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企業型確定拠出年金のメリットとデメリット

記事作成日:2017年6月21日

確定拠出年金(企業型)のメリットとデメリットについてです。企業型の確定拠出年金は企業が主体となって実施し、企業が掛金を負担する制度です。加入者にとっては、企業が掛金を負担するので自分の負担がなく年金が増える可能性があることや、税制上の優遇措置があることがメリットです。一方、運営管理機関を選べないため希望する運用商品がないという可能性が高まります。

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企業型確定拠出年金の加入者のメリット

企業が掛金を負担してくれる

企業型確定拠出年金では、事業主掛金は事業主(企業)が掛金を負担してくれるため、自分が掛金の負担を負わなくても将来の年金が増えることにつながります。マッチング拠出の場合には加入者が掛金を拠出することもできます。

給与でもらわないため社会保険料負担が発生しない

企業型確定拠出年金の事業主掛金は給料や賞与には当たらないため、拠出時の事業主掛金は標準報酬月額などの対象とならないため社旗保険料の負担増加にはつながりません。事業主掛金を仮に給与等でもらうとすると、その分だけ税金や社会保険料の負担が増えることになります。

企業が手数料を負担してくれることが多い

企業型確定拠出年金では、管理などのコストがかかることから、運営管理機関などに手数料を支払う必要があります。企業型確定拠出年金では手数料の負担は規約の定めに従って事業主(企業)か加入者が負担することになりますが、事業主が負担することが多いようです。

企業型は企業が手続きを案内してくれる

企業型確定拠出年金は事業主(企業)が主体となって実施するため、企業が必要な手続きの案内を行ってくれます。自分で個人型確定拠出年金に加入する場合と比べると、手続き面では楽だと感じることがあるかもしれません。

優遇税制がある

企業型確定拠出年金の運用時には運用収益(フロー)が非課税となります。ただし積立金には特別法人税が課税されることになっていますが、現在は凍結されています。また、老齢を原因とする給付時(受取時)には、年金として受け取る場合は雑所得となり公的年金等控除が、一時金として受け取る場合には退職所得となり退職所得控除の適用があります。

勤続3年以降は受給権が確定する

企業型確定拠出年金は勤続3年未満の場合は事業主返還の仕組みがあるため、事業主掛金が事業主に返還されてしまって受給権が得られない場合がありますが、勤続3年以降は受給権が確保されるため、転職等を躊躇う原因にならなくなります。

投資信託の信託報酬が安いことがある

企業型確定拠出年金で運用商品として提示される投資信託は信託報酬(運用管理費用)などが低めに設定されていることがあります。投資信託の手数料が安い場合は運用コストを減らせるのでメリットになります。

事業主の資産運用失敗や経営悪化の影響が小さい

確定給付企業年金の場合、事業主(企業)の資産運用の失敗によって積立金不足が発生し給付が削減されるリスクがありますし、事業主(企業)の経営が悪化した場合、年金の制度や給付が影響を受けるリスクがあります。

しかし、企業型確定拠出年金の場合、拠出された掛金は事業主の都合により悪影響を受けないようになっているため、確定給付企業年金よりも安心できる部分があります。ただし、企業型確定拠出年金が何らかの事情で終了するリスクがあります。

自分で運用の指図ができる

確定拠出年金では、個人型・企業型ともに加入者自らが運用の指図を行うことになっています。資産運用に自信がある人、他人に運用を任せたくない人にとっては自分で指図ができるということはメリットになります。

企業型は拠出限度額が個人型より多い

企業型確定拠出年金は、個人型確定拠出年金よりも拠出限度額が多めに設定されています。企業型の拠出額上限は27,500円か55,000円ですが、個人型では会社員の場合の拠出額上限は12,000円、20,000円、23,000円のいずれかになります。公務員の場合は12,000円です。拠出限度額が多い分、運用収益の非課税という税制上の優遇措置を活かしやすくなります。

企業型確定拠出年金の加入者のデメリット

将来いくらもらえるか確定しない

確定拠出年金は、掛金の拠出額は確定していますが、将来いくらもらえるかという給付は資産運用の結果に左右されるため確定していません。そのため、老後の生活設計がしづらい場合があります。

資産運用のリスクを負う

確定拠出年金では、掛金の運用リスクは事業主(企業)ではなく加入者が負うことになっています。資産運用に成功すれば年金が増える可能性がありますが、失敗すれば年金が減ってしまう可能性があります。

