ノウハウとは・ノウハウを購入する時の注意点
記事作成日:2019年3月11日
ノウハウとは、英語のknow-howから来ていて、どうやってやるか方法(how)を知っている(know)ということを意味し、日本語では物事のやり方や手順に関する実践的・実用的な知識や技術、情報という意味になります。専門的・技術的な知識に限りませんが、専門的・技術的な文脈で良く用いられます。知的財産権という意味でもちられる場合もあります。
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ノウハウを購入する時の注意点
実用的な知識を得るために、対価を支払ってノウハウを購入する場合があります。近年ではお金を稼ぐためのノウハウ、仕事で成功するためのノウハウなど様々なノウハウが有料で販売されています。ノウハウの販売形態には、口頭で情報や知識を教えてもらう、印刷された資料を受け取る、電子的な媒体にまとめられた資料を受け取る、直接教えてもらうなどの形態があります。
しかし、ノウハウは妥当な価格がいくらなのかを見極めるのが極めて難しく、買う人にとってお金を支払う価値がある情報なのか判断が難しいことが特徴です。
そして、ノウハウを購入する時には再現性があるのかどうかに最大の注意を払わなければいけません。ノウハウに再現性がない場合、自分にとって全く役に立たないからです。
ノウハウに再現性があるか注意する
人から教わるノウハウは再現性に注意する必要があります。能力、資金、設備機器、人脈、場所、時期、情報量、年齢などによっては再現性が失われてしまう場合があるためです。
特殊な能力があったからこそ実践できたノウハウは、その能力を持っていない人にとって意味がないものになります。資金が豊富にあったからこそ役に立ったノウハウは資金がない人にとって意味がありません。特定の設備や機器がないと実行できないノウハウは設備や機器を持たなければ行うことができません。
特別な協力者がいたからこそ上手くいったノウハウは、人脈がない人にとっては再現性がありません。決まった場所でないと実践できないノウハウはその場所にいない人には価値がないものになります。特定の時期でないと効果がないノウハウ、例えば一般に普及する前に実践したからこそ役に立つような先行者利益の基となるようなノウハウは特定の時期を過ぎれば陳腐化します。
情報が豊富に得られる人でないと活かすことができないノウハウは情報量の差によって役に立たないことがあります。若くないと意味がないノウハウは年齢が高い人にとっては意味がなくなります。
ノウハウは再現性がなければ、価値が著しく低下します。場合によっては無価値になります。そのため、ノウハウを購入する場合はノウハウの再現性を検討する必要があります。ノウハウの内容を事前に知ることはできないため、ノウハウを売っている人の特徴、周りの環境などをよく観察し、特殊な状況下でしか成立しえないノウハウでないかを考えることが大切です。
ノウハウは事前に詳細な内容が分からない
ノウハウは内容が分かった時点で自分のものになります。そしてノウハウは概要だけでも詳細な内容が推測できてしまう場合があります。そのため、ノウハウを売る人はノウハウの内容を売るまではできるだけ隠そうとするため、買う人にとってはそのノウハウが本当に価値があるものかどうか把握するのが難しいという特徴があります。
役に立つと思ってノウハウを買ったけれど、自分には全然役に立たない内容であった、自分が既に知っている内容であった、思っていたことと全く違う内容だったという可能性があるのです。そのため、高額なノウハウを購入すると大損をしてしまう可能性があります。
ノウハウは基本的に返品できない
ノウハウは購入することによって内容を知るとその時点で「返す」ことができなくなります。知ってしまったら「返す」ことができなくなるためです。そのため、ノウハウを購入する場合には、返品はできませんという条件で契約が結ばれることになります。
もちろん、例外的に返金を認める場合もあるかもしれませんが、ノウハウは購入して内容を知ったら返品して返金してもらうことは基本的にできないのです。
そのため、ノウハウを購入する場合、特に高額のノウハウを購入しようとする場合には慎重にならなければいけないのです。
ノウハウは人によって価値が違うことがある
ノウハウに限らないことではありますが、ノウハウは受け取る人によって価値の受け止め方が大きく異なる場合があります。何かにどうしても上手くいかない状況に直面していて、喉から手が出るほど解決策を知りたいと思っている人にとって、解決につながるノウハウは高い価値を見出すことができる場合があります。
また、ノウハウを実践する環境が整っていて事業などにすぐ結び付けられる人にとっては価値が高いと映るかもしれませんが、ノウハウを実践する環境に居ない人にとっては価値がそれほどないと映るかもしれません。
例えば、ノウハウを買った人がとても良いノウハウで高いお金を支払う価値があると言っていたとしても、それはその人にとって価値があっただけで、自分にも同じように高い価値があるとは限りません。そのため、他の人の評価や口コミが全く参考にならない場合があるのです。
ノウハウの妥当な価格は分かりづらい
何かを購入する場合には、そのモノやサービスを生み出すために必要となった原価や、実際の市場での取引価格、購入したことによって得られる利益などから、妥当な価格を推測することになります。
モノの場合は材料費や製作に必要な人件費などからこのくらいなら妥当だろうと判断します。市場で取引が活発に行われているものは他でいくらで売っていたからこのくらいなら割安でも割高でもないなと判断します。購入することによって自分が何らかの利益が得られる場合、例えば毎月2,500円の支出削減につながるなら3年効果があるとすると9万円以内なら買ってもいいなといったように判断します。
しかし、ノウハウは原価が分かりづらい、ノウハウは内容や人によって価値が変わるため他の取引事例が参考になりづらい、ノウハウは事前に詳細な内容が分からないため効果が分からない、といったことから、いくらなら妥当な価格なのか分かりづらいのです。
ノウハウコレクターにならないように注意する
ノウハウを購入していると、ノウハウを購入して集めること自体が目的となってしまうノウハウコレクターになってしまう場合があります。ノウハウは実践して始めて価値があるものであって、知るだけ、ノウハウを集めるだけでは意味がありません。
ノウハウは買って満足するものではなく、ノウハウを実践して効果が出て初めて満足できるものなのです。ノウハウを購入している場合は、ちゃんとノウハウを実践しているか振り返ってみることが有益です。
これは実用的な本を購入する場合と同じで、本を購入するだけで満足してしまうのではなく、本の内容を実践することが大切なのです。
まとめ
- ノウハウとはどうやってやるかという方法や手順についての知識や技術という意味です。
- お金を支払ってノウハウを購入する時は、ノウハウに再現性があるのかどうか十分注意することが大切です。