年齢別・男女別の人生の悩みやストレスの有無と原因や理由
記事作成日:2018年1月13日
年齢別、男女別の人生の悩みやストレスの有無と原因・理由についてです。人生の悩みやストレスの原因・理由には様々なものがありますが、年齢ごとに直面する悩みやストレスの原因・理由は異なっています。
10代は進学・受験、20代から30代にかけては仕事や結婚や出産・妊娠、育児、家計などが悩み・ストレスの原因・理由となります。40代では子どもの教育や家計、仕事などが、50代では家族の病気や介護や家計がストレスの原因・理由となります。60代以降は自分の病気や介護が悩みやストレスの原因・理由となります。全年齢を通じて家族や友人などとの人間関係や生きがいなどが悩みやストレスの原因となります。
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年齢別・男女別の人生の悩みやストレスの有無や原因・理由
厚生労働省国民生活基礎調査(平成28年)から、年齢別・男女別の人生での悩みやストレスの有無や原因・理由をみると次のようになります。
人生の悩みやストレスの有無や原因・理由(男女計)
年齢別の人生の悩みやストレスの有無をみると、10代は比較的悩みやストレスが少なく、社会人となる20代に悩みやストレスを抱える人の割合が増えます。50代前半まで悩みやストレスを抱える人の割合は高水準で推移し、50代後半から70代前半にかけては悩みやストレスを抱える人の割合が低下します。仕事に関する悩みやストレスが減ることが要因と考えられます。
70代後半以降は健康状態の悪化を背景に、悩みやストレスを抱える人が再び増えます。
年齢別の人生の悩みやストレスの原因・理由をみると、10代は学業・進学・受験や友人関係が、20代では仕事、結婚、恋愛、家計などが、30代では妊娠・出産、育児、結婚、家計、仕事などが人生のイベント・悩みとなります。
40代では仕事、子どもの教育、家計などが、50代では仕事、家族の病気・介護、家計などが人生のイベント・悩みとなります。60代以降は自分の病気・介護が人生の大きなイベント・悩みとなります。全年代を通じて家族関係や生きがいなどが人生の悩みとなります。
(注)悩みやストレスの有無が不詳の回答を除いて作成しました。悩みやストレスの原因は複数回答のため、分からない・不詳を除いて回答数で比例配分して内訳を表示しています。ただし、最も気になる悩み・ストレスと回答があった項目は2倍の重みづけをしています。そのため、悩みやストレスの原因の内訳は分からない・不詳を除いて回答に基づく絶対的な割合ではなく相対的な割合となります。
(出典)厚生労働省国民生活基礎調査(平成28年)を加工してfromportal.comの担当者が作成
人生の悩みやストレスの有無や原因・理由(男性のみ)
男性の年齢別の人生の悩みやストレスの有無をみると、全体的に女性よりも低くなっています。20代から50代前半と70代後半にストレスを抱える人が増える傾向は男女共通しています。
男性の年齢別の人生の悩みやストレスの原因・理由をみると、特に働いている期間は仕事の割合が高くなっています。男性の悩みやストレスの主な原因は仕事といえます。
(注)悩みやストレスの有無が不詳の回答を除いて作成しました。悩みやストレスの原因は複数回答のため、分からない・不詳を除いて回答数で比例配分して内訳を表示しています。ただし、最も気になる悩み・ストレスと回答があった項目は2倍の重みづけをしています。そのため、悩みやストレスの原因の内訳は分からない・不詳を除いて回答に基づく絶対的な割合ではなく相対的な割合となります。
(出典)厚生労働省国民生活基礎調査(平成28年)を加工してfromportal.comの担当者が作成
人生の悩みやストレスの有無や原因・理由(女性のみ)
