団体保険の特徴とメリットやデメリット
記事作成日:2015年10月10日
団体保険とは企業や団体が保険会社と契約する保険契約です。企業の従業員の全員加入型と任意加入型があります。保険は個別に加入し保険料を団体が徴収してまとめて支払うだけの団体扱いとは違いますので注意しましょう。任意加入型の団体保険は保険料が安いことが魅力的ですが、退職すると加入できなくなってしまうため、転職などによる退職リスクも考え本当に必要な保障は自分で保険に加入した方が良いです。
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任意加入型の団体保険
団体保険の任意加入型は、企業が募集をかけますが加入は強制されず、従業員が任意で加入する保険です。通常は年1回パンフレットなどが配られ募集が行われます。毎年の募集期間にしか加入できない場合が多いですが、途中加入できる場合もあります。通常、保険料は給料天引きとなります。通常は1年単位で更新する保険になっています。
死亡を保障する団体定期保険、病気やケガを保障する団体医療保険、就業不能による所得喪失を保障する所得補償保険・団体長期障害所得補償保険、ケガを保障する団体傷害保険(普通傷害保険・家族傷害保険)などがあります。
任意加入型の団体保険の特徴
保険料が団体割引などで安くなる
任意加入型の団体保険は、同じ保障内容の保険に自分で加入するよりも、通常は保険料が安くなります。団体割引や損害率による割引が適用されるためです。
1年ごとの更新型で年齢とともに保険料が変化
任意加入型の団体保険は、基本的に1年単位で更新が繰り返される保険が多いです。そのため、死亡保険や医療保険では年齢が上がるほど保険料が上昇していきます。
告知が緩やか
団体保険では死亡や病気などを保障する保険では告知がありますが、自分で保険に入る場合よりもかなり緩やかな告知内容となっています。自分で保険に入る場合には告知しなければいけない内容が団体保険では告知事項とされていない場合もあるので、加入しやすくなっています。
退職すると加入できなくなる
任意加入型の団体保険は、企業の従業員に向けて用意されたものなので勤務先の企業を退職すると加入できなくなります。ただし、一定の条件で加入が継続できる場合があります。
任意加入型の団体保険のメリット
任意加入型の団体保険のメリットは保険料の安さです。自分で保険に加入するよりもかなり割安になっているので上手く活用できれば保険料を大きく抑えることができます。
任意加入型の団体保険のデメリット
任意加入型の団体保険のデメリットは退職すると加入できなくなってしまうことです。そのため、退職する可能性を考えると、退職してからも無くなって欲しくない保障内容で、健康状況の告知があるような保険は自分で準備した方が良いことになってしまいます。退職のリスクを考えた場合、団体保険はメインの保険としては使いづらいことはデメリットです。そうなると結局利用しづらくなってしまうという点があります。
全員加入型の団体保険
全員加入型は企業が福利厚生制度として従業員全員を対象に加入しています。死亡保障を契約内容とする総合福祉団体定期保険が有名で、総合福祉団体的保険の保険金を利用して死亡退職金や弔意金の支払いが行われる場合があります。その他、医療保険の団体版の団体医療保険があり企業による見舞金の支払いに利用されている場合があります。所得補償保険の団体版の団体所得補償保険は休業・就業不能時の所得補償に使われています。傷害保険の団体版の団体傷害保険もあります。
勤務先の福利厚生制度をチェック
全員加入型の団体保険は自分自身で保険契約を選べる性質のものではなく、企業の福利厚生などに反映されているものであるため、勤務先にどのような福利厚生制度があるのかを確認しましょう。一般に企業規模が大きくなるほど、福利厚生制度は充実しています。
退職すれば通常保障は無くなる
転職などで勤務先の企業を辞めた場合には当然団体保険(全員加入型)の保障はなくなります。勤務先の福利厚生制度が充実している場合には、自分で準備する保障は少なくなるのですが、退職してしまうと自分で保障を増やさなければいけなくなります。しかし、死亡保険や医療保険は健康状態によっては加入できないこともあります。
団体保険の使い方
退職リスクも考え最低限の保障は自分で準備
退職する可能性も考えて、企業の福利厚生制度による保障が無くなった場合に、最低限必要だと思われる保障については自分で保険に加入するなどして準備しておきましょう。特に、健康状態なのどの告知が必要な死亡保険や医療保険は自分で入っておかないと、企業を退職した時に、再び加入できなくなることがあります。
退職しても入り直せる保険で積極的に活用
団体保険でも、退職してから再び自分でも入り直すことが容易な保険の場合は、積極的に団体保険を利用しても問題ありません。なるべく保険料は安い方がいいです。
上乗せ保障として活用する
最低限の保障を自分の保険で確保して、更に保障を充実させる場合にに団体保険を活用するということが考えられます。例えば子供が生まれて教育費がかかっている間の保障を準備する場合に、最低限は自分の保険で準備して、更に充実させるために団体保険を利用するというような方法です。
まとめ
- 団体保険には全員加入型と任意加入型があります。全員加入型は福利厚生制度などとして反映されていますので勤務先の福利厚生制度はよく確認しましょう。
- 任意加入型の団体保険は保険料が安いことが魅力的ですが、退職すると加入できなくなってしまうため、転職などによる退職リスクも考え本当に必要な保障は自分で保険に加入した方が良いです。