生活に役立つお金の情報です。

社会福祉とは・社会福祉の種類や分野

記事作成日:2018年10月3日

社会福祉とは、高齢者、児童、障害者などの生活していく上で困難な状況に陥っている人に対して行われる社会的な支援・援助のことを言い、生きる権利(生存権)を保障するためのものです。日本では、社会保障の一分野として社会保険などと並んで社会福祉が位置付けられることが多いですが、社会保険を含む幅広い社会的な支援を社会福祉と位置付けることもあります。

スポンサーリンク

社会福祉とは

社会福祉とは、社会が幸せであることという意味と、低所得・疾病・障害・高齢などの困難な状況に陥っている社会の構成員に対して行われる社会的な支援・援助のことを意味があります。後者の意味の社会福祉では、生きる権利・生存権を守るために、主に政府が主体となって税などを通じて国民の所得を再分配し、社会的に恵まれていない人に支援を行い、最低限度の生活を保障します。

「福祉」の「福」も「祉」も幸せを意味する言葉で、「福祉」は「幸せ」ということを意味します。「社会福祉」は社会の幸せ、すなわち社会の構成員1人1人が幸せであるということを意味します。ただし、実際に「社会福祉」という言葉が使われる場合には、社会福祉を実現するために、自分では解決が難しい困難な状況にある社会の構成員に対して行われる社会的な支援・援助のためのサービスという意味で用いられます。

社会福祉制度とは

社会福祉制度とは、社会福祉を実現するための具体的な制度のことを意味します。単に社会福祉といった場合にも社会福祉制度を意味することがあります。

日本では、通常社会福祉は社会保険や公的扶助(生活保護)以外を意味するため、厳密には社会福祉制度では社会保険に当たる国民年金や厚生年金保険による老齢年金や障害者年金などは含みませんが、社会保険を含めて社会福祉制度とすることもあります。

社会福祉制度では、高齢者、障害者、児童、母子家庭や父子家庭、寡婦、低所得者など社会的に困難な状況に直面している人に対する金銭的な支援や各種サービスの提供が行われます。

日本における社会福祉の位置づけ

日本では社会福祉よりも社会保障という概念の方が広い意味で用いられる傾向があり、社会保障の中に社会保険、社会福祉、公的扶助、公衆衛生という分野があるという位置づけがよく用いられます。

日本国憲法においても第25条で社会福祉、社会保障、公衆衛生と3つを並べて挙げていて、社会福祉は社会保障や公衆衛生は別のものと位置付け、その考えに基づいて各種の法律や制度が整備される傾向があります。

日本での用いられ方としてはあまり一般的ではありませんが、社会福祉を広い意味で捉えると、社会保障や公衆衛生なども含めて、国民生活の向上につながる社会的な取り組みを広く社会福祉と位置付けることも可能なのですが、日本においては通常は社会福祉は社会保障の一分野と位置づけられます。

そのため、社会福祉という言葉は、通常は社会保障の一部と位置付けられますが、使われる文脈によっては広い意味で用いられることもあります。

社会福祉の種類・分野

社会福祉は自分の力では解決が難しい状況に置かれている社会的に立場が弱い人たちを対象としています。社会保険では、保険料の負担に基づいて給付が行われますが、社会福祉では保険料の負担なしに金銭的な支援や福祉サービスの提供が行われます。

社会福祉では、特に高齢者、障害者、児童、母子家庭・父子家庭(ひとり親家庭)、寡婦、女性(婦人)、低所得者・生計困難者が支援対象となります。

また、社会福祉事業からは除かれていますが、更生保護制度も社会福祉の一分野とする考え方もあります。さらに日本では一般的な考え方ではありませんが、広い意味では、失業者などに対する労働者保護や就労支援などの労働・雇用政策(労働者福祉)、住宅の整備など住居の確保の支援、教育、医療などを社会福祉に含める考え方もあります。

日本における社会福祉の主要な対象分野

  • 高齢者
  • 障害者
  • 児童
  • 母子家庭・父子家庭(ひとり親)
  • 寡婦・女性(婦人)
  • 低所得者・生計困難者

社会福祉と位置付けることが可能なもの

  • 更生保護
  • 労働者福祉
  • 住宅確保の支援
  • 教育の提供
  • 医療の提供

高齢者福祉

高齢者は、加齢に伴って病気やけがをすることが多くなるほか、運動能力や認知機能が低下していきます。また、働くことが難しくなり、労働によって収入を得ることが難しくなります。

高齢者福祉に関する制度等には、老人福祉法に基づく老人福祉施設(特別養護老人ホームなど)、高齢者が適切な医療を受けられる制度、介護の必要度合いに応じて支援が受けられる介護保険制度、高齢者の雇用の確保を図る制度(高齢者雇用安定法)、高齢者が暮らしやすい環境を整えるための制度(バリアフリー法)、高齢者が住宅を確保しやすくする制度(高齢者住まい法)、年金(老齢・障害・遺族)などがあります。

児童福祉

児童(子ども)は一人では生きていくことができず、保護者がいない場合や保護者が適切な監護を行えない場合などには支援が必要となります。また、子どもは病気やけがをしやすく、子育てにはお金がかかるため、社会的な支援が行われます。

保護者がいない乳児や児童などを保護する施設・制度(乳児院・児童養護施設・里親など)、児童の健全な成長を図るための施設(児童館・児童遊園など)、働く人などから子どもを預かる施設(保育所(保育園)・認定こども園など)などによって児童に対する各種サービスが提供されます。また、金銭的な給付を行う制度(児童手当など)もあります。

