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金融リテラシーとは・意味や定義と内容

記事作成日:2019年7月17日

金融リテラシーとは、金融に関する健全な意思決定を行い、最終的に個人の金融面での幸福を達成するために必要な、意識、知識、技術、態度、行動の組み合わせのことを意味します。つまり、意思決定を正しく行い、お金の面で幸せになるためのお金の知識や技術、お金に対する意識ということになります。

金融リテラシーの内容としては、契約や取引の知識、税金の知識、社会保障の知識、家計管理の知識や技術、人生・生活設計の知識、稼ぐことに関する知識、投資や資産形成の知識、ローンやクレジットカードの知識、人生のリスクと保険の知識、経済や金融の知識などが含まれます。

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リテラシーとは・リテラシーの意味

リテラシーとは英語の「literacy」から来ていますが、「literacy」は読んだり書いたりすることができる能力という意味があります。また、読んだり書いたりするということは基本的な能力であることから転じて、別の言葉にリテラシーという言葉を組み合わせて、組み合わせた言葉を使いこなすための基本的な知識や能力という意味を示します。例えば、情報リテラシーという言葉がありますが、情報を使いこなす知識や能力という意味になります。

金融リテラシーの意味・定義

金融リテラシーは、OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)の金融教育に関する国際ネットワーク(International Network on Financial Education:INFE)で採択された「金融教育のための国家戦略に関するハイレベル原則」(High-level Principles on National Strategies for Financial Education(2012))で以下のような定義が示されています。

a combination of awareness, knowledge, skill, attitude and behaviour necessary to make sound financial decisions and ultimately achieve individual financial well-being

(出典)OECD金融教育に関する国際ネットワーク「金融教育のための国家戦略に関するハイレベル原則」(OECD/INFE High-level Principles on National Strategies for Financial Education(2012))

この日本語訳は「金融に関する健全な意思決定を行い、最終的に個人の金融面での幸福を達成するために必要な、意識、知識、技能、態度、行動の組み合わせ」(日本語訳はfromportal.comによる)となります。

つまり、金融リテラシーは、金融に関する意思決定を正しく行い、個人のお金の面で幸せになるために必要な、金融に関する知識や技能、意識のことを意味します。人生の役に立つお金の知識や技能、お金に対する意識を持つことが金融リテラシーにつながるということです。

当サイトが考える金融リテラシーの内容

当サイト(よい家計)は金融リテラシーの内容として、次のものが含まれると考えています。金融庁などが示す金融リテラシーでは所管する金融商品に関する部分の記載が充実していますが、金融商品以外の内容も非常に重要なものです。

  • お金に関する意識や態度
  • 日常生活に関する法的な知識
  • 税金に関する知識
  • 社会保障の知識
  • 家計管理の知識や技術
  • 人生・生活設計の知識
  • 働くことや稼ぐことに関する知識
  • 投資や資産形成の知識
  • ローンやクレジットカードの知識
  • 人生のリスクと保険の知識
  • 経済や金融の知識

お金に関する意識や態度

お金に関する基本的な意識や態度です。お金持ちになる人とそうでない人の違い、人生で使えるお金はどれくらいか、どういうことに気を付けてお金に接すればよいかということです。

日常生活に関する法的な知識

契約や取引のルール、相続などお金や日常生活に関する最低限の法的な知識です。契約はどのような時に成立し、どのような権利と義務が生じるのか、契約を結ぶ時には何に気を付けるのか、相続が発生するとどうなるのかなどの知識です。

税金に関する知識

所得税、住民税、贈与税、相続税、消費税、不動産に関する税(固定資産税や不動産取得税など)、自動車に関する税(自動車税など)などの納税義務や節税方法についての知識です。

社会保障の知識

健康保険や年金のような社会保険、雇用保険や労災保険などの労働保険、児童手当などの社会手当、障害者や児童などに対する社会福祉制度、生活保護制度などについての知識です。

家計管理の知識や技術

日常的な家計管理の知識や技術です。家計の把握、家計簿の付け方、口座管理の方法、財布の使い方、日々のやりくり、節約の知識や技術です。家計の支出面の知識ということになります。

