入院の長期化だけでなく収入の減少もリスク
記事作成日:2015年9月7日
最終更新日:2017年5月1日
保険を考える時に入院のリスクは誰もが考えるのですが、入院をしないで治療が長引いて仕事に影響が出る場合はあまりリスクとして意識されていないようです。入院の場合には医療保険などで入院保険金が支払われますが、自宅療養となった場合や自宅療養でなくても普通の働き方が難しくなった場合など、入院の長期化と同じように通院治療での収入減少も同じように備えるべきリスクです。
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入院の長期化は確かにリスクです
がん保険では入院給付金の給付日数は無制限とされているため、長期の入院治療が必要となった場合にはがん保険が収入源となるため生活のためのお金として使うことができます。
しかし、がん以外の病気で入院した場合、医療保険では通常入院保険金の給付日数には制限があります。入院が長期化するような場合は、医療保険の給付は日数制限に引っかかるためいつか限界を迎えます。
そのため、入院の長期化はリスクとなることは確かです。しかし、入院が長期化する場合には傷病手当金や障害年金など何らかの公的給付を受けられる場合もあります。
入院以外で収入が減少するのもリスクです
入院長期化のリスクは保険を考える時に誰もが意識するのですが、入院せずに通院治療となった場合に収入が減る可能性についてはあまり認識されていません。
現在ではがん治療は必ずしも入院で行うわけではなく通院で行う場合もあります。通院の場合、以前と変わらないように働ければよいのですが、治療のため働き方を見直さなければならないような場合もあります。
がんに限りませんが、入院ではなく通院で治療が必要で、今までと同じような働き方が難しくなり収入が減ってしまう場合もかなりリスクが高い状態です。
このような場合、傷病手当金や障害年金が受給できればよいのですが、満足な支給が受けられない場合、がん保険や医療保険はほとんど無力なのです。入院をしないため入院給付金がうけられず、通院給付金や手術給付金、抗がん剤給付金などが受けられますが、生活費としていくには無理があります。
入院長期化を心配するならば、入院長期化以外で収入が減少する場合のリスクについても心配をしておかなければいけません。
収入の減少を補うのは所得補償保険
医療保険やがん保険に入っていれば、病気やがんになっても安心といいますが、入院が長期化した場合や、通院が中心の治療で働き方を変えざるを得ず収入が減る場合にはあまり役には立ちません。
病気やけがになった時に収入が落ちた時や無くなった時に必要なのは所得の減少分を補ってくれる所得補償保険です。就業不能保険と呼んでいる場合もあります。
ただし、働けないという部分の見極めが難しいのか、日本では医療保険やがん保険よりは一般的ではなく、収入が減少した場合を取り扱っている保険は少なく、全く働けない場合のみが支給対象とされているものが多いです。
団体保険では条件が良い所得補償保険の取り扱いもありますが、一般的に販売されている保険商品は選択肢が少ないのが現状です。今後の商品開発に期待したいところです。
まとめ
- 保険を考える時は入院の長期化だけではなく入院治療以外で収入が減少するリスクも意識しましょう。
- 状況によっては医療保険やがん保険はあまり給付面で期待できない場合があり、収入の減少をカバーするのは所得補償保険になります。