女性の年齢別の人生の悩みやストレスの有無をみると、全体的に男性よりも低くなっています。女性の方が男性よりも悩みやストレスを抱える傾向があります。なお、20代から50代前半と70代後半にストレスを抱える人が増える傾向は男女共通しています。
女性の年齢別の人生の悩みやストレスの原因・理由をみると、男性よりも相対的に仕事の割合が低く、妊娠・出産、育児、子どもの教育、家事などの割合が高くなっていて、家や子どもに関する悩み・ストレスの割合が高くなっています。
(注)悩みやストレスの有無が不詳の回答を除いて作成しました。悩みやストレスの原因は複数回答のため、分からない・不詳を除いて回答数で比例配分して内訳を表示しています。ただし、最も気になる悩み・ストレスと回答があった項目は2倍の重みづけをしています。そのため、悩みやストレスの原因の内訳は分からない・不詳を除いて回答に基づく絶対的な割合ではなく相対的な割合となります。
(出典)厚生労働省国民生活基礎調査(平成28年)を加工してfromportal.comの担当者が作成
年齢別・男女別の人生の悩み・ストレスの原因別割合
厚生労働省国民生活基礎調査(平成28年)から、年齢別・男女別の人生での悩みやストレスの原因別の割合をまとめると次のようになります。なお、下記の折れ線グラフの注意事項や出典については、最後の折れ線グラフの下部にも記載してありますので、ご確認ください。
家族との人間関係(家族関係)が悩み・ストレスの人の割合
家族との人間関係(家族関係)が悩み・ストレスの人の割合は男性は全年齢で一貫して5%前後、女性は40代から50代にかけて10%を上回ります。
家族関係は人生の悩み・ストレスの要因の1つと考えられますが、特に40代から50代の女性の悩みとなっています。自分の親や兄弟、配偶者の親などとの関係が問題になるとみられます。
家族以外の人間関係(友人・知人・同僚等)が悩み・ストレスの人の割合
家族以外の人間関係、例えば友人・知人・職場の同僚・ご近所、が悩み・ストレスの人の割合は、男性は20代から50代にかけてやや高く、女性は若いほど高い傾向があります。全般的に女性の割合が多くなっています。
友人、知人、職場の同僚、ご近所などとの人間関係は人生の悩み・ストレスの大きなテーマの1つと考えられ、女性は悩みやストレスを抱えることが多いという結果になっています。ただし、年を取ることによって悩み・ストレスとなることは減っていくようです。
恋愛等が悩み・ストレスの人の割合
恋愛等が悩み・ストレスの人の割合は、10代から30代にかけて高い傾向があり、年齢を重ねるごとに低下していきます。男女別では10代から20代にかけては女性の割合が多く、40代以降はやや男性の割合が高くなります。
恋愛等は人生の大きな悩み・ストレスのテーマの1つと考えられますが、他の要因と比べて相対的に割合が低下しています。調査票への記入に抵抗があり回答を避けている可能性も考えられます。
結婚が悩み・ストレスの人の割合
結婚が悩み・ストレスの人の割合は、女性で20代から30代にかけて高く、男性は20代後半から40代にかけて高い傾向があり、年齢を重ねるごとに低下していきます。
妊娠・出産や働き方との関係もあって女性の方が若い時点で悩み・ストレスのピークが来ていて、男性は40代まで悩み・ストレスの原因となっています。
離婚が悩み・ストレスの人の割合
離婚が悩み・ストレスの人の割合は、全体的に低くなっていますが、男女ともに20代から50代にかけて悩む人がいます。
離婚を考えるのは結婚をしている人であって、結婚をしている人でも離婚するとは限らないことなどもあって、悩み・ストレスという回答の割合が少なくなっているとみられます。
いじめやセクシャルハラスメントが悩み・ストレスの人の割合
いじめやセクシャルハラスメントが悩み・ストレスの人の割合は、全体的に低くなっています。男女別にみると女性の方が多く、年齢別では10代前半と40代から50代の割合が高くなっています。
