応用科学とは
記事作成日:2019年4月8日
応用科学とは、基礎科学(自然科学・人文科学・社会科学)などで得られた理論や知識を実際の経済活動や日々の生活などで利用できるように、実践的・実用的な領域に関する部分を体系的に知識・理論化し、科学的に取り扱った学問領域のことを意味します。例えば、工学、農学、医学などは応用科学の分野となります。
応用科学は得られた理論や知識が役立つように実際に使えることを目指す物なので、実学と呼ばれることがあります。なお、実学は応用科学のみを指す場合と、実用的な学問領域を広く指す場合があります。
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応用科学の例
応用科学は、基礎科学など他の学問領域を基礎としつつ、実践的、応用的な部分を領域として扱います。単一の基礎科学を基礎とする場合もあれば、複数の基礎科学を基礎とする場合もあります。また、基礎科学に加えて他の応用科学なども基礎としている場合があります。
応用科学には、次のようなものがあります。
分野に応用を付けることによって応用科学であることを示したもの(応用+分野)
基礎となる学問領域に応用を付けるような場合、例えば、応用物理学、応用化学、応用生物学、応用地質学、応用心理学、応用経済学、応用言語学、応用社会学などがあります。
基礎的な領域、理論的な領域ではなく、応用的、実践的な領域を取り扱う場合に、「応用」という言葉を付けて区別しているのです。どちらかというと大きな学問領域を示すというよりは、大きな学問領域の中で、特に応用分野を扱うということを強調する場合に用いられている事例が目立ちます。
分野そのものが応用を扱うもの
学問分野そのものが別の基礎科学の分野の応用である場合があります。複数の基礎科学領域を背景としている事例が見られます。
例えば、工学は物理学、化学、生物学などの基礎分野を背景に応用部分を扱った学問領域です。農学は、生物学や化学などを背景として農業に関する実践的・応用的な分野を取り扱った学問です。その他にも医学、歯学、薬学は生物学や化学を基礎とする応用化学です。
この場合は「応用」とはついていませんが、領域そのものが別の基礎科学の応用となっています。
- 工学:物理学、化学、生物学などを基礎とする
- 農学:生物学、化学などを基礎とする
- 医学:生物学、化学などを基礎とする
- 歯学:生物学、化学などを基礎とする
- 薬学:生物学、化学などを基礎とする
基礎科学と応用科学の違い
基礎科学と応用科学の違いは、基礎科学がこの世の中の様々な事象を解き明かし、理論化・体系化すること、真理を探求しようとすることに重きを置いているのに対して、応用科学は基礎科学で得られた理論や知識の実践・実用の理論化・体系化すること、世の中で実際に役立てることに重きが置かれているという違いがあります。ただし、実際には基礎と応用の区分は厳密ではない場合があり、入り混じっていることがあります。
応用科学と総合科学の違い
応用科学と総合科学の違いは、応用科学が実践・実用的な領域を取り扱った科学であるということに対して、総合科学は複数の異なる科学領域にまたがる事項を取り扱った物であることという違いがあります。応用科学は実用・応用部分、総合科学は複数の領域にまたがる部分という違いです。
総合科学は必ずしも応用であるとは限りません・基礎科学の分野を含む場合があります。
まとめ
- 応用科学とは、基礎科学(自然科学・人文科学・社会科学)などで得られた理論や知識を実際に利用できるように、実践的・実用的な領域に関する部分を体系的に知識・理論化した学問領域のことを意味します。
- 応用科学の分野の例としては、工学、農学、医学、薬学などがあります。