好景気とは・好況とは
記事作成日:2018年10月22日
好景気(好況)とは、経済活動が活発な状態を意味し、モノやサービスが良く売れることで、企業が儲かることで、設備や人材に積極的に投資が行われ、雇用が改善して失業者が減り、賃金が上がっていきます。好景気(好況)時には、企業の儲けが大きくなるため株価が上昇し、金融政策が引き締められるため金利が上昇していきます。また、物価や不動産価格は金利が高くなるまでは上昇していきます。好景気・好況という言葉は不景気・不況と対比して使われ、景気の水準が良いのか悪いのかということを指し示します。
スポンサーリンク
好景気とは・好況とは・好景気(好況)の意味・定義
好景気(好況)とは、モノやサービスがたくさん売れて、経済活動が活発な状態であることを意味します。景気が良いとも表現します。
好景気(好況)になると企業の売上や利益が伸びる
好景気の時には、モノやサービスがたくさん売れるため、企業部門の売り上げが伸びていきます。売り上げが伸びると当然企業の利益も増えていきます。国内で販売が伸びない場合でも、海外への販売が伸びて、輸出が増加する場合も好景気の要因となります。
好景気(好況)になると企業の設備や人材への投資が増える
好景気になるとモノやサービスがたくさん売れるため、企業は設備や人材に投資してより多くのモノやサービスを供給しようとします。そのため、設備投資が活発になるほか、雇用が増加します。求人が増加する一方で、失業者が減少していきます。
好景気(好況)になると労働市場が改善し賃金が上がる
好景気になって企業が雇用を増やすと、求人が増える一方で失業者が減っていくので、労働市場の需要と供給が改善します。限られた人材を求めて、人材の取り合いが発生するため、より良い条件を提示する企業が増えます。つまり賃金が上がることになります。
好景気(好況)になると物価が上がる
好景気になると、モノやサービスが売れる、つまり需要が増えることになります。そのため、供給が追い付かなくなることがあるほか、多少価格を上げてもモノやサービスが売れていくようになります。そのため、好景気の時は物価が上がる傾向があります。
好景気(好況)になると不動産価格が上がる
好景気になると、企業はビジネスのために不動産を取得しようとするほか、投資家の活動が活発になって値上がり益を狙った不動産投資も増えるため、不動産価格が上昇する傾向があります。
好景気(好況)になると株価が上がる
好景気になると、企業の利益が増加するため、本質的な企業価値が増大することになります。そのため、株価が上昇することになります。ただし、株価は景気の先を読んで上昇することも多いため、景気に先行して動くことがあります。
好景気(好況)になると金利が上がる
好景気になると、物価や不動産価格が上昇するため、過度なインフレや不動産バブルを招かないために中央銀行が金融引き締めを行うようになるため、金利は上昇する傾向があります。
好景気(好況)の基準・判断方法
好景気(好況)かどうかは、基本的には経済指標が相対的に良いかどうかで判断されます。具体的には、国内総生産(GDP)の成長率が相対的に高い時期を好景気(好況)、低い時期を不景気(不況)と考えます。日本のように景気動向指数など、景気を判定するための指数を用いて判定することもあります。企業や個人に景況感を質問した結果から景気の状態を判断することもあります。
好景気(好況)は家計に波及しないこともある
好景気(好況)であれば、通常は雇用の改善や賃金の増加を通じて家計部門にも影響が波及します。しかし、近年では、企業部門だけが好景気の恩恵を受けて、家計部門がそれほど好景気の恩恵を受けないということがあります。
モノやサービスがたくさん売れるようになって、景気が良くなっても、企業部門が儲かるだけで、家計部門はそれほど変わらないという状態です。
日本では正社員を一度雇うと解雇しづらく、賃金も一度引き上げると引き下げが難しいため、景気が良くても企業は正社員を雇うことや、賃金を上げることを躊躇する場合があります。そのため、企業が儲かってもヒトにはお金を回さず、株主に還元したり、設備に投資したりして、従業員に恩恵がないことがあるのです。
景気が良いからといっても、必ずしも正社員の雇用が増えるとは限りませんし、賃金が上がるとは限らないのです。そのため、景気の良さを個人が実感しづらいということが起きるのです。
まとめ
- 好景気(好況)とは、モノやサービスがたくさん売れて、経済活動が活発な状態であることを意味します。景気が良いとも表現します。
- 好景気(好況)の時には、企業が設備や人材への投資を活発に行うため、雇用が増加し、賃金が上昇する傾向があるほか、物価や株価も上昇します。