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自動移換とは何か・デメリットと対応方法について

記事作成日:2017年6月22日

自動移換とは企業型確定拠出年金に加入していて個人別の管理されている資産がある人が退職等によって加入者資格を喪失した場合に、一定以内に他の企業型あるいは個人型確定拠出年金に資産を移換するか、脱退一時金を請求する手続きをしなかった場合に、個人別の資産が個人別に管理された資産が全て現金化されて自動的に国民年金基金連合会に移換されてしまうことをいいます。

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企業型確定拠出年金が自動移換されないための移換手続きの期限

確定拠出年金法第83条第1号の規定では「加入資格喪失日(退職日の翌日)の属する月の翌月から起算して6か月以内」に移換の手続きをしないと、拠出した積立金は全て現金化されて、国民年金基金連合会に自動移換されてしまうことになっています。

また、同条第2号では企業型確定拠出年金が厚生労働大臣の承認を受けるなどして終了してしまった場合に、企業型あるいは個人型の確定拠出年金に移換されなかった場合も自動移換されることが定められています。

確定拠出年金法第83条 企業型年金の資産管理機関は、次に掲げる者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)の個人別管理資産を連合会に移換するものとする。

一 当該企業型年金の企業型年金加入者であった者であって、その個人別管理資産が当該企業型年金加入者の資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して六月以内に前三条の規定により移換されなかったもの(当該企業型年金の企業型年金運用指図者を除く。)

二 当該企業型年金が終了した日において当該企業型年金の企業型年金加入者等であった者であって、その個人別管理資産が前三条の規定により移換されなかったもの

(出典)確定拠出年金法より引用

手続き期限日の計算例

月末退職の場合(例:3月31日)
退職日3月31日
加入資格喪失日(退職日の翌日)4月1日
起算基準日(喪失日を含む月の翌日)5月1日
手続き期限(基準から6か月以内)10月30日
月初め退職の場合(例:4月1日)
退職日4月1日
加入資格喪失日(退職日の翌日)4月2日
起算基準日(喪失日を含む月の翌日)5月1日
手続き期限(基準から6か月以内)10月30日
月中退職の場合(1)(例:4月10日)
退職日4月10日
加入資格喪失日(退職日の翌日)4月11日
起算基準日(喪失日を含む月の翌日)5月1日
手続き期限(基準から6か月以内)10月30日
月末退職の場合(2)(例:3月30日)
退職日3月30日
加入資格喪失日(退職日の翌日)3月31日
起算基準日(喪失日を含む月の翌日)4月1日
手続き期限(基準から6か月以内)9月30日

自動移換のデメリット

自動移換されてしまうとデメリットがたくさんあります。デメリットしかないような状態なので、自動移換されないように気を付けることが必要です。また、自動移換されてしまったら、一刻も早く自動移換の状態から抜け出すことが重要です。

自動移換されると利息などは付かない

自動移換されてしまうと現金化されてお金が保管されているだけの状態になってしまいます。このお金は銀行に預金されているものとは異なる扱いのため、利息などは付きません。

自動移換されてしまうと運用できない

自動移換されてしまうと、個人別の資産に対して運用の指図を行うことができません。ただお金が保管されているような状態になります。

自動移換されている間は掛金の拠出ができない

自動移換されてしまうと、企業型確定拠出年金か個人型確定拠出年金の加入者になるまで掛金の拠出は出来なくなります。

自動移換されている間は加入期間にならない

自動移換されている間は、加入者期間とも運用指図者期間とも扱われないため、加入者期間や運用指図者期間によって受取時期が変わる老齢給付金の受給年齢が遅れてしまう可能性があります。

自動移換されている間は老齢給付金と障害給付金は受け取れない

自動移換されている間は老齢給付金と障害給付金は受け取れないことになっています。給付を受けるためには、個人型確定拠出年金か企業型確定拠出年金に個人別管理資産がある必要があります(企業型は確定拠出年金法第33条、第37条、個人型は国民基金連合会の個人型年金規約第108条、第118条)。

ただし、自動移換された場合でも死亡一時金と脱退一時金は受け取れます。国民年金基金連合会の個人型年金規約において、死亡一時金(第128条)と脱退一時金(第132条)は特定運営管理機関の裁定により支給されると規定されています。

自動移換されている間は手数料が引かれる

自動移換されている間、しっかり手数料は引かれてしまいます。もったいないです。

手数料には自動移換される際の手数料、自動移換されている間の管理手数料、個人型・企業型確定拠出年金で加入者あるいは運用指図者になるための個人別管理資産の移換手数料、脱退一時金・死亡一時金の裁定手数料などがあります。

自動移換に関する手数料(消費税込み)
自動移換の手数料
特定運営管理機関手数料3,240円
国民年金連合会手数料1,029円
自動移管後の手数料
管理手数料(自動移換4か月以降)51円/月
個人型・企業型への移換手数料
特定運営管理機関手数料1,080円
国民年金基金連合会への手数料(個人型)2,777円
別の企業型確定拠出年金への手数料(企業型)規約による
脱退一時金・死亡一時金の受取
裁定手数料4,104円

(出典)fromportal.comの担当者が作成

自動移換されてしまった時の対応方法について

自動移換されると自動移換通知というものが国民年金基金連合会から送付されることになっていて、どうしたらよいか記載されていますので記載に従って手続きを行います。

自動移換されてしまった場合は、次のいずれかの対応を行うことになります。

  • 企業型確定拠出年金に移換する(勤務先に企業型がある場合)
  • 個人型確定拠出年金に移管する(掛金拠出をする加入者、運用のみを行う運用指図者いずれも可)
  • 脱退一時金を受け取る(条件に当てはまっている場合のみ)

まとめ

  • 企業型確定拠出年金の加入者が退職した場合、一定期間内に個人型・企業型確定拠出年金に移換する手続きや脱退一時金を請求する手続きを行わないと、個人別に管理されている資産が全て現金化されて国民年金基金連合会に自動的に移換されます。
  • 自動移換されると、運用の指図が行えない、手数料が引かれるなどデメリットが多いので、自動移換されないように気を付ける必要があります。

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【自動移換とは何か・デメリットと対応方法についての記事は終わりです】

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