生活に役立つお金の情報です。

企業型確定拠出年金のマッチング拠出のメリットとデメリット

記事作成日:2017年6月19日

企業型確定拠出年金におけるマッチング拠出のメリットとデメリットです。企業型確定拠出年金では事業主掛金に上乗せして加入者が掛金を拠出できる場合(マッチング拠出)があります。マッチング拠出をすると拠出した掛金や運用収益が非課税となるなどのメリットがある一方で、拠出した掛金の途中引き出しは原則出来なくなるというデメリットがあります。

スポンサーリンク

加入者のマッチング拠出のメリット

マッチング拠出をするかどうかは自由

マッチング拠出は企業型確定拠出年金の事業主掛金に加入者が掛金を上乗せして拠出する制度ですが、マッチング拠出をするかどうかは加入者の任意で、強制されるものではありません。

また、マッチング拠出は途中で拠出額を0にして中断することもできるため、家計の状況が厳しくなったらマッチング拠出を止めることもできるのです。

マッチング拠出の拠出額は選択できる

マッチング拠出の拠出額はいくつかの選択肢が示されて選ぶことができるようになっています。そのため、家計の状況などに応じて選ぶことができます。

自動的に年金が貯まっていく

マッチング拠出は企業型確定拠出年金を利用し、加入者の掛金拠出は基本的に給与から天引きされていくため、自分で使ってしまう前に年金に回されていきます。つまり先取り貯金と同じ仕組みなのです。

そのため、自分で貯金するのが苦手、将来のために計画的に積み立てるのが苦手という人でも年金が自動的に貯まっていくことがメリットです。もちろん、自分でちゃんと貯金ができる方が望ましいです。

引き出せないため使わないですむ

確定拠出年金は加入すると基本的に途中で掛金を引き出すことはできず、60歳以降にならないと受け取れません。途中で引き出すことができる場合もありますが、条件があります。

そのため、基本的には一度掛金拠出をすると60歳になるまで使うことができなくなるため、老後生活のためにとっておくことができます。

掛金拠出時は非課税

マッチング拠出に加入者として拠出する場合には、拠出した掛金は小規模企業共済等掛金控除となり、所得税や住民税の課税がないように優遇税制があります。

運用収益は非課税

マッチング拠出によって拠出された掛金による運用収益(フロー)は非課税の扱いとなっています。ただし、積立金(ストック)に対しては特別法人税課税が行われることになっていますが、現在凍結されています。

手数料を事業主が負担してくる場合がある

マッチング拠出は企業型確定拠出年金の枠内で行われるもので、個人型確定拠出年金と異なり企業型確定拠出年金では、手数料は規約の定めに従って事業主と加入者で負担することになっています。企業型確定拠出年金では手数料の負担について、事業主の負担と定めていることがあり、個人型確定拠出年金よりも手数料負担が軽い場合があります。

加入者のマッチング拠出のデメリット

一度拠出すると原則60歳以降でないと引き出せない

確定拠出年金は、途中での引き出しが原則としてできずに、60歳以降受け取ることになります。自分の手元にあるお金を老後の生活のために拘束してしまうことになるため、お金の自由度が下がることに注意が必要です。

また、長期間資金が拘束されてしまっている間に、優遇税制や確定拠出年金の制度などが変わってしまうリスクがあることにも注意が必要です。

マッチング拠出の拠出額の変更は原則年に1回

マッチング拠出の拠出額は途中で変更することもできますが、年に1回となっています。この年に1回の「年」は必ずしも暦年とは限らず、規約で異なる定めがある場合もあるため注意が必要です。

マッチング拠出をしている間に、拠出額を変更したいと考えても、短期間で頻繁に変更できないため注意が必要です。

運用商品の選択に制限がある

マッチング拠出は企業型確定拠出年金の事業主掛金に上乗せする形で加入者が掛金を拠出する方式なので、企業型確定拠出年金の枠内での運用になります。企業型確定拠出年金では運用管理機関を自分で選ぶことができず、自分の希望する運用商品が提示されない可能性があります。また提示される運用商品には限りがあります。

自分の負担で掛金を拠出するとはいっても、運用収益が非課税となるだけで、自由な資産運用ができるわけではないのです。

加入者の拠出額が少ないことがある

マッチング拠出は企業型確定拠出年金の拠出額の上限に達しない場合に加入者が拠出できる制度ですが、事業主の掛金拠出が拠出の上限に近い場合は加入者の拠出額は少ない可能性があります。

また、マッチング拠出は事業主掛金の金額まで加入者が拠出できる制度ですが、事業主掛金が少額の場合、加入者がマッチング拠出で拠出できる金額も少額となることがあります。

