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火山の噴火による災害の防災・減災・予防

記事作成日:2016年12月13日

火山・噴火

火山の噴火による災害被害の防災・減災・予防についてです。火山の噴火は周辺の広い地域に人的・物的被害を発生させる恐れがあります。火口から距離が特に近い場合には火山からの噴出した物体の飛来が問題となり、周辺では火砕流、溶岩流、火山泥流、火山ガスなどが問題となります。距離が離れていても火山灰による影響が出る場合もあります。

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火山の噴火による災害

火山の噴火による災害被害には以下のようなものがあります。

火山から噴出した固体(火山岩塊(火山弾・噴石)、火山れき、火山灰)の飛来

火山から噴出した固体の物体が飛来することによる被害です。主に衝突による被害が想定されます。64mm~のものを火山岩塊、2mm~64mmのものを火山れき(火山礫)、~2mmのものを火山灰といい、大きい順に火山岩塊、火山れき、火山灰となります。また、弾道で飛来する大きな固体を火山弾というよう場合があるほか、火山から噴出する固体を噴石という場合があります。

大きな火山岩塊(火山弾・噴石)の衝突

火口近くでは噴火口から噴出した大きな固体の物体(火山岩塊、火山弾、噴石などと表現されます)が飛来します。巨大な岩の塊が高速で飛んでくるため衝突すると重大な被害が出ますが、噴火が警戒されるような場所の近くに居住している場合、登山などのレジャーなどで火口付近を歩いている場合などに問題になります。

小さな火山れきなどの衝突

火口から比較的離れた距離でも火山から噴出した固体の物体(火山れきなど)が飛来する場合があります。大きな固体が衝突した場合よりは被害が大きくならないとみられますが、損害が生じる場合があります。

火山灰の降灰

住まいが火山から距離が離れているといっても火山災害は心配ないとは言えません。大規模な火山の噴火が発生した場合には火山から距離が離れていても火山灰が降ることがあります。

大量に火山灰が降り注げば建物などに被害が出る恐れがありますし、建物に被害を与えるほどではなくても農産物の収穫に影響が出る可能性があるほか、火山灰によって鉄道や道路などの交通に障害が出る可能性があります。また、火山灰が目に入ったり、口や鼻から体内に吸い込むと健康被害が発生する可能性があります。

また、空気中の火山灰は航空機の計器類やエンジンなどのトラブルを招く恐れがあるとされていて、火山の噴火によって航空機の飛行が一時的に困難になってしまうこともあります。過去には火山の噴火によって航空機の運航に支障が出た事例もあります。

火砕流

火砕流とは、噴火によって高温の気体と固体粒子が流れ落ちる現象です。水蒸気などが含まれる火山ガス、火山から噴出された固体状の火山砕屑物(大きい順に火山岩塊、火山れき、火山灰)、空気が混じって高速で流れ落ちていきます。

温度は数百度となり、流れる速さは時速100km以上となることもあります。時速100km=時速100,000m≒分速1,667m≒秒速28mなので、かなり高速です。

火砕流は、流れがとても速く高温であるため、火山災害で大きな人的被害を発生させる危険な現象です。見た目は白色から灰色の雲あるいは煙のような形に見えます。

全ての噴火が火砕流を伴うとは限りませんが、火砕流が発生した場合は非常に危険で、巻き込まれた場合には身を守るのは困難で、高速ですので距離が近い場合は逃げ遅れてしまう可能性があります。

事前の避難が重要で、噴火の可能性がある場合は、火口となる可能性がある場所からできるだけ遠くに離れることが重要です。

溶岩流

溶岩流とは、地球の内部の物質が高温になって液体状になったマグマが溶岩として流れ出す現象です。真っ赤な液状のものが火山の火口から流れてくる光景を想像してください。溶岩流の溶岩は高温ですが、どろどろしていて流れはそれほど早くないため、迫ってきていても逃げ出せることがあります。

見た目は非常に派手で危険そうに見えるのですが、流れる速さが遅いため火砕流よりは危険度は下がります。ただし、巻き込まれてしまうと高温なので身を守ることはできません。

火山泥流・土石流

火山泥流とは、火山の噴火によって引き起こされる泥水が流れる現象のことをいいます。火山活動によって山に積もっていた雪が融けると大量の水が発生するため、噴火によって発生した火山灰や周囲の土砂などを巻き込みながら泥流となって流れていきます。火口付近に湖などでがあるような場合にも泥流が発生します。

また、雪解け水がない場合でも、火山活動によって発生した大量の火山灰などが、後から降った大雨によって泥流となる場合もあります。この場合は土石流と呼ばれることもあります。

火山泥流の破壊力は大きくなることがあり、流域では大規模な被害が出る場合もあります。

火山ガス

火山ガスとは火山活動によって噴出される気体です。水蒸気や二酸化炭素、二酸化硫黄などが含まれていて、毒性が強い組成となっている場合には、吸い込むと生命に危険が及ぶ場合があります。

火山活動が活発な島では有毒な火山ガスが常時吹き出すことで、生活が困難になってしまうような場合があります。噴火していなくても、火山ガスが地表から漏れ出ていることがあります。

火山活動が続いているような場所では、空気よりも重い火山ガスが窪地など凹んでいるような地形に溜まっていることがあり、危険な場状態となっている場合もあります。

山体崩壊・岩屑雪崩(がんせつなだれ)

