無事故ボーナスがある医療保険について
記事作成日:2015年7月4日
医療保険には、一定の期間保険事故がなかった場合に無事故給付金がある保険、一定時点で生存していれば保険事故の有無に関係なく生存給付金がある保険、一定時点で受け取った給付金を差し引いた一定の金額が戻る還付給付金がある保険、一定期間保険事故がない場合に保険料が割引となる保険などがあります。
- 無事故で支払われるタイプ(無事故給付金)
- 生存で支払われるタイプ(生存給付金)
- 利用分を差し引いて支払われるタイプ(還付給付金)
- 無事故で保険料が割り引かれるタイプ(無事故割引)
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無事故で支払われるタイプ(無事故給付金)
一定期間の間に定められた保険事故(入院など)が無かった場合にお金が支払われるタイプです。定められた保険事故があった場合にはお金が支払われません。無事故給付金、無事故ボーナス、健康ボーナス、健康祝金などと呼ばれます。
生存で支払われるタイプ(生存給付金)
一定期間の保険事故の有無に関係なく、一定の時点で生存している場合にお金が支払われるタイプです。保険事故があっても支払われるため、要は生命保険の生存保険ということになります。生存給付金などと呼ばれます。
受け取った給付金を引いて支払われるタイプ(還付給付金)
一定時点で生存していた場合、一定の金額(支払った保険料など)から受け取った給付金を差し引いたお金が支払われるタイプです。生存還付給付金、健康還付給付金などと呼ばれます。
無事故で保険料が割り引かれるタイプ(無事故割引)
一定期間の間に定められた保険事故(入院など)が無かった場合に次の一定期間の保険料が割引となるタイプです。無事故割引と呼ばれます。支払う保険料が減っていくので、支払う分の保険料が支払わずにすむことになり、その分お金が浮くことになります。
無事故ボーナスなどがある医療保険の特徴
給付金などがある分保険料が高くなる
保険会社はボランティアで保険を運営しているわけではありません。無事故で支払われたり、生存で支払われたりする給付金がある分、ない保険よりも割高になります。無事故で支払われたり、生存で支払われたりする給付金も生存保険のようなもので保険ではありますが、長期に資金が拘束されることから貯蓄を保険ですることはお勧めしていません。
保険事故の有無の損得が通常と違う
無事故給付金や生存給付金、無事故割引
無事故給付金や生存給付金、無事故割引は、保険事故があったか、なかったかで得か損をすることになります。通常の保険では保険事故があると保険が支払われる分、もらえる金額が多くなります。無事故などで給付金が支払われる場合は保険事故がないともらえる金額が多くなり、生存保険のような形になります。
無事故割引は自動車保険の等級制度と同じようなイメージでとらえると分かりやすいかもしれません。健康かどうかは生活習慣が影響する場合があるので、自分に責任がある場合もあるかもしれませんが、自分ではコントロール出来ない部分もあります。そのため、健康でないと損をする可能性がある仕組みの保険はよく理解した上で加入する必要があります。
還付給付金
生存還付給付金、健康還付給付金などがある保険は、保険事故がなければ還付給付金が定められた全額支払われ、保険事故があれば保険事故による給付金が差し引かれて還付給付金が支払われます。保険金の支払時期に違いがありますが、保険事故で支払われた金額と還付給付金として支払われた金額の合計は、保険事故の有無に関わらず、同じような金額になります。
ある期間の間ずっと貯金をしていることと同じようなことになります。ただし、純粋な貯金とは違って貯金が貯まっていない時点、初期の期間でも保障がされるということです。
保険の見直しや途中解約がしづらくなる
無事故給付金などがある場合にはその分保険料が高くなりますが、給付金がもらえる時点より前に解約してしまうと当然ボーナス、給付金はもらえません。そのため、保険の見直しや途中解約を躊躇してしまうことがあります。
貯蓄性がある
無事故給付金や生存給付金、還付給付金のタイプは、掛け捨てではないとことを裏返すと、条件つきではありますが貯蓄性があるということになります。
貯蓄部分の増え方が健康かどうかに左右される
無事故給付金や生存給付金は貯蓄性がある保険になりますが、貯蓄部分が健康かどうか、生存しているかどうかということに影響を受けてしまいます。そもそも死んでしまっては貯蓄がどうという問題ではないので、生存給付金は別だとしても、無事故給付金の貯蓄部分は健康かどうかということで貯まる貯まらないが決まります。株式や債券など通常の金融商品と異なる特性を持っています。
健康に左右される貯蓄は不確実
健康に自信があるならそれもありかも、という気持ちになるかもしれませんが、健康は突然損なわれるもので、予測は極めて難しいです。健康かどうかによって、貯蓄が増えるかどうか左右される仕組みはお勧めできません。不確実性が大きいため、貯蓄として当てにしづらいためです。
無事故給付金などは無いものと思っていて健康だったらもらえてラッキー位に考えればいいように思えるかもしれませんが、その分保険料は割高になっています。シンプルな保険に入って、浮いた保険料を貯蓄する方が、お金が自由に使えること、健康に左右される貯まることから、家計のやりくりにとって良いと考えられます。
まとめ
- 医療保険には、保険事故がない場合に受け取れる無事故給付金、生存した場合に受け取れる生存給付金、保険料の一定額が戻る還付給付金、保険事故がないと保険料が割り引かれる無事故割引があります。
- 無事故給付金や生存給付金は貯蓄性がありますが、健康に左右されるため当てにしづらくなっています。貯蓄としての活用は避けたほうが無難でしょう。