというイメージがあるかもしれませんが、地震が原因の火災による損害も補償対象となっています。
地震保険は、火災保険とセットで加入することになっていて、保険金額は火災保険の保険金額の最大50%までしか契約できませんが、損害に対する金銭的な備えになりえます。
ただし、地震が発生した日の翌日から起算して10日を経過した後に生じた損害や保険の対象となるものの紛失・盗難など補償されない場合もあります。
火災保険だけでなく地震保険も検討を
火災保険に加入する場合には、地震保険の加入についても検討しましょう。地震が原因の火災は基本的に火災保険では補償されず、地震火災費用保険金が支払われる場合でも保険金額の5%となるため、生じた被害を補うには足りないことになります。金銭的な備えが十分でない場合には、地震や地震が原因となる火災で被害が生じた場合には金銭的に困難な状況に陥ってしまう可能性があります。
まとめ
- 火災保険では、地震が原因の火災は基本的に補償されません。ただし、地震火災費用保険金が支払われる場合があります。
- 地震保険では、地震が原因の火災は補償対象となります。火災保険に加入する場合は、地震保険についても検討しましょう。