火山は火山活動の過程で山の地形の変化をもたらし、火山の噴火によって火山内部の物質が噴出されることから、火山の噴火などをきっかけに火山の山体が崩壊することがあります。崩壊した山体の岩や土砂が斜面を流れ落ちていく現象を岩屑雪崩(岩屑(がんせつ)なだれ)といい、岩屑なだれが発生した範囲では重大な被害が出ることがあります。

噴火による津波

火山の噴火と津波は関係ないようにも思えますが、実は噴火が引き金となって津波が発生することがあります。火山の噴火によって山体が崩壊して、岩屑なだれが発生した場合、流れ落ちた岩や土砂が海に流れ込むと津波が発生することがあり、沿岸部に深刻な被害をもたらすことがあります。

火山災害の防災・対策・予防

火山の噴火による災害の被害を防ぐための対策についてです。火山の噴火の被害は登山などで火山に入山する場合、火山の周辺に住んでいて噴火の影響を受ける場合に問題になります。火山から離れた場所に居住していても火山灰などの飛来によって影響が出る場合もあります。

火山に入山する場合

火山ににレジャー・登山などで入山する場合の防災対策についてです。

噴火警戒レベルを調べる

火山とされている山にレジャー・登山などで入山する場合は、本当に入山しても良いのか検討しましょう。火山の噴火警戒レベル・噴火警報に注意して危険度合いを把握しましょう。

ハザードマップを確認する

火山に入山する場合にはハザードマップと呼ばれる防災用の地図を確認して、噴火が発生した場合に危険が予測される場所、避難経路・避難方法、避難場所などについて調べておきましょう。

噴火速報に注意する

噴火が発生した場合には、噴火速報が発表されることがあります。スマートフォンなどでも情報を得ることができるため、火山に入山する場合には、火山に関する情報をどのように得ることができるか確認しておきましょう。

危険と思ったらすぐに身を守りながら避難する

危ないと感じたらすぐに身を守りながら避難することが重要です。火山からの噴出物に衝突する恐れがある場合には身を守れるような場所に隠れることが重要です。下山できるようならば、できる限り速やかに下山することが大切ですが、飛来物から身を守ることも大切です。

火山から比較的距離が近い場合の火山災害の防災

火山から比較的距離が近い場合には、火山から噴出した物の飛来、火砕流、溶岩流、火山泥流、火山ガス、岩屑雪崩、津波などの被害が生じる恐れがあります。そのため、火山の活動状況や被害予測を把握することが大切です。

近くの火山の場所と状況を把握する

火山が比較的近くにある場合には、火山がある場所や火山の活動状況(噴火警戒レベル)、噴火した場合の被害予測(ハザードマップなど)を普段から確認するようにして、噴火による危険をできる限り事前に把握することが重要です。

火山災害は事前の避難が重要

火山の噴火による災害は事前の避難がとても重要です。火山活動が活発になっていることが観測されていて、行政から注意喚起が行われている場合(噴火警戒レベルで危険が高いとされる場合)には、行政の情報に従って速やかに避難することが重要です。また、噴火速報を得る方法についても確認しておきましょう。

事前に危険が察知されない場合もあることに注意

とはいえ、火山の噴火は地震と同じように事前に察知できないこともあるため、行政の情報に気を配っていれば安心とは言い切れない事にも注意が必要です。もし火山の噴火によって住んでいる地域に大きな被害が出る可能性があるのであれば、火山から離れた場所に引っ越すことができないかを検討することも対策になりえます。

火山灰への対策

火山灰への対策も重要になります。火山による被害の可能性が高い地域に住んでいる場合には、目に火山灰が入るのを防ぐためのゴーグルや、火山灰を吸い込まないための防じんマスクを備えておくようにしましょう。また、一般的な自然災害の対策と同様に非常用の食料や水、非常用用品などを備えておきましょう。

火山から距離が離れている場合の火山災害の防災

火山から比較的距離が離れている場合には、火山灰の影響への対策が重要になります。

火山の場所と状況を把握する

近くに火山が内容な場合でも、周辺の火山の場所や火山の活動状況(噴火警戒レベル)、噴火した場合の被害予測(ハザードマップなど)を調べておいて、危険性を把握しておきましょう。

噴火発生時は避難が必要か確認する

火山から比較的距離が離れている場合には、近い場合よりも事態が切迫していない可能性がありますが、避難を検討しなければいけない状況下については必ず確認するようにしましょう。関係ないと思っている噴火でも被害が生じる可能性があるからです。火山からの飛来物による被害が警戒される場合には、外出を控えるといったような対応が必要となることもあります。

火山灰などへの対策

火山灰への対策として、目に火山灰が入るのを防ぐためのゴーグルや、火山灰を吸い込まないための防じんマスクをいざという時に備えておくと良いでしょう。

また、火山灰によって一時的に日常生活に必要な物資の物流が停滞する恐れがあることから、他の自然災害と同様に1週間前後の非常食や水を備えておく対策も有効であると考えられます。

まとめ

  • 火山の噴火による被害は、火山から噴出した物体の飛来(火山岩塊、火山礫、火山灰)、火砕流、溶岩流、火山泥流、火山ガス、山体崩壊・岩屑なだれ、津波などによって生じます。
  • 火山の噴火による被害を防ぐためには、火山の活動状況をよく確認することが大切です。

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【火山の噴火による災害の防災・減災・予防の記事は終わりです】

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