いじめやセクシャルハラスメントを経験する人は比較的多いと考えられ、人生の悩み・ストレスの大きな要因になっている可能性があると考えられますが、悩みやストレスであるとの回答割合は低くなっています。調査では回答のしづらさから顕在化していない可能性があります。
生きがいが悩み・ストレスの人の割合
生きがいが悩み・ストレスの人の割合は、男女とも20代以降は5%前後で推移しています。生きがい、生きる意味は人生の大きなテーマで、年齢を重ねても悩み・ストレスとなり続ける問題であると考えられます。
自由な時間がないことが悩み・ストレスの人の割合
自由な時間がないことが悩み・ストレスの人の割合は、全体的に女性の割合が高くなっています。女性では30代から40代前半にかけて割合が特に高くなってます。男女とも年齢を重ねるごとに悩み・ストレスと感じる人の割合は減っていきます。
30代から40代にかけての時期は、妊娠・出産を経て、子どもが産まれ、育児や仕事、家事などに追われることから、女性への負担が重くなる時期であると考えられます。
収入・家計・借金等が悩み・ストレスの人の割合
収入・家計・借金等が悩み・ストレスの人の割合は、女性がやや高く、20代から60代までの幅広い年齢層で比較的高くなっています。
家計は当サイトが取り扱っているメインテーマでありますが、お金、家計、収入、借金は人生の大きなテーマです。お金や家計での悩み・ストレスを減らすことができれば、人生をより楽しく過ごせるようになります。
自分の病気や介護が悩み・ストレスの人の割合
自分の病気や介護が悩み・ストレスの人の割合は、男女とも50代を超えた頃から割合が高まり、年齢を重ねるごとに高くなっていきます。
人生の後半では自分の病気や介護が悩みやストレスの重要な要因になると考えられます。健康管理や医療・介護で悩まないための貯蓄形成が重要になると考えられます。
家族の病気や介護が悩み・ストレスの人の割合
家族の病気や介護が悩み・ストレスの人の割合は、男女とも50代に高まる時期があります。そして男性は年齢を重ねると再び高まる一方、女性は低下していきます。
50代での家族の病気や介護は親の病気や介護であると考えられます。男女とも親の病気や介護の問題に50代前後で直面することになります。一方、男性で割合が高まっている80歳以降については配偶者(妻)の病気や介護であると考えられます。老後生活でも家事は女性が担当していることがあるため、男性は妻の病気や介護に直面すると、生活が難しくなることがあるためだと考えられます。
妊娠・出産が悩み・ストレスの人の割合
妊娠・出産が悩み・ストレスの人の割合は、男女とも20代後半から30代後半にかけて高まりますが、特に女性で高くなっていて、女性が悩む一方、男性は余り悩まないという状況になっています。
妊娠・出産を経て、夫婦関係が悪化することがありますが、男性が女性の妊娠・出産に関する悩みやストレスを受け止め切れていない、寄り添いきれていない状況があると考えられます。
育児が悩み・ストレスの人の割合
育児が悩み・ストレスの人の割合は、男女とも20代後半から40代前半にかけて高くなっています、特に女性で高くなっています。女性は育児が悩み・ストレスになる一方、男性はそれほどでもないという状況になっています。
男性が特に育児に悩まないということではなく、育児への関わりが薄いことが背景になると考えられます。育児で男女の負担感に不公平感が出てしまうと、家族関係に影を落とす可能性があります。また、女性は育児と仕事、育児と家事の負担感でも悩みが大きいと考えられます。
家事が悩み・ストレスの人の割合
家事が悩み・ストレスの人の割合は、女性が全般的に高く、特に30代で高くなっています。男性は女性よりも低くなっていますが、年齢が上がると割合が高まります。
女性は、30代で育児の負担が高まるため、家事に時間や労力を割けなくなることが背景にあると考えられます。一方で、男性は家事や育児をあまり担当しないため、悩みやストレスになる機会が少ないと考えられます。ただし、年齢が上がると体が不自由になることや、配偶者(妻)が家事をできない状態になって負担に感じることがあるとみられます。
