防災は住む場所が大切
記事作成日:2015年9月2日
最終更新日:2017年5月1日
防災を考える際にはまずどこに住むかということが重要になります。住む場所によって自然災害などが発生する確率は大きく異なってきます。日常的な防災も重要ですが、そもそも、住む場所に気を付けるだけで災害のリスクを減らすことができます。災害の種類にもよりますが、に遭いやすい場所とそうでない場所があるので住まいの立地はとても大切です。
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地震はどこでも起きうるが揺れやすさは地盤によって差がある
地震の発生確率
日本は地震多発地帯にあるので日本の中で地震が全く起きない場所を探すのは難しいでしょう。近年大きな地震が起きていない地域であっても、過去を紐解いていくと大きな地震の記録があったりします。
そのため、地震が起きない地域を日本の中から探すのは現実的ではありませんが、地域によって今後の地震の発生する危険が高い地域とそうでない地域はあるので、行政機関などの予測を参考にするとよいかもしれません。内閣府の防災情報のページには地震や他の災害の防災情報のほかに発生が懸念されている巨大地震の被害想定などの情報があります。
国立研究開発法人防災科学技術研究所の地震ハザードステーションでは日本全国の地震の発生確率の情報を確認できます。
地盤の状況
地盤の状況によって地震の時の揺れの大きさや被害状況が変わってくるようなので、地盤がしっかりした立地を選ぶことは地震への備えにつながります。自治体のホームページや民間企業のホームページなどで地盤についてデータが公開されていますので参考にしましょう。
地域の建物の密集度
建物が損傷する被害が出るほど大きな地震が発生した時に重要になるのが建物の密集度や建物の構造です。大きな地震が発生した時に耐震性が弱い建物が密集していた場合、その地域の被害が大きくなる可能性があります。また、道路が狭ければ建物の倒壊などによって通行が困難になり救助活動が遅れる可能性が高まります。
さらに、大きな地震が発生すると火災の危険性が高くなりますが、木造家屋が密集していると瞬く間に延焼していってしまう危険があります。1923年に発生した関東大震災では火災による死者が最も多かったとされています。
建物が密集していて木造家屋が多い地域に住む場合には防災上問題がないか慎重に検討しましょう。
津波は沿岸部の危険性が高い
2011年3月に発生した東日本大震災では津波が大きな被害をもたらしました。住んでいる地域が海岸から近いかどうかや、住んでいる地域の標高や地形などによって津波が発生した時の被害の大きさが変わってきます。
住まいを選ぶ時には、海岸からの距離や標高、地形などに気を付けることで津波のリスクを減らすことができます。
火災は周囲に建物が密集しているかどうか
火災は住まいの耐火性が高いかどうかによって危険度合いが変わってきます。自宅だけでなく、周囲の建物の耐火性が高いどうかも重要です。住宅が密集していると火災が発生した時に延焼して被害を受ける可能性があります。
木造家屋などが密集している地域では自分が注意していても他の家で火災が発生すると自宅まで延焼して被害を受ける可能性があります。
住んでいる地域の建物の構造や集中度合い、十分な空間はあるかといった点に気を付けましょう。
水害は標高や地形に注意
水害は立地の影響を大きく受けます。近年では水害の発生は減っていると考えられますが、例えば周囲よりも低い土地は集中豪雨や台風、高潮などによって洪水が発生する可能性があります。また、都会では水はけが悪い場所などで集中豪雨などが発生した時に局地的に浸水する危険があります。
土地の標高や自治体のハザードマップなどを参考に水害の可能性が低い場所に住むことで水害のリスクを減らせます。
土砂災害は周囲の地形や地盤に注意
土砂災害も住まいの立地が重要です。家の近くに斜面がある場合などは土砂災害のリスクがあります。住む場所の周囲の地形に気を付ければ避けることが比較的容易なのが土砂災害なので家の周りの地形には注意しましょう。
火山災害は活発な火山にまずは注目
火山災害も立地が影響します。活動が活発な火山の近くに住んでいる場合は噴火による火山災害のリスクが高まります。日本は地震だけでなく火山も多いですが、活動が活発な火山が近い地域を避けることで火山災害のリスクを減らすことができます。ただし日本ではどこでも火山災害の可能性があると考えて警戒が必要です。
活動が活発な火山の情報は気象庁のホームページでも確認することができます。
放射能災害
東日本大震災では原子力発電所の事故が問題となりました。原子力発電所の事故による影響も住んでいる地域によって差が出ます。仮に事故が発生した場合にはその時の風向きなどの気象条件による部分も大きいですが、少なくとも距離が離れていればいるほど被害を受ける可能性を減らすことができます。
まとめ
- 防災を考える際にはまずどこに住むかということが重要になります。
- 住む場所に気を付けるだけで災害のリスクを減らすことができます。