保険金が支払われない場合の原因・理由と対処法
記事作成日:2018年7月16日
保険で保険金が支払われない場合と保険金が支払われない場合にどうしたらよいかという対処法・対応方法についてです。保険契約では保険金を支払う場合、保険金を支払われない場合が定められているため、契約内容をよく確認することが大切です。本来保険金が支払われるべきなのに保険金が支払われない場合は、契約内容をよく確認した上で、保険会社とよく話し合うことが重要です。
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保険金が支払われない場合の原因・理由
保険金が支払われない場合には、保険契約で保険金の支払い条件に該当していない場合、保険金を支払わない条件・免責事項に該当している場合など普通は何らかの原因・理由があります。保険契約に沿って支払われないと決まっている場合はどれだけ頑張っても保険金が支払われることはありません。
ただし、保険会社の担当者の勘違いや思い込み、知識不足などから、保険金の支払い条件に該当していていて、保険金を支払わない条件に該当しておらず、本来は保険金が支払われるべき場合もあります。
保険金の支払い条件に該当していない場合
保険契約で定められている保険金の支払い条件に該当しない場合は保険金が支払われることはありません。保険金の支払い対象となっていないので当たり前といえば当たり前なのですが、勘違いなどから保険金が支払われるはずだと思い込んでしまうことがあります。
最近では、契約内容を自由に選べる保険が増えていますが、保険契約をカスタマイズして自分の希望のプランを作った場合には、通常保障(補償)される保険事故を対象外としてしまっている場合もあります。例えば火災保険で節約のため水災を対象外として契約したところ浸水の被害が生じてしまった場合には保障対象外となります。
その他には例えば、医療保険では病気とけがの両方が保障されますが、傷害保険では病気は通常保障されません。女性疾病特約では保障される病気と保障されない病気があります。火災保険では宝石や骨とう品などの一定の価値が高い物件(明記物件)は契約時に申告しないと保障対象となりません。医療保険では入院保険金を支払う対象となる入院に細かい条件がある場合があります。
保険金を支払わない条件・免責事項に該当している場合
保険では保険事故に該当している場合でも例外的に保険を支払わない場合を定めています。常識的に考えておかしな場合や、保険会社が負担をしきれない場合などに備えた内容となっています。例えば次のようなものがあります。
免責事項となっている場合
特定の状況によって生じた損害は保険金の支払い対象外・免責事項となっていることがあります。有名なものが通常の火災保険における地震や津波などによる損害ですが、通常の火災保険では地震や津波による被害は補償されないため地震保険の契約が必要です。自動車保険でも通常は地震や津波による損害は補償の対象外です。
その他には自ら故意で損害を生じさせた場合などは通常保障されません。がん保険では通常免責期間が定められていて免責期間中に診断されたがんは保障の対象外となります。所得補償保険などでも、免責期間が定められている場合があります。また、免責金額が定められている場合には、免責金額以内の損害であれば保険金は支払われません。
告知義務違反の場合
保険では保険契約者が告知をしなければいけないことが定められていて、告知義務に違反すると保険金が支払われない場合があります。生命保険や医療保険では、これまでかかった病気や治療中の病気の有無、手術の有無などが告知内容となっています。告知内容から保険契約のリスクを判断して、保険会社が保険を契約するかどうか判断します。
保険契約者が告知で嘘をついて、あるいは告知すべきことを告知しなかった場合は保険金が支払われない場合があります。
不担保となっている場合
生命保険や医療保険などでは告知内容などによって特定の部位の疾病の保障をしない不担保条項が付くことがあります。過去の病気や入院・手術歴などから、再発の恐れが高いため保険の対象から外すのです。ただし、不担保となる場合でも、一定期間だけ不担保となり、一定期間が経過した後は保障されることもあります。
保険金が支払われない場合はどうしたらよいか・対処法
本来保険金が支払われる場合に該当しているにもかかわらず、保険金が支払われない場合にどうしたらよいかについてです。
保険金の支払い条件と支払われない条件・免責事項を確認する
保険金が支払われない場合には、保険金が支払われる条件、支払われない条件や免責事項をよく確認することが大切です。本来支払われるべきなのに支払われていないのか、支払われないのが当然なのかを自分でもよく確認する必要があります。自分の思い込みや勘違いでないかを慎重に確認しましょう。
どのような保険事故で保険金が支払われるのか、何に損害が生じた場合に保険金が支払われるのか、どういう場合に支払われないのかをよく確認することが大切です。
保険金の支払い条件に該当していていない場合、保険金を支払わない条件・免責事項に該当している場合には保険金が支払われません。このような場合は保険会社が保険金の支払いを渋っているのではなく、保険契約に沿って判断しているだけなので、保険契約の内容を知ることはとても大切なのです。
保険金が支払われるべき場合には保険会社と話し合う
保険金が本来支払われるべき場合なのに、保険金が支払われない場合には保険会社とよく話し合いましょう。なぜ保険金が支払われないのかを確認して、保険会社の認識が間違っている場合には指摘しましょう。書類などによって証拠が必要な場合などは保険会社が求める書類を提出するなどして協力をしましょう。
まともな保険会社であれば、きちんと話し合えば解決する場合がほとんどです。ただし、担当者が勘違いや思い込みをしている場合、担当者と関係が悪化して話し合いにならない場合などは、解決できない場合があります。
保険会社と話し合っても解決が難しい場合
保険会社と話し合っても解決が難しい場合には、金融庁が指定した紛争解決機関に相談(ADR:裁判外紛争解決手続)して解決を図るという方法があります。金融庁のウェブサイト(金融ADR制度)に指定されている紛争解決機関が掲載されています。
また、ADRを活用してもどうしても解決しない場合には弁護士に相談するなどして裁判を行うことも考えられます。
まとめ
- 保険の保険金は、保険契約の支払い条件に該当しない場合や保険金を支払わない条件に該当する場合には支払われないことがあります。そのため、保険契約の内容についてよく理解しておくことが大切です。
- 保険金が本来支払われるべきなのにもかかわらず支払われない場合には、保険契約をよく見直して間違いがないかを確認した上で、保険会社とよく話し合うことが大切です。