自分の学業・受験・進学が悩み・ストレスの人の割合
自分の学業・受験・進学が悩み・ストレスの人の割合は、10代から20代前半で高くなっています。男女別ではやや女性の方が高くなっています。
若い間は、学業・受験・進学が重要な人生のテーマになります。その後の仕事や家族形成などに大きな影響を与える事にもなります。
子どもの教育が悩み・ストレスの人の割合
子どもの教育が悩み・ストレスの人の割合は、30代から50代前半で高くなっています。男女別では女性の方が高くなっています。
子どもの教育については、育児と同様に女性が多く悩む一方で、男性はそれほど悩まないという状況です。男性の子どもの教育への関わり方が薄いことが背景にあり、子どもの教育に熱心なのは女性であると考えられます。
自分の仕事が悩み・ストレスの人の割合
自分の仕事が悩み・ストレスの人の割合は、男女とも20代から50代まで高くなっています。男女別では男性の割合が高いものの、20代前半では女性の方が高くなっています。
仕事は人生の中で大きな時間を占めることになるほか、重要な収入源となることから、生きる上で必然的に重要なテーマとなってきます。人生の多くの時間を割くからこそ、悩みやストレスになるのです。
家族の仕事が悩み・ストレスの人の割合
家族の仕事が悩み・ストレスの人の割合は、男女別では女性の方が高くなっていて、男女とも50代前後に高くなっています。
50代は配偶者の定年時期が近づき、収入が落ちやすい時期であること、働き方が変わることなどが影響を与えているとみられます。また、人によっては子どもの就職状況で悩む場合があります。子どもが就職に失敗してしまったり、不安定な仕事に就いたりすると、両親が養うことになる場合があり、悩みの種となることがあります。
住まいや生活環境が悩み・ストレスの人の割合
住まいや生活環境(公害・安全・交通事情などを含む)が悩み・ストレスの人の割合は、男女別では女性の方がやや高く、女性は30代から50代が高く、20代後半以降はあまり変わらない割合となっています。女性は年齢を重ねると悩みやストレスと感じる人の割合が低下しますが、男性はあまり低下しません。
住まいや生活環境は、日常生活の大半を過ごす場所・時間に関することであるため、悩みやストレスを抱えると人生の質、生活の質が低下すると考えられます。
その他のことが悩み・ストレスの人の割合
これまでに挙げた以外のその他のことが悩み・ストレスの人の割合は、女性でやや高くなっています。女性では50代から60代にかけて割合が高まりますが、年齢が重なることの影響などが考えられます。
上記の図表(折れ線グラフ)に関する注意点・出典について
(注)上記の折れ線グラフについては、悩み・ストレスの有無が不詳の人を除いた数を総数としました。
(出典)上記の折れ線グラフについては全て、厚生労働省国民生活基礎調査(平成28年)を加工してfromportal.comの担当者が作成しました。
まとめ
- 年齢別に人生の悩みやストレスがある人の割合をみると、働き始める前の10代と定年時期に差し掛かる60代前後に低く、働き盛りの20代から50代と健康状態が悪化する70代後半以降に高くなっています。人生において、仕事と健康が悩みやストレスの大きな原因となっていることが示唆されます。
- 年齢別には、10代は進学・受験、20代から30代にかけては仕事や結婚や出産・妊娠、育児、家計など、40代では子どもの教育や家計、仕事などが、50代では家族の病気や介護や家計、60代以降は自分の病気や介護が悩みやストレスの原因・理由となります。全年齢を通じて家族や友人などとの人間関係や生きがいなどが悩みやストレスの原因となります。男性は仕事の割合が相対的に高く、女性では妊娠・出産、家事、育児、子どもの教育の割合がが相対的に高くなっています。