自分で運営管理機関を選ぶことができない

企業型確定拠出年金の場合には、運用商品の選択肢を提示する運営管理機関を自分で選択することができず、事業主(企業)が選択した運営管理機関を利用する必要があります。提示された運用商品の中に希望する運用商品がないということが起きやすくなります。

60歳まで引き出せない

確定拠出年金は、一定の条件に該当しない限り途中で脱退して掛金を引き出すことができません。60歳以降にならないと拠出した掛金を引き出すことができないので、お金に困ったときでも確定拠出年金に積み立てているお金はあてにできないのです。

積立金への特別法人税課税のリスクがある

確定拠出年金の積立金には特別法人税が課税されることになっていますが、現在は課税は凍結されています。廃止の議論はありますが、廃止には至らず、課税を停止し続けていることを踏まえると、将来課税が行われる可能性がゼロではありません。注意しておく必要があります。

転職時は自動移換されないように注意が必要

企業型確定拠出年金は勤務先から退職・転職した場合に移換の手続きを行わなければいけないことに注意が必要です。移換の手続きをしないで放置しておくと自動移換されてしまって不利益を被る可能性があります。他の企業型確定拠出年金や個人型確定拠出年金に移換する手続きを忘れないようにしないといけません。

企業型確定拠出年金の事業主のメリット

運用のリスクを負わない

企業型確定拠出年金では、事業主(企業)は事業主掛金を拠出しなければいけませんが、掛金を拠出した後は加入者が運用の指図を行い、運用のリスクも加入者が負うことになっているため、事業主(企業)は運用のリスクを負う必要がありません。事業主(企業)が運用リスクを負う確定給付企業年金とは大きな違いになります。

拠出が確定し追加拠出の心配がない

確定拠出年金は拠出額が確定していて、給付を確保するために積立金が少なくなったら追加で拠出をするというようなことがありません。あらかじめ決められた金額を定期的に拠出していきます。そのため、企業が負担する拠出額が決まっていて、増えるようなリスクがなくなるのです。

退職給付に関する負債の計上が不要になる

確定拠出年金では拠出額は確定していて、資産運用の成績が振るわなかったからといって給付を確保するために追加で拠出をしなければいけないということはありません。つまり、拠出額を負担した時点で費用となり、退職給付引当金を負債として計上する必要がなくなるのです。確定拠出年金を導入することで退職給付債務が財務諸表に影響を与えることを防ぐことができます。

掛金は損金算入できる

確定拠出年金への事業主の掛金は損金に算入することができるため、内部留保等により退職一時金を実施するよりも、税制面でメリットが得られる場合があります。

企業型確定拠出年金の事業主のデメリット

掛金の拠出が必要になる

企業型確定拠出年金では、事業主(企業)が掛金の拠出を負担します。新たに企業型確定拠出年金を始める場合には掛金の負担が発生します。

ただし、選択制の企業型確定拠出年金を実施する場合で、給料や賞与、従来の確定給付企業年金制度や退職手当制度などを減額して掛金の原資とする場合には、従来の負担を付け替えるだけなので、追加負担はありません。

手数料負担が発生する

企業型確定拠出年金を実施する場合には、掛金の負担だけでなく、確定拠出企業年金の実施に伴う手数料の負担も発生します。企業型確定拠出年金の場合は、規約に定めることで手数料を加入者負担とすることもできるのですが、事業主(企業)が負担していることが多いようです。

確定拠出年金の事務負担が発生する

企業型確定拠出年金を実施する場合には、事業主(企業)側は事務負担が発生します。加入者に制度の案内などをしなければいけなくなるためです。人手が取られることになるため、人員的に余裕がない企業では実施しづらい場合があります。

投資教育が必要になる

企業型確定拠出年金を行う場合には、事業主(企業)は資産運用に関する基礎的な資料の提供を継続的に行うこと、加入者の資産運用の知識向上に配慮することが求められます。いわゆる投資教育と呼ばれるものですが、事業主(企業)は加入者に対して、投資教育を行わなければいけなくなります。

まとめ

  • 企業型確定拠出年金は、事業主(企業)が掛金の負担をしてくれるため、加入者本人が掛金の負担をしなくても年金が増えることがメリットです。また、運営に関する手数料も事業主(企業)が負担してくれることが多いようです。
  • 企業型確定拠出年金では、運営管理機関を自分で選択することができず、希望する運用商品がないということが起きやすくなります。

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【企業型確定拠出年金のメリットとデメリットの記事は終わりです】

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