収入保障保険の基礎知識・特徴と注意点
記事作成日:2015年10月13日
収入保障保険とは、保険期間中に被保険者が死亡した場合や高度障害の状態になった場合に、保険期間の満了時点までの間、毎月年金が支払われる保険です。保険期間は60歳まで、65歳までといったように期間が決まっていて、終身保険ではありません。また、保険期間の終了間際に死亡した場合保険金の受け取り期間が短くなるため、通常は保険金の最低支払保証期間が2年や5年といったように定められています。
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収入保障保険は死亡保障として無駄が少ない
収入保障保険の保険金は死亡した時点や高度障害になった時点から保険期間の満了時までの期間の長さに応じて支払われます。つまり時間が経過していくことにもらえる保険金が徐々に減っていくことになります。
死亡保障は、遺族への生活保障という意味合いが強く、特に子供がいる場合には子供の生活費や教育費を準備するために用いられます。子供は小学校、中学校、高等学校、大学と成長していくにしたがって経済的に独立するまでに必要なお金がどんどん減っていきます。そのため、必要な最低限の死亡保障の金額もどんどん減っていきます。
収入保障保険は遺族に必要なお金が減っていくと同じように減っていくため、無駄が少ない便利な保険と言えます。
収入保障保険の特徴
保険期間を決められる
保険期間は60歳までや65歳までといったように保険会社が定めた範囲内で自由に選ぶことができます。自分の配偶者や子供の年齢、予想される定年の時期などに合わせてぴったりな保険期間を設定することができます。保険期間を長くするほど、保険料がアップします。
保険金の最低支払保証期間がある
保険期間が残り少なくなった時点で死亡したり高度障害になったりしてしまうと、保険金の支払い月数が少ないためほとんど保障が得られないということが発生してしまうため、通常は2年や5年といったように保険金の最低支払保障期間が定められています。支払保証期間は選ぶことができる場合もあります。ただし、支払保証期間を長くすると保険料がアップするので注意しましょう。
健康割引がある
収入保障保険はほとんどの場合、何らかの健康割引の仕組みがあります。被保険者が健康と認められる場合には、保険料が割引になるというものです。例えば喫煙の有無や身長や体重から計算した肥満度合いなどから保険料に差をつけています。
また、非喫煙者であって体重などが条件に当てはまっている場合でも、健康告知の内容によっては割引を受けられないことがあり、保険会社に確認しないと健康状態に関する割引が受けられるかどうかは分からない場合があります。
保険金の受け取り方法が選べる
収入保障保険は、死亡した時や高度障害の状態になった時に、基本的には保険期間の満了までの間、毎月あらかじめ決めておいた年金額をもらえるというものです。
ただし、通常は保険金を毎月の年金形式ではなく、まとめて一括で受け取ることも可能です。ただし、一括で受け取ってしまうと、毎月年金形式でもらうよりももらえる保険金が少なくなります。保険会社が資産運用などで保険金を増やすことが出来なくなるためです。
一部の収入保障保険では一部受け取りができる
一部の収入保障保険は、保険金のもらい方について、毎月年金としてもらう方式や一括でまとめてもらう方式以外に、一部をまとめてもらって残りを毎月年金もらう方式や毎月年金をもらって一定時点で残りをまとめてもらう方式を選べる場合があります。
柔軟な支払い方式に対応している収入保障保険は使い勝手が良いと考えられます。収入保障保険を選ぶ時には保険金の支払方法が柔軟に選べるかどうかもポイントになります。
収入保障保険の注意点
死亡保障の中では収入保障保険が最も無駄が少なく利用しやすいといえます。しかし、注意点もあります。
死亡直後の支出への備えに注意
収入保障保険は毎月年金形式で保険金を受け取るのが通常で、まとめて一括で受け取ることもできますが受け取れるお金は減少します。
実際問題としては、被保険者が死亡した直後には生活が大きく変わることになるため、何かとまとまった支出が発生してしまいます。しかし、毎月年金形式で収入保障保険の保険金を受け取ると、まとまった支出への備えが難しくなります。手元に現金があった方が安心だということで、保険金を一括でまとめてもらう場合がありますが、保険金が減ることに気を付けなければいけません。
出来れば死亡直後のまとまった支出への備えとして普段から貯金をしておくか、少額の定期保険に入っておくという手も考えられます。保険金の受け取り方法で一部払いなどが選べる収入保険を選ぶということも選択肢の1つです。
相続対策には使えない
収入保障保険は、一定期間で保険期間が満了します。収入保障保険は死亡保障の保険ですが、保険を活用した相続対策などには活用が難しいことに注意しましょう。相続対策で保険加入が必要なのであれば、収入保障保険以外の保険を選ぶ必要があります。
まとめ
- 収入保障保険は死亡や高度障害の時に、毎月年金形式か一括受け取りで保険料がもらえる保険です。
- 保険金は徐々に減っていくため、遺族の生活保障に無駄なく備えることができます。