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ゲリラ豪雨・集中豪雨の基礎知識と対策

記事作成日:2016年9月20日

集中豪雨・ゲリラ豪雨

ゲリラ豪雨とは短期間で大量の雨が局地的に突然降ることを指しますが、正式な気象用語ではなく俗語です。ゲリラ豪雨はほぼ集中豪雨と同じ意味で使われます。集中豪雨は言葉の通り、集中的に大雨が降ることです。ゲリラ豪雨・集中豪雨から身を守るための知識・対策について説明します。

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ゲリラ豪雨・集中豪雨・局地的大雨の意味と違い

局地的大雨や集中豪雨は似たような意味で用いられますが、気象庁によると局地的大雨は急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨とされている一方、集中豪雨は同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨とされています。

局地的大雨は短時間での集中的な大雨、集中豪雨は長時間大雨が続き、累積の雨量が多くなっている状況を指しています。ゲリラ豪雨は、正式な用語ではないですが報道などで局地的大雨や集中豪雨をゲリラ豪雨と表現することがあります。

局地的大雨は集中豪雨とは異なった状態を指していますが、集中豪雨に含めて用いられることも多いので、ここではゲリラ豪雨・集中豪雨に含めて説明します。なお、豪雨とは著しい災害が発生した顕著な大雨現象とされています。

ゲリラ豪雨・集中豪雨の被害の特徴

予測が難しい

ゲリラ豪雨・集中豪雨は突発的に発生するため、予測が難しいことが挙げられます。雨が降る可能性が高いことが分かっていても、ゲリラ豪雨・集中豪雨になるかは分からないことがあります。

短時間で被害が発生する

ゲリラ豪雨・集中豪雨は突発的に短時間で大雨となるため、急に深刻な状況に陥ります。あっと言う間に浸水・冠水してしまって立ち往生してしまうことがあります。

都市は水害に脆い部分も

警報や注意報が発令されなくても危険な状態になることがあります。アスファルトで地表が覆われた都市部では排水能力が低下しているためそれほど雨量が多くなくても、浸水・冠水が発生することがあります。

他の地域の大雨が影響する場合も

河川の上流域で集中豪雨が発生した場合、河川の中流から下流にかけての地域で川の水が堤防を越えて堤防が決壊し、洪水が発生することがあります。雨があまり降っていないような地域でも、突然洪水に見舞われることがあるのです。

どこでも重大な被害が発生する可能性

ゲリラ豪雨・集中豪雨がもたらす被害は多様で、川が氾濫して洪水が発生したり、都市部では大雨に排水能力が追い付かず下水溝や用水路から水があふれ出てしまい氾濫が発生したり、山間部では土砂災害が発生したり、沿岸部では高潮や高波の被害が発生したりします。

局地的大雨・集中豪雨が発生する原因・メカニズム

上昇気流によって積乱雲が発生する現象は比較的よく見られます。積乱雲ができる時に大気が不安定な状態の場合には、積乱雲が発達して短時間で大雨が降る局地的大雨となることがあります。

さらに前線や低気圧が付近にある場合や地形的に雨が降りやすいような場合には、積乱雲の発生による大雨が長期化し、集中豪雨となることがあります。

大気が不安定な状態とは

大気が不安定な状態とは、上空に冷たい空気、地表付近に暖かい空気があって、強い上昇気流が発生しやすい状態を指します。上空に冷たい空気、地表付近に暖かい空気があると、暖かい空気が上昇する一方で、冷たい空気が下降するため、空気の対流が発生し、強い上昇気流が発生し、雲が発達しやすくなります。

上昇気流があると雲が発達する

上昇気流があるところでは、空気の温度が下がっていき、含むことができる水蒸気が少なくなっていき、やがて水蒸気が凝縮して水滴になるので雲が発達します。

空気は上昇すると気圧が下がるので膨張しますが、気体は熱の出入りがない状態で膨張すると温度が下がる(断熱膨張)ため、空気は上昇すると気温が下がっていきます。一方、空気に含まれる水蒸気も膨張するため、水蒸気が凝結する露点も下がっていくのですが、空気の上昇による気温の低下の方が早いため、空気が上昇すると露点に達して水の粒ができて雲が発達します。

ゲリラ豪雨・集中豪雨の情報を集める

警報や注意報に注意する

気象庁から発令される特別警報・警報・注意報や土砂災害警戒情報に注意して地域の危険性の情報を得るようにしましょう。

降水ナウキャストで情報を得る

気象庁が提供している「レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)」や「高解像度降水ナウキャスト」では現在の雨・雷・竜巻の情報を見ることができるほか、今後の予想も見ることができます。「降水短時間予報」でも降水予想を見ることができます。

積乱雲に注意する

ゲリラ豪雨・集中豪雨には積乱雲の発生が深くかかわっています。積乱雲は縦に長い雲で、夏に多く発生します。夏には地面が暖められるのて強い上昇気流が発生しやすいためです。巨大な背の高い雲が近づいてきた、黒い雲が近づいてきた、急に暗くなってきた、雷の音が聞こえた、冷たい風が吹いてきた(下降気流)などが積乱雲を警戒するべき予兆です。

ゲリラ豪雨・集中豪雨から身を守る

地面より低い部分から避難する

地下街、地下室や半地下家屋、地下駐車場、地下道(アンダーパス)、地下通路など地面より低い部分はゲリラ豪雨・集中豪雨によって冠水の危険性があるので早めに避難することが重要です。地下鉄も同様で浸水防止策や排水対策が行われていても水につかってしまうことがあります。

地下で停電した時もパニックにならない

地下街や地下通路でゲリラ豪雨・集中豪雨が被害が出た場合には、停電になる場合があります。暗闇の中で水が流れ込んでくることに恐怖を感じてしまうかもしれませんが、パニックにならず落ち着いて地上までの避難経路を探すことが重要です。

冠水している道路で無理をしない

少し冠水しているくらいの道路であれば走行できないことはないのですが、ゲリラ豪雨・集中豪雨が発生している場合には、急に増水することがあるので、自動車を安全な場所に速やかに移動させて建物の中などに避難するようにしましょう。

報道などで冠水してしまった道路に取り残された自動車を見たことがあるかもしれませんが、油断している間に急に増水するので逃げ遅れてしまうことがあるのです。水量が増すと自動車では移動できなくなります。

まとめ

  • ゲリラ豪雨・集中豪雨とは、短期間で局地的に大量の雨が降ることを指します。ゲリラ豪雨・集中豪雨は突発的に発生するため予想が難しいですが、日常的に気象情報に気を付けるようにしましょう。
  • ゲリラ豪雨・集中豪雨に遭遇したら冠水・浸水の恐れがある場所からは早めに避難することが重要です。油断しているとあっという間に増水して取り残されてしまうことがあります。

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【ゲリラ豪雨・集中豪雨の基礎知識と対策の記事は終わりです】

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