医療保険の放射線治療給付金とは
記事作成日:2015年6月25日
最終更新日:2015年7月1日
医療保険ではがん治療で行われる放射線照射に対する放射線治療給付金が基本的な保障内容として含まれていることがあります。放射線治療給付金は金額自体はそれほど多くならないため、貯金が十分にあれば必要性は高くないと考えられます。強くこだわる必要はないと考えられます。
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放射線治療とは
放射線治療とは、がん患者に対して、がん細胞に放射線を当てて放射線のエネルギーを利用してがん細胞を死滅させる治療法です。
放射線治療給付金とは
放射線治療給付金とは、公的医療保険の医科診療報酬点数表で放射線治療料が算定される放射線照射などの治療に対して支払われる保険金です。
放射線治療給付金の背景
少し前まで主流だった医療保険での手術給付金では88分類の手術(約600種類)が支払い対象となっていて放射線照射が含まれていました。しかし、最近主流となっている手術給付金は公的医療保険の医科診療報酬点数表で手術料が算定される手術を支払い対象としていて、放射線治療は医科診療報酬点数表で放射線治療料が算定されるためそのままでは手術給付金の支払い対象とはならないことになります。
そのため、放射線治療給付金が基本的な保障内容として含まれるようになっています。手術給付金の対象となる手術に放射線治療が含まれている場合は、手術給付金として支払われる場合もあります。
放射線治療給付金の給付金額
放射線治療給付金の金額は、大きく分けると2つのタイプがあります。基本となる入院給付金に対して10倍といったような倍率で定められているものと、金額が決まっているものがあります。
放射線治療給付金の対象となる治療
公的医療保険の医科診療報酬点数表で放射線治療料が算定される放射線治療が支払い対象となります。
照射方法は、外部から放射線を照射する体外照射、組織内に出来たがんに対して組織中に放射線源を刺し入れて照射する組織内照射、子宮がんなど管状の組織に出来たがんなどに対して放射線源を挿入して照射する腔内照射が支払い対象となります。
放射線治療給付金の対象とならない治療
放射線治療給付金の支払い対象とならない場合の例は次のようなものがあります。ただし、保険会社によっては支払われたり支払われなかったりするので、詳細は保険会社に確認してください。
定められた総放射線量に達しない場合
一部の放射線治療給付金では、支給対象となる治療の総放射線量の最低量が定められている場合があります。よくある基準が50グレイ以上という基準です。
1グレイ=1シーベルトと換算することができますのでかなり多い線量であるということが分かります。もちろん体全体に照射するのではなく対象となる部分に限られますが、放射線量はなるべく少ない方が体への負担が少なくなります。
医療技術の進歩により少ない照射線量で効果が上げられるようになってきています。放射線治療をした場合でも、照射した放射線量が少なく、最低の放射線量の規定があった場合、給付金が受け取れない場合があることに注意しましょう。
日数制限に引っかかる場合
一部の放射線治療給付金では、一定期間内に複数回の放射線治療を受けても1回分しか給付しないと定めている場合があります。例えば、60日以内に放射線治療を複数回行っても1回分だけしか給付金を支払わないというような場合です。
血液照射
輸血の際に輸血用血液に対して放射線照射を行う血液照射は放射線治療給付金の支払い対象外となります。
先進医療
先進医療は公的医療保険が適用されず、費用は自己負担となります。そのため、原則として放射線治療給付金の対象となっていません。ただし、先進医療保険(先進医療特約)で保険金の支払い対象となる場合があります。
放射線治療給付金に対する考え方
放射線治療給付金は多くの場合金額がそれほど多くなく、一定期間内に複数回治療を受けても1回しか支払い対象とならない場合もあります。そのため、もらえればもちろん助かるのでしょうが、貯金が十分にあれば必要性は高くないと考えられます。通常は基本保障に含まれていますが、放射線治療給付金は医療保険を選ぶ決定的な要因にはならないと考えられます。
まとめ
- 医療保険では、公的医療保険の医科診療報酬点数表で放射線治療料が算定される放射線治療に対する給付金が基本的な保障内容として含まれている場合があります。
- 放射線治療給付金は金額自体はそれほど多くならないため、貯金が十分にあれば必要性は高くはありません。