人生・生活設計の知識

人生・生活設計(ライフプラン)についてです。人生の全期間の収入と支出を把握して、お金が不足することがないように管理するための知識です。

働くことや稼ぐことに関する知識

働くことのルールや転職に関する知識、労働所得と不労所得の違い、稼ぎ方など、家計の収入面に関する知識です。

投資や資産形成の知識

株式、債券、為替、不動産、銀行預金、投資信託などの金融商品の知識、資産運用など家計の資産面に関する知識です。金融リテラシーというと金融商品や資産形成の知識が強調されることが多いです。

ローンやクレジットカードの知識

住宅ローン、奨学金、教育ローン、カードローン、キャッシング、クレジットカードなど借金や返済など家計の負債面に関する知識です。

人生のリスクと保険の知識

主に経済・金銭に影響がある人生のリスクとリスクへの対処方法、保険に関する知識です。人生のリスクマネジメントをどうするかということです。

経済や金融の知識

経済や金融の基本的な仕組みに関する知識です。景気が良くなったり悪くなったりする仕組み、世の中のお金の流れ、経済成長とは何か、といったようなことです。

(参考)日本の金融庁が示す金融リテラシーの内容

金融庁は金融経済教育に関する情報リーフレット「最低限身に付けるべき金融リテラシー(4分野・15項目)」で金融リテラシーの内容として次の4分野・15項目を挙げています。特に金融商品に関する部分が充実した内容となっています。

  • 【1.家計管理】
  • 適切な収支管理(赤字解消・黒字確保)の習慣化

  • 【2.生活設計】
  • ライフプランの明確化及びライフプランを踏まえた資金の確保の必要性の理解

  • 【3.金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択】
  • 契約にかかる基本的な姿勢の習慣化
  • 情報の入手先や契約の相手方である業者が信頼できる者であるかどうかの確認の習慣化
  • インターネット取引は利便性が高い一方、対面取引の場合とは異なる注意点があることの理解
  • 金融経済教育において基礎となる重要な事項(金利(単利、複利)、インフレ、デフレ、為替、リスク・リターン等)・や金融経済情勢に応じた金融商品の利用選択についての理解
  • 取引の実質的なコスト(価格)について把握することの重要性の理解
  • 自分にとって保険でカバーすべき事象(死亡・疾病・火災等)が何かの理解
  • 住宅ローンを組む際の留意点の理解
  • 無計画・無謀なカードローン等やクレジットカードの利用を行わないことの習慣化
  • 人によってリスク許容度は異なるが、仮により高いリターンを得ようとする場合には、より高いリスクを伴うことの理解
  • 資産形成における分散(運用資産の分散・投資時期の分散)の効果の理解
  • 資産形成における長期運用の効果の理解

  • 【4.外部の知見の適切な活用】
  • 金融商品を利用するにあたり、外部の知見を適切に活用する必要性の理解

(出典)金融庁のリーフレット「最低限身に付けるべき金融リテラシー(4分野・15項目)」

(参考)金融広報中央委員会が示す金融リテラシーの内容

金融広報中央委員会は金融リテラシー・マップで金融リテラシーについて、家計管理、生活設計、金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択、外部の知見の適切な活用の4つの分野の以下の8分類について、年齢層別に身に付けるべき金融リテラシーを体系的かつ具体的に示しています。

  • 家計管理
  • 生活設計
  • 金融取引の基本としての素養
  • 金融分野共通
  • 保険商品
  • ローン・クレジット
  • 資産形成商品
  • 外部の知見の適切な活用

(出典)金融広報中央委員会の金融リテラシー・マップ

まとめ

  • 金融リテラシーとは、お金を使いこなすための基本的な知識や技術を意味します。お金に関する決定を正しく行い、お金の面で幸福になるために必要なお金の知識や技術、お金に対する意識が金融リテラシーです。
  • 金融リテラシーの内容としては、契約や取引、税金、社会保障、家計管理、人生・生活設計、稼ぐこと、投資や資産形成、ローン、クレジットカード、人生のリスク管理、保険、経済・金融などの知識が含まれます。

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【金融リテラシーとは・意味や定義と内容の記事は終わりです】

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