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親子の縁は切れるのか?

記事作成日:2015年10月29日
最終更新日:2018年6月11日

家族は仲良く助け合って生きるのが一番いいと思います。ただ、そうは思っていてもなかなかうまくいかないこともあるかもしれません。そんな時、人によっては親子の縁を切りたいと考える人がいます。しかし、親子の縁は切れるのでしょうか?「親子の縁を切る方法」はあるのかということや「親子の縁を切る」という表現に近い手続きについて効果などを考えてみます。

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親子の縁は基本的に切れない(親子の縁を切る方法は例外的)

いきなり結論ですが、血の繋がりがある法律上の親子の関係は原則として切れません。例外的に切れるのが特別養子縁組で、実父母との関係が法律上なくなり、養父母と法律上の親子関係が作られますが、子供が原則として6歳未満の場合であって、家庭裁判所に請求する必要があります。なお、通常の養子縁組は実父母と養父母両方との親子関係になります。

また、そもそも親子ではなかったのに親子とされてしまっている場合には、嫡出否認訴訟や親子関係不存在確認訴訟などが考えられますが、実際に血がつながった親子であれば法律上の親子の縁を切る方法は特別養子縁組です。縁切りの方法は極めて限られていて、通常はできないのです。

民法第817条の2 家庭裁判所は、次条から第八百十七条の七までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(以下この款において「特別養子縁組」という。)を成立させることができる。

(出典)民法より引用

なお、養子縁組によって親子関係が形成されている場合には、離縁によって縁を切ることができますが、血の繋がりがある親子関係は養子縁組ではないため離縁をすることができません。

民法第811条第1項 縁組の当事者は、その協議で、離縁をすることができる。

(出典)民法より引用

親子の縁は切れないけれど近い効果が得られる方法

親子に限らず、兄弟姉妹、祖父母、叔父叔母、従兄弟、従姉妹などできるかぎり良い関係でいられるといいですね。しかし、現実問題どうしても上手くいかないこともあると思います。そんな時、親子の縁は切れなくても、近い効果が得られる方法もあります。

親が子供を勘当したい(→推定相続人廃除)

現在の日本には法的な勘当の制度はありません。ただし、どうしても自分の子供に財産を相続させたくないという場合には民法に推定相続人の廃除という手続きが定められています。相続をさせないための手続きです。子供から虐待された、重大な侮辱を受けた、子供に著しい非行があったという場合には相続人から廃除することができますが、家庭裁判所への請求が必要となります。かなり重大な事案でないと簡単には認められないようです。

民法第892条 遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

(出典)民法より引用

子が親と縁を切りたい(→親権喪失・親権停止)

子供が酷い親とは縁を切りたいと考えることもあります。この場合、子供本人から家庭裁判所に親権喪失の審判や親権停止の審判を請求することができます。

民法第834条 父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権喪失の審判をすることができる。ただし、二年以内にその原因が消滅する見込みがあるときは、この限りでない。

民法第834条の2第1項 父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができる。

民法第834条の2第2項 家庭裁判所は、親権停止の審判をするときは、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、二年を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める。

(出典)民法より引用

この場合、家庭裁判所の審判によって親の親権が喪失したり、停止したりする場合がありますが、法律上の親子関係が無くなってしまうわけではありません。そのため、扶養義務や相続関係は消滅しません。やっぱり親子の縁は切れないのです。

民法第877条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

(出典)民法より引用

親の借金を負いたくない(→相続放棄、限定承認)

通常は親が負った義務はあくまで親の義務であるため、保証人や連帯保証人などにならない限り義務を負わないのですが、相続によって親の義務を負うことがあります。例えば、相続により借金があった場合に返済義務を負ってしまうことがあります。この場合は相続放棄や限定承認があります。

相続の放棄は完全に相続を放棄してしまうことで債務だけでなく財産も相続する権利を失うことになります。一方限定承認は、相続で得た財産の範囲内で債務などを負担することで、債務が財産を上回っていても財産を超える債務については負担することはありません。親に借金などの債務があることが考えられる場合で、金額が分からない場合に限定承認が活用されます。

民法第922条 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。

第938条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない

(出典)民法より引用

戸籍から外れる(→分籍)

親子の縁を切る方法として戸籍から抜けるということを考える人がいます。しかし、これは本籍地や親子関係が記載された親の戸籍から除外されるという以上の意味はなく、親子間の扶養義務や相続関係がなくなるわけではありません。ほとんど気持ちの問題であって、法律的な効果はほとんどありません。親の戸籍から抜けるためには分籍届を提出することで簡単にできますが、ほんの気持ちの問題でしかなく、親子の縁はやはり切れません。

戸籍法第21条第1項 成年に達した者は、分籍をすることができる。但し、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、この限りでない。

(出典)戸籍法より引用

連絡をしない

実際問題としては、住所や連絡先を知らせない、行方をくらますといったことになるのでしょうが、現実問題として相続が発生した場合など、何かトラブルがあった時に、連絡が遅れたり、難しくなったりすることがあり、期限がある手続きの期限を過ぎてしまうなど不利益を受ける危険もあります。

まとめ

  • 日本では法律上の親子の関係を切る方法として特別養子縁組がありますが例外的です。基本的には関係が悪化しても親子の縁は切れません(養子縁組の親子関係を除く)。
  • 縁を切るのと近い効果がある方法として、親が子に相続をさせたくない場合は推定相続人の廃除、子が親の親権から脱する場合の親権喪失や親権停止、子が親の債務から逃れる相続放棄や限定承認などがあります。
  • 分籍により親の戸籍から抜けることはできますが気分の問題になります。

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【親子の縁は切れるのか?の記事は終わりです】

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