戸籍と本籍の違い
記事作成日:2018年6月4日
戸籍と本籍の違いについてです。戸籍と本籍はほとんど同じような意味として、違いを意識しないで使っていることがあるかもしれませんが、異なる意味を持っているため注意が必要です。通常は使い分けをしなくても意味が通じるのですが、戸籍と本籍は同じ意味ではなく、戸籍はある人の出生から死亡までの親族関係の記録で、本籍は戸籍が置かれている場所という意味になります。
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戸籍とは
戸籍とは、ある人の出生から死亡までの家族関係に関することのを登録・証明するための記録(制度)で、最大で本人とその子の2世代の単位で編成されます。
戸籍には、戸籍に含まれる人それぞれの本籍、氏名、生年月日、父母の氏名などの親子関係や養子縁組関係、配偶者の名前などの婚姻関係などが記載されることになります。本籍は戸籍の記載事項と位置付けられています。
なお、戸籍に記載される事項については、戸籍法や戸籍法施行規則で次のように定められています。
戸籍法第13条 戸籍には、本籍の外、戸籍内の各人について、左の事項を記載しなければならない。
- 一 氏名
- 二 出生の年月日
- 三 戸籍に入つた原因及び年月日
- 四 実父母の氏名及び実父母との続柄
- 五 養子であるときは、養親の氏名及び養親との続柄
- 六 夫婦については、夫又は妻である旨
- 七 他の戸籍から入つた者については、その戸籍の表示
- 八 その他法務省令で定める事項
(出典)戸籍法より引用
戸籍法施行規則第30条 戸籍法第13条第8号の事項は、次に掲げるものとする。
- 一 戸籍法第13条第1号から第7号までに掲げる事項のほか、身分に関する事項
- 二 届出又は申請の受附の年月日並びに事件の本人でない者が届出又は申請をした場合には、届出人又は申請人の資格及び氏名(父又は母が届出人又は申請人であるときは、氏名を除く。)
- 三 報告の受附の年月日及び報告者の職名
- 四 請求、嘱託又は証書若しくは航海日誌の謄本の受附の年月日
- 五 他の市町村長又は官庁からその受理した届書、申請書その他の書類の送付を受けた場合には、その受附の年月日及びその書類を受理した者の職名
- 六 戸籍の記載を命ずる裁判確定の年月日
(出典)戸籍法施行規則より引用
本籍とは
本籍とは、ある人の戸籍の所在地のことで、日本の市区町村の区域内であれば原則として自由に置く場所を決めることができます。本籍地と呼ぶこともあります。本籍は住民票の住所地などとは関係なく、自由に置く場所を決めることができます。
本籍は戸籍の記載事項の一部となっています。本籍は住民票を移しても移ってしまうことはなく、本籍を変更する場合は転籍届によって転籍を行う必要があります。
戸籍と本籍の違い
戸籍は、ある人が生まれてから死ぬまでの間の家族関係などについて記録されたもので、ある人の戸籍が置かれている場所を本籍と呼びます。一方で、本籍は戸籍の記載事項の一部分となっています。
戸籍と本籍は普段はあまり意味の違いを意識しないで、「戸籍はどこにある?」と「本籍はどこにある?」といったような文脈での戸籍の場所という意味では戸籍と本籍は同じ意味になりますが、「戸籍の記載内容は?」と「本籍の記載内容は?」というように戸籍と本籍に含まれる内容という文脈では全く違った意味になります。
戸籍と本籍の違いをまとめると次のようになります。
- 戸籍:ある人が生まれてから死ぬまでの家族関係の記録
- 本籍:戸籍が置かれている場所、戸籍の記載事項の一部
まとめ
- 戸籍とはある人の出生から死亡までの親族関係の記録を意味し、本籍とはある人の戸籍の所在地を意味します。
- 戸籍と本籍の関係は、本籍は戸籍の記載事項の一部となっていて、戸籍の記載内容に本籍が含まれます。