障害者福祉

身体・知的な発達・精神において障害を抱える障害者は、一人で生きていくことが困難である場合も多く、社会的な支援が必要となります。

障害者福祉では、障害者が自立して地域で生活できるよう支援が行われます。自宅や施設で介護を行ったり、自立を支援するための医療が行われたり、自立するための職業訓練が行われたりします。また、障碍者の差別を解消するための法制度(障害者差別解消法)や、一定数の障害者の雇用を義務付ける制度(障害者雇用促進法)などもあります。

母子・父子家庭(ひとり親家庭)・寡婦福祉

離婚や死別などによって母子家庭や父子家庭(ひとり親家庭)となってしまった場合には、経済的・社会的に弱い立場に追い込まれてしまう傾向があるため、社会的な支援が必要となることがあります。

母子家庭・父子家庭や寡婦に対する支援としては、金銭的の給付(遺族年金、児童扶養手当など)、生活資金の貸し付け(母子父子寡婦福祉資金貸付金制度)、生活や子どもの養育に問題を抱える人に対する母子生活支援施設、就労支援、税制上の優遇(寡婦控除、寡夫控除)などがあります。DVなどからの女性(婦人)等の保護も社会福祉と位置付けられます。

低所得者・生計困難者支援

何らかの事情により収入が得られなくなってしまった人に対しては、社会的な支援が必要となることがあります。貧困が固定化してしまうと、最低限の生活、生きることが困難となってしまう場合があるからです。

低所得者・生計困難者に対する支援としては、健康で文化的な最低限度の生活を保障する生活保護制度が有名です(公的扶助と呼ばれ社会福祉とは別に位置付けられる場合があります)。そのほかにも、低所得者に対する生活資金の貸し付け(生活福祉資金貸付制度)、就労支援制度、安い賃料の公営住宅制度、無料あるいは低額で宿泊や医療を提供する制度があります。

更生保護

更生保護は刑事上の政策で、社会福祉政策とは位置付けられないことがありますが、社会福祉の一部とされることがあります。更生保護とは、罪を犯した人が再び社会に復帰する時に、社会で生活していくことができるようにするための支援を意味します。何の支援も行わないでいると、社会的な生活を送ることが困難となり、再び罪を犯してしまう可能性があるため、社会的な支援が行われます。更生保護は罪を犯した人に対する支援でもありますが、安定した社会を築くための制度でもあり、社会全体にとって有益なものです。

更生保護には、指導監督・補導援護を行う保護観察、食事や医療などに関する支援(応急の救護等・更生緊急保護)などがあります。

労働・雇用(労働者福祉)

労働・雇用に関する政策が社会福祉と位置付けられることがあります。仕事を失い失業者となってしまうと収入が途絶えてしまうため、社会的な支援が必要となる場合があります。また、誰もが仕事に就くことができるように、職業訓練を行ったり、職業紹介を行ったりすることも労働者の福祉につながります。

労働者に対する福祉制度としては、職業相談や職業紹介、職業訓練など就業に関する支援のほか、労働者の立場を保護するための制度(労働基準法、最低賃金法など)、労働者災害補償保険や雇用保険などの労働保険などがあります。

住宅確保の支援

住む場所の確保や住宅の取得支援を社会福祉の一部と位置付けることがあります。人間が生活していくためには住む場所が必要不可欠で安全に住むことができる場所が確保されることで最低限の生活を送ることができるようになります。住所不定のままでは就業できないことも多く、住む場所が確保できていないと仕事を見つけるのが難しくなります。

低所得者でも借りることができるような公営住宅の整備や、賃借人を保護する制度(借地借家法など)、住宅ローン減税などによる住宅取得の支援などを社会福祉の一部であると考えることができます。

教育の提供

日本では教育を直接的に社会福祉と位置付けることは珍しいですが、教育は社会福祉の土台をなすものであると言えます。社会で生活をし、仕事をするためには、一定水準の教育を受けていることが大前提となるためです。また、高度な専門的知識等が必要となる仕事に就く場合には、高等教育を受けていることが必要となることもあります。

教育には、読み書きや計算などの基礎となる知識だけではなく、職業に関する教育や職業訓練も含まれます。教育を受けることによって社会で生活し、仕事をすることができるようになるのです。

医療の提供

医療制度を整備することは社会福祉であると考えることができます。誰もが適切な医療を低廉な価格で受けることができるように、医療に関する各種基準を整備したり、医師や医療施設の確保を図ったり、公的な医療保険制度を整備したりすることが社会福祉と位置付けられることがあります。

まとめ

  • 社会福祉とは、高齢者、児童、障害者などの生活していく上で困難な状況に陥っている人に対して行われる社会的な支援・援助のことを意味します。
  • 社会福祉の対象分野・種類には、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉、母子家庭・父子家庭(ひとり親家庭)福祉、寡婦・寡夫福祉、女性(婦人)福祉、低所得者福祉などがあります。

スポンサーリンク

【社会福祉とは・社会福祉の種類や分野の記事は終わりです】

「お金の知識|お金と生活」のページに戻る

最近よく読まれているページ

関連コンテンツ

関連コンテンツ(一部広告を含む場合があります)

家計・節約のおすすめページ

ページの先頭へ