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通勤手当は社会保険料の標準報酬月額に含むため手取りが減ることも

記事作成日:2018年7月3日

自宅から職場までの交通費である通勤手当は社会保険料を計算する際の報酬月額に含まれ、標準報酬月額の決定に影響するため、通勤手当が高い場合には、健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料の社会保険料が高くなるため、手取りが減ってしまうことがあります。また、同様に雇用保険料の計算においても通勤手当は賃金に含まれるため、通勤手当がある分だけ雇用保険料が高くなります。

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通勤手当がある分だけ社会保険料が高くなることがある

通勤手当がある分だけ、社会保険料が高くなることがあります。通勤手当は、自宅と職場を往復するための交通費として必要な費用で自由に使えるお金ではありませんが、社会保険料の計算においては報酬とみなされて計算結果に影響します。

標準報酬月額は社会保険料の計算に使う

健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料は「標準報酬月額×保険料率」に基づいて決定されます。標準報酬月額は、健康保険や厚生年金保険に加入している被保険者の報酬月額に基づいて決定されます。

人によって毎月の報酬額(報酬月額)は異なりますが、1人1人別々に社会保険料を計算するのは煩雑なので、一定金額の範囲内の人は同じ報酬額とみなして(標準報酬月額)、社会保険事務の簡素化・効率化を図り、一定範囲内の報酬月額の人は同じ社会保険料となるようになっています。

例えば、報酬月額が195,000円以上~210,000円未満の場合は全員が標準報酬月額は200,000円として健康保険料と厚生年金保険料を計算するといったような形になります。

社会保険料決定の流れ:基本給などから報酬月額を計算→報酬月額から該当する標準報酬月額が決定→社会保険料が決定

報酬月額には通勤手当が含まれる

社会保険料を計算するための標準報酬月額の元となる報酬月額には、基本給のほか、残業代(残業手当)、住宅手当、通勤手当などが含まれます。

通勤手当は一定の条件下で非課税となるため、通常は所得税や住民税の計算では用いられず、源泉徴収票の給与収入に含まれないため、一般的に年収額に含まれない手当となります。

しかし、社会保険料の計算では自宅と職場の交通費である通勤手当、現物支給の通勤定期券は報酬として扱うため、報酬月額・標準報酬月額の計算に含まれることになるのです。通勤手当は複数か月分が一度に支給される場合は1月当たりいくらかを計算した上で報酬月額の計算に用います。

なお、雇用保険などにおいても通勤手当は雇用保険料の算出対象となるため、雇用保険料が増えることになります。

標準報酬月額が高いことによるデメリット

標準報酬月額が高くなることによって社会保険料が高くなる、高額療養費の自己負担が増える場合があるなどのデメリットがあります。

通勤手当が高いと社会保険料が高くなる

通勤手当は標準報酬月額の算定に影響するため、通勤手当がない場合よりもある場合、通勤手当が少ない場合よりも多い場合の方が標準報酬月額が高くなります。標準報酬月額が高くなると、健康保険料、厚生年金保険料などの社会保険料が高くなるため、その分手取りが減ってしまうことになります。

極端な例を挙げれば、通勤手当がない月額の給与が30万円の人と、月額の給与が20万円で通勤手当が月当たり10万円の人は社会保険料は同額となるため、通勤手当が10万円ある場合には給与が20万円にもかかわらず給与が30万円の人と同じ社会保険料負担となり、相対的に手取りへの影響が大きくなるのです。

なお、同様に通勤手当がある分だけ雇用保険料も高くなります。

高額療養費でも通勤手当で損をすることがある

病気やけがで高額な医療費の負担をした場合には健康保険などの高額療養費の制度によって自己負担額の上限が定められているため、自己負担額を超えた金額の負担をしなくても良くなります。

ただし、自己負担額の上限は標準報酬月額によって段階が分かれていて、標準報酬月額が多いと自己負担の額が多くなり、標準報酬月額が少ないと自己負担額が少なくなります。

そのため、通勤手当で標準報酬月額が増えることによって、高額療養費の自己負担額の区分が上がってしまい、自己負担が増えて損をしてしまうことがあるのです。

標準報酬月額が高いことによるメリット

標準報酬月額が高いとデメリットがありますが、メリットもあります。

通勤手当で将来もらえる厚生年金は増えることも

将来もらえる厚生年金の金額は標準報酬月額の金額によって変動し、標準報酬月額が多いほど、将来受け取ることができる厚生年金の金額が増えます。そのため、通勤手当が高いことによって標準報酬月額が高くなった場合、社会保険料の負担は増えますが、将来もらえる厚生年金は増えることになります。

傷病手当金・出産手当金が増える

病気やけがで働けない場合に一定の条件の下でもらえる傷病手当金や出産によって働けなくなった場合にもらえる出産手当金は標準報酬月額を用いて算出するため、通勤手当があることによって標準報酬月額が高くなっている場合は、傷病手当金や出産手当金の金額が増えることがあります。

なお、雇用保険での失業手当(基本手当)も同様に通勤手当を考慮するため、通勤手当があることで失業手当が増えることがあります。

給与水準が低い場合は高い通勤手当は社会保険料の負担感を大きくする

給与水準が低い場合に高い通勤手当をもらっていると、通勤手当によって社会保険料が増える部分の負担感が相対的に大きくなります。給与水準が高くなれば、多少通勤手当が増えて、社会保険料が高くなっても、あまり気にならないかもしれません。

しかし、社会人になりたてで給与水準が低い20代の場合、派遣労働者やパートタイム労働者のなどの場合は、通勤手当で社会保険料が高くなると、手取りが減る影響を大きいと感じてしまうことがあります。

交通費(通勤手当)は会社支給だからといって高くしない方が良い場合もある

自宅と職場を往復するための交通費(通勤手当)は多くの場合、会社(職場)が支給してくれるため、高くても気にしないという人も多くいます。しかし、交通費(通勤手当)が支給されるからといって、交通費が高くなるような安易に会社から遠く離れた場所に住まない方が良いこともあります。社会保険料の負担が増えることがあるためです。

自宅と職場の交通費が高くなる場合として、職場から遠く離れた場所に住む、電車やバスの乗り換えが多い場所に住む(複数の交通事業者を利用する)、運賃が高い交通事業者の路線の沿線に住むといった場合があります。

事業の採算性の問題などから、周辺の交通事業者と比べて高い運賃となっている場合があり、高い運賃の路線沿いに住んだ場合には交通費が異常に高くなってしまうことがあります。その場合は社会保険料負担が増えてしまうことがあり、注意が必要です。

交通費(通勤手当)が高いということは通勤時間がかかるということ

自宅と職場の間の交通費(通勤手当)が高いということは、通常は通勤距離が長い、通勤時間が長いということを意味します。自宅と職場(会社など)の距離が離れれば離れるほど、往復の電車代やバス料金は高くなるため、「通勤手当が高い=通勤時間が長い」という傾向があります。

しかし、通勤時間が長くなると、自分が自由にできる時間が減る、通勤のストレスにさらされる時間が長くなるなどあまり良いことがありません。そのため、自宅と職場の交通費を抑えるということは時間の有効活用やストレスの軽減という観点からも意味があります。

まとめ

  • 通勤手当は基本給などと同じように健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料の算出対象となるため、通勤手当が高いと社会保険料が高くなることがあります。
  • ただし、通勤手当があることによって社会保険料を計算するための標準報酬月額が高くなった場合、将来もらえる厚生年金の金額が増えるなどのメリットもあります。

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【通勤手当は社会保険料の標準報酬月額に含むため手取りが減ることもの記事は終わりです】

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