加入者の拠出額が少ない場合、少額の資金しか運用できず、運用収益が非課税というメリットがあっても、資産形成につながらない可能性があります。

資産運用の指図が必要になる

マッチング拠出は企業型確定拠出年金の制度の枠内で行われますが、確定拠出年金では拠出した掛金の運用の指図を加入者自らが行わなければいけません。資産運用や投資について知識を得る必要があるだけでなく、資産価格の動向を追わなければいけなくなります。

資産運用のリスクを負う

マッチング拠出は企業型確定拠出年金の制度を利用するものですが、確定拠出年金では資産運用リスクは加入者本人が負うことになっていて、資産運用に失敗した場合には自らに跳ね返ってくることになります。

資産運用に失敗して運用資産を減らしてしまうと将来の年金額も減ってしまう可能性があります。年金額がいくらになる分からないという問題があります。

手数料負担が重くなる場合がある

企業型確定拠出年金のマッチング拠出では、制度の運営に関する費用負担は規約に定められることになります。事業主(企業)が負担する場合が多いですが、加入者に一定の負担が求められる場合があります。

もし、マッチング拠出の金額がそれほど多くない場合には、掛金に対する手数料の比率が大きくなってしまい、手数料負担が重しとなることがあります。運用収益の非課税のメリットが損なわれてしまうことがあるのです。

他に退職金や年金がある場合は受取時に優遇税制の効果がないことがある

確定拠出年金は給付時(受取時)には、年金として受け取る場合には雑所得の扱いとなり公的年金等控除の適用が、一時金として受け取る場合には退職所得の扱いとなり退職所得控除の適用が受けられる可能性があります。

しかし、勤務先での退職金や厚生年金保険・企業年金がある程度見込まれる場合には、控除の金額を退職金や厚生年金・企業年金で使い切ってしまい、確定拠出年金の受け取りで税制優遇のメリットが得られない可能性があります。

積立金に対する特別法人税課税のリスクが残っている

確定拠出年金では、運用収益(フロー)は非課税ですが、受取時に税金が発生してしまうことで、運用収益非課税のメリットが薄れてしまう可能性があります。また、積立金(ストック)への特別法人税課税は凍結中ですが、復活しないとも言い切れないことも注意が必要です。

選択制の企業型確定拠出年金と違い社会保険料は安くならない

選択制の企業型確定拠出年金では事業主掛金は社会保険料の標準報酬月額に含まれませんが、マッチング拠出の場合は一度受け取った給料から天引きで控除して加入者の掛金の拠出とするため、給料として支払われた分は標準報酬月額に含まれます。そのため、選択制の企業型確定拠出年金と異なり社会保険料の負担は減りません。

事業主のマッチング拠出のメリット

追加の負担なく年金制度の提供ができる

マッチング拠出は加入者の負担による拠出なので、事業主(企業)が新たにコストを負担する必要がありませんが、従業員に提示する年金制度の選択肢を広げることができます。

マッチング拠出は任意なので提供しやすい

マッチング拠出は従業員に強制するものではなく、任意の選択によって選んでもらう制度であるため、希望者だけが利用することができ、従業員の反発を招きにくいという特徴があります。

事業主のデメリット

マッチング拠出に伴う事務負担が増える

マッチング拠出を実施する場合には、加入者へのマッチング拠出の説明、加入者に対するマッチング拠出を行うかどうかの意思確認、マッチング拠出を行う人に対する拠出額の受付・変更・中断や情報提供などの事務負担が必要になります。

また、マッチング拠出に伴う社内規定の整備なども必要になります。

選択制の企業型確定拠出年金と違い社会保険料は安くならない

マッチング拠出は加入者にとって社会保険料の節約につながりませんが、事業主にとっても事業主負担分の社会保険料の節約効果はありません。社会保険料の節約の面では選択制の企業型確定拠出年金の方が有利です。

まとめ

  • 企業型確定拠出年金のマッチング拠出をすると拠出した掛金や運用収益が非課税となるなどのメリットがあります。
  • 一方で、マッチング拠出の掛金の途中引き出しは原則出来なくなることから、自由に使うことができなくなるというデメリットがあります。

スポンサーリンク

【企業型確定拠出年金のマッチング拠出のメリットとデメリットの記事は終わりです】

「お金の知識|お金と生活」のページに戻る

最近よく読まれているページ

関連コンテンツ

関連コンテンツ(一部広告を含む場合があります)

家計・節約のおすすめページ

